断腸亭料理日記2007

三田・立ち呑み・串揚げ・たけちゃん その2

12月10日(月)夜

さて、三田の立ち呑み、串揚げ、たけちゃん。
昨日は、三田、田町界隈の昔。



さて、その後の、三田、田町。
いや、明治末以降は、海岸沿いの歴史の方になろう。

海の埋め立てが始まるのは、明治末。
遠浅で、大型の船が接岸できなかったこの海岸を浚渫。
その土砂でできたのが、芝浦の埋立地。

工場ができ、学校もできた。
他の、新開地同様、芝浦に花柳界も栄えた。

東芝の発祥も、芝浦。

現代、各社の工場は移転し、田町も、三田も、芝浦も、
今は学校、マンションもある、ビルの林立するオフィス街と
呼んでいよいのだろう。

明治以降、東京、あるいは日本の初期、中期の成長を支えた
地、と、いえるのかもしれない。

さて、たけちゃん。
そんな、田町駅前、慶大に向かう、慶大仲通りの路地にある。

18時ちょうど、藍色の暖簾を潜って、店に入る。
やはり、もう既に、賑わっている。

カウンターには、3人。
入ってすぐのカウンターにつく。

寒いので、お酒、お燗。

お酒は、高清水。
塗りの一合枡を袴にした、コップ酒。

腹が減っているので、串揚げは、おまかせ、
¥1000ちょいを、もらうことにする。


まず出てきたのは、、キスと、こんにゃく。
(こんにゃくを揚げる、というのは、初めてである。)

食べながら、呑みながら、厨房の中を眺める

ここは、ご主人と、奥さん、娘さん二人、で、あろうか、
家族で、やられている。
かいがいしく、小さい娘さんが、洗い物などをしている。

ご主人の話している言葉を聞くと、関西弁。
文字通り、本場大阪の串揚げ、どて焼を出されていいる、
と、いうことであろう。

と、すると、なぜ、東京へこられたのだろうか。
これも、話す言葉を聞いていると、奥さんは、
東京の人のようである。
また、こんな場所に店を出す、というのは、
やはり、土地感がなければ、出せまい。

結婚をされて、東京へきたのだろうか。

、、、。

などと、どうでもいいことを、考える。

それというのも、串揚げ立ち呑みは、大阪の、
それも、かなりローカル色が強く、かつ、B級で、格安な
料理を出す店であろう。

なんでも、ご店主のお母さんが、大阪で、やはりこんな立ち呑みやを、
やっている、ということではある。

それだけ、ご主人は、串揚げ立ち呑みを、愛されているのか。
この店では、なんとなく、そんなものを感じる。

お客としては、ありがたい限り、である。

路麺にしても、立ち呑みにしても、これは共通である。
格安な値段で、呑める、食える、それもかなりうまいものが。

安くてうまいものを出してくれる。
これは、愛していなければ、できないこと。
そして、これこそが、まさに、食い物やの原点ではなかろうか。

路麺にしても、立ち呑みにしても、安い、業態だからこそ、
純粋に、ご主人やお店の、愛が、お客に伝わる。
そこが、筆者の好きなところ、なのである。

(だから、流行っているからといって、チェーンの立ち呑みやを
人を雇って、開いても、そこに、愛、が、なければ、それは
ホンモノの、筆者の好きな、立ち呑みや、ではないのである。)

ともあれ。

おまかせの、串揚げを、バクバク。
お決まりの、キャベツも、“二度づけ禁止”のウスターソースに
つけて、むしゃむしゃと、食う。

お酒も、おかわり。

せっかくであるから、どてやき、も、もらう。


やき、という名前であるが、牛筋の煮込みを
串に刺したもの。
これも、大阪立ち呑みの、名物。
忘れてはいけないメニュー、で、ある。

濃い味で、うまい。

串焼き、追加で、玉ねぎを、もらう。

串揚げで、玉ねぎは、外せなかろう。
路麺の天ぷらでも、なんでも、筆者は玉ねぎは、好物である。
なにしろ、揚げた玉ねぎは、あまく、ほくほく、で、ある。

さて、こんなところで、お仕舞い。

勘定をして、出る。

今日は、なんとなく、落ち着いて、二合も呑んでしまった。
ここには、そう頻繁にこれない。
たまには、よいであろう。




常連さんが作られたページかと思われます。



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