断腸亭料理日記2007

浅草六区・水口食堂

3月24日(土)第一食

読者の方から、昨日メールをいただいた。
女性の方、で、ある。

飯田橋の、めとろ、のことやら、御徒町の中華屋、タンメンで書いた、珍満

そして、観音裏のグリルグランドへも、いかれた、という
お話とともに、こんなところは、知ってますか?ということで、
浅草六区の水口食堂、というところを書かれていた。

この水口食堂、筆者、入ったことは、なかった。

むろん、六区は、いつもうろうろしてきた、ところではある。
それも、昨日今日ではない。

ちゃんと記憶に残ってはいなかったが、そんな店があのへんにあった、
かな、といったところ。

まず、教えてもらった、HP(下記)を見てみる。
「ふむふむ、三語楼師(現小さん師?)が行きつけ」なるほど。
「演芸ホールも近所だし、、」。

営業時間が、土日は、朝9時から。
なんとまた、食堂にしては早いではないか。
なぜであろうか。朝飯?

まあ、いいか。

土曜日第一食、で、あるが、今週は、路麺をやめて、
ここに、いってみようか。
朝から、どんぶり飯、になるが、、、。

9時半、会社へ行く都合もあり、今日は、車で出る。

国際通り沿い、今半のちょい先、コインパーキングに停め、
通りを渡る。
演芸ホールのところの路地、
入り口に小さな立ち喰いそばや、なぞあり、その奥。

角にあった。

「あー、これか。」

やはり、なん度も前は通っている。

入ってみる。

と、、。

「なるほど。わかった!」

入ると、テレビで競馬中継。
もう既に、お客さん2〜3人。
煮込みを前にレモサワーを呑み始めている、お爺ちゃんもいる。

土曜日、このあたり、と、いえば、
ウインズ、JRAの場外馬券場、で、ある。

なにを隠そう、筆者も随分前であるが、
かなり競馬にはまっていた頃があった。

いつ頃であったか。
まだ、馬の年齢を数え年で、いっていた頃である。

馬券は、むろん毎週買っていた。

府中へも、中山へも、、、いやいや、それどころではない。
福島はいっていないが、新潟へもいった。
そして、京都まで、菊花賞を見に行ったり。
内儀(かみ)さんの実家が北海道にあるのをいいことに、
夏は、札幌、函館。
さらに、日高の馬産地。引退したオグリキャップを見に行く。
義父の古い友人が社台ファームにいらっしゃり、当時の
No1.種牡馬、ノーザンテーストを見学させていただいたり、、。
また、洞爺湖のそばの、メジロ牧場、へもいった。

かなりのはまり方ではあった。


六区のウインズにも、むろん、なん度もきている。

さて、この店。
ウイークデーはもう少し、違う客層なのではあろう。
しかし、土日は、中継を見ながら、呑みながら、
ウインズへ馬券を買いにいき、戻ってきて、店のテレビで、
レースを見る。そんな状況が展開されている、のであろう。

なにか、懐かしい。
当時は、こんな朝早くはこないが、知らない世界ではない。

座ると、お新香と煮豆の小鉢が運ばれる。

さて、なにを食べようか。
日替わり、アジフライ定食、¥750。
これでいってみようか。

「日替わり!」と元気よく、頼む。

あー、半ライスにしておいた方が、よいか、、
いやいや、ここは、ガツンと?。

四十を超えて、ガツン、と朝から食っている場合ではないが、
この場では、ガツン、が、ふさわしい。

テレビでは、1レース、
3歳未勝利戦のリプレイが流れている。

ぼんやり見る。

中山だ。右回りだったなぁ〜。

そうそう、こんな競馬狂歌があった。


「そのまんま 叫んだ男 そのまんま 座り続ける背に西日差す」


味わい深い。


もう、名前も知らない騎手もいる。
筆者がやっていた頃は、まだ、岡部はもちろん、増沢もいったっけ。

そうである。あの頃は、馬単(うまたん)すらなかった。

と、アジフライ定食が、きた。


どんぶり飯。浅利の味噌汁。
うまそうである。

アジフライは、三枚。

と、テレビでは、確定!

ウオー、すごい。
3連複(れんぷく)が、なんと、140万円を超えている。
(140万とは、100円で、である。)

よくあることなのであろうか。

昔は、万馬券、も、取ったこともあったっけ。

店のおばちゃんが、レモンサワーを呑んでいる
お爺ちゃんに話しかける。

「すごいわねー。」

お爺ちゃん
「ん?、、、」

「今の、買ってなかったの?」

「え?」

「今の、140万円、って。見てなかった?」

「うーん。」

「見てなかったの?」

「うーん」

もう既に、お爺ちゃんは、できあがっていたのだった。


アジフライで、どんぶり飯を、かっ込む。
浅利の味噌汁が、味が濃く、うまい。

お茶をおばちゃんが、差し替えてくれる。

一服し、お茶を飲んで、、ふー。食った食った。
うまかった。

勘定をして、出る。


創業、昭和25年。戦後すぐ、で、ある。
そんな、土曜日朝の、浅草六区、水口食堂、で、あった。


(朝からどんぶり飯を食ってしまった、、。)



水口HP




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