断腸亭料理日記2007

合羽橋・太助寿司

12月24日(月)振替休日 夜

さて、クリスマスイブ。
今日は、内儀(かみ)さんの希望で、合羽橋、太助寿司。
今年納め、で、あろう。

数日前に、内儀さんがTELを入れておいた。
19時前、徒歩で出かける。

たどり着き、店を入ると、さすがに、満席。

カウンターに座る。

親方が、今日は、てぐすねを引いて、待っていた。

「いろいろ、考えていたんだからね」と、いう

刺身。

平目、富津。たこ。あおりいか、葉山。赤貝。
そして、今日の、親方の、一つ目のネタ。
マグロ。
なんと、メジマグロ。

まぐろの子供、で、ある。
筆者なども、赤札堂などでよく買う。
安い割りに、けっこう食える。
東京では、房総などが多いのであろうか。
スーパーで買っても、近海の生で、冷凍の遠洋まぐろなどよりも、
よっぽど、うまい。
アラなどは、脂もあるので、毎度、筆者がネギとともに
しょうゆで、ネギマ鍋にするのが、これである。

え?メジ。
2〜3日前に、アメ横で一本1800円で売ってたよ、
と、いうと、

親方は、ジョ〜〜ダンイッチャァ、イ・ケ・ネ・エ、という顔で、
これは、氷見、という。

氷見は、富山湾。
富山湾は、ご存知の通り、本マグロも、あがる。

その子供、なのかも知れない。

見た目にもきれいな、脂である。
食べると、上品で、雑味のない、
へんな比喩かも知れぬが、光物に近いような味。

これは若いせいだろうか。
また、鮮度も、スーパーで買うものとは、むろんのこと、
圧倒的に違うのであろう。

ちょっと、やはり、稀有な味である。

そして、手前下に置かれているのが、そのメジの皮を、塩で焼いたもの。
こういう出し方も、光物に、近いかもしれない。
むろん、これも、うまい。

次、毛蟹。
北海道は、襟裳。
これは、北海道出身の内儀さんの好物、でもある。
濃厚なうまみ、で、ある。

ここから、握り。

前回もあったが、しまあじ。


前回よりも、いい。

いや、かなり、よい、のではなかろうか。

うまみと弾力のある食感、そして、香り。
これは、まさに、絶品といって、さしつかえ、なかろう。

白いか。


今日のは、かなり、弾力がある。
しかし、かむと、ねっとりとし、その上、あまい。
山口。

うに。


きょうは、北海道、噴火湾。
噴火湾は、北海道南部、室蘭の西側、丸くなった大きな湾である。
これも、なんの文句も付けようがない。
またまた、これは築地になん枚もない、と親方は胸をそらす。

みる貝。


北海道の本みる。
先っぽの、茄子紺が、目印。

鯖。


表面を炙った、〆鯖。
八景島の隣、小柴。
まあ、東京近郊では押しも押されぬ、ブランド鯖。
炙ってしまうのが、もったいないくらいである。
しかし、ふんだんにある脂に、この炙ったアクセントが、うまい。

小柱。


これも、いつも、で、あるが、北海道野付産の大粒のもの。
海苔の味が、際立って感じる。

さて、まぐろ。


これは、正真正銘、本まぐろ。
それも、大間の、中トロ。

ぶり。


これだけ続くと、もう、ノックアウト、で、ある。
これも、むろん本場もの。やはり、氷見。
ぶりなど、東日本の人間だからだろう、
昔から食べる習慣もないし、寒ぶりがうまい、と、いわれても、
経験もなく、思い入れも、ない。

だが、やはり、ホンモノには、グーの音も出なかろう。

穴子。


やっぱり、最後は、これである。
太助寿司、フルコースの〆は、穴子以外にはない。

熊笹で炙った香ばしさに、とろとろの脂。
いうことは、ない。


さてさて、今年納めの太助寿司。
これでだけ並べられると、バチが当たりそうである。
だが、まあ、年忘れ、年に一度は、よいであろう。


来年は、よい年で、ありますように。




合羽橋・太助寿司
電話番号:03-3841-4811
住所: 東京都台東区松が谷2丁目26−6



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