断腸亭料理日記2007

うるめいわしの

トマトソースパスタ

5月27日(日)第一食

さて、引続き、うるめいわし、で、ある。

話は、26日(土)、深夜にさかのぼる。
毎週のことであるが、土曜の深夜に、料理をすることが多い。
「チューボーですよ!」などを見ていることが
一つの要因ではあるのだが、なにか食べたくなり、
作り始めるのである。

うるめいわし、で、ある。

夕方、二匹刺身にし、一匹分食べ、
内儀(かみ)さんが帰宅し、さらになん匹か刺身にし、食べた。

深夜、考え付いたのは、トマトソースで煮たもの。
洋風というのか、イタリアン。
パスタソースにもなろう。
前にも作ったことがあるが、脂の強いいわしは、
トマトで煮ても、うまい。

以前の日記を見ると、いわしをトマトソースで焼く
なんということもしていた。

トマト水煮缶がないので、ハナマサまで買いに出る。

うるめいわし、二匹、二枚におろし、一口大に切り、
塩、軽く胡椒、タイム。
魚介類には、タイム、で、ある。

にんにく2かけらほど、スライス。

フライパンに、オリーブオイル。
にんにくを軽く炒め、香りを出す。
(安全を見て、フライパンはテフロン。)

ここに、いわしを入れ、
比較的強火で、両面さっと、焼く。

魚をフライパンで焼く、というのは、
筆者には、鬼門、で、あるが、
ソテーというのか、ポワレ、と、いうのか、
焼いただけで食べるのではないので、
比較的気が楽である。
その上、今回は、刺身を作った流れで、無意識に、
皮を取っていたので、皮がくっつくという心配もない。

焼けたいわしは、皿に取っておく。
フライパンに残った、炒めたにんにくと油を、
煮込み用の別の鍋に移す。

ここに、トマト水煮缶、カットしてあるものなので、
そのまま入れる。

焼いたフライパンの表面には、焦げやら、油やら、
いわしのダシが残っている。
これを洗って捨ててしまうのはもったいない。
フライパンに水を入れ、加熱。表面をしゃもじでよく洗い、
これも、煮込み鍋に入れる。

ローリエ、数枚、塩、胡椒を入れ、煮込む。

10〜15分ほどか。
ちょっと煮詰まったところで、
取っておいたいわしを入れる。

しばらく煮て、味見。
タイムを足す。
くど過ぎてもいけないが、タイムの香りは、
それと感じられる程度には利いていた方がよい。

よいかな。

この日は、そのまま少し食べ、
スパゲティーを茹でて、パスタソースとして食べたのは、
翌、第一食。


やはりこれは、いわしの身、も、さることながら
ソース、で、あろう。
いわしから出た、脂やダシ、とトマトとが、好相性、
で、ある。

イタリアンで、ずばりこうした、いわしのトマトソースが
あるらしいが、日本のおしゃれなイタリア料理店で出てくる
メニューなどではなく、筆者も食べたことはないと思うが、
うまいものである。

考えてみれば、イタリア料理の材料、アンチョビも、かたくちいわし、
であるが、ピザにも使うし、トマトとの相性はよい。

日本の食材、ことに魚介類はイタリアンにも
十二分に展開できるし、また、日本人の口に合う。
おもしろいものである。

いや、いや、本当は、そうではない。

いわしは、日本の魚だと思い込んでいるが、
考えてみれば、世界中にいる。
日本人以外に、魚介類の簡単で、うまい食い方を知っているのが、
イタリア人であった、と、いうべきかもしれない。



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