断腸亭料理日記2007

いいだこ

11月4日(日)夜

さて、午後。

今日も、歩きながらの稽古に出る。

二席やるので、長い道のりになろう。
一席は宴会用に縮めて10分、もう一席は、30分近くある。

方向としては、なんとなく、南下し、小島町、西へ曲がって
清洲橋通りを渡り、佐竹商店街を抜け、なんとなくさらに南下。
蔵前橋通りまで出て、また西へ。JRをくぐって、中央通り、
末広町の交差点。ここから中央通りを北に戻り、
噺が終わりそうにないので、湯島側へ渡り、天神下の通りにまわる。
真っ直ぐ池之端の方へ歩き、春日通りを超え、、、
そろそろ、噺も終わりに近付いてきた。
藪蕎麦のある、池之端仲通りに入り、過ぎたところあたりで、
終わった。

ここから、毎度お馴染みの、アメ横の魚屋へ。

今日は、なにかな?
やはり、日曜日は、今一つである。

うーん。
ちょっと、かわったところで、いいだこ。

いいだこは、まあ、一年中ある。
さほど珍しいものでもない。

煮てみようか。
トレー一杯、500円。

帰りはまっすぐ、帰宅。

夕方。
まずは、ボールにあけて、数えてみる。
14〜5匹ある。

しょうゆで甘辛く煮るのだけでは多い。
トマトでも煮てみよう。

下準備として、塩でよくもんで、ぬめりを取り、洗う。
ちょっと調べると、墨を出すようである。

頭を切ってもよいのだろうが、なんとなく、いいだこの
そのままの形のまま、煮たいような気がする。

頭の隙間から、水を流し入れ、よくもんで、墨を出す。

まずは、トマト煮。

にんにくをみじん切り。
オリーブオイルで炒める。

ここに、半分のいいだこを入れ、炒める、、、。

と、炒めている間に、洗ったはずの墨が出てくる。
やはり切って、墨を完全に取った方がよかった。

みるみるフライパン全体が真っ黒。

ちょっと味見。
いいだこは、炒めただけでも、うまいが、やはり、
墨が入ると、少し、なまぐさい。

いまさらどうにも仕方がない。
ここまま、トマト缶(カット)を入れる。
墨のくさみ消しに、タイム。

塩胡椒。

あまり煮すぎない方がよかろう。
軽く煮て、終了。

いいだこ、たこすみトマト煮、そんなものができた。


さて、しょうゆ煮の方。

水から、酒、しょうゆ、ちょっと甘めに砂糖。

これも煮すぎない。
アルミホイルで落し蓋をし、数分。
あとは、放置し、煮ふくませる。



ビールを抜いて、食べる。
まずは、たこすみトマト煮。
見た目はすごい感じで、あるが、思ったほどひどくはない。
いや、むしろ、かなりうまい。

タイムを効かせれば、くさみも気にならぬ。

しょうゆ煮。
これも、実は、煮ている間に、少し、墨が出てきてはいたが、
黒くなるまではいかず、なかなかよく、煮あがった。

味もよい。

さて、過去の日記を調べてみると、いいだこは、なん回か作っている。

トマト煮


ピラフ(墨)


煮物(花見)


同じように、真っ黒にしてしまってもいる。

いいだこは、江戸前、東京湾でもよく獲れ
里芋と煮るのが、定番のものであったという。
今でも、やはり、東京湾で獲れている。

名前の指し示すように、いいだこ、とは、秋から冬、
頭(腹)に一杯、卵を持った、メスが最も求められ、値段も高い。
もっとも、これは、関西での評価で、東京ではもともとは
卵を珍重することはなかったらしい。
先に書いたように、里芋としょうゆで煮るというのが
普通の食べ方であったようである。

そして、もう一つ調べていて、出てきた料理法があった。

桜煮。
江戸前鮨のたこの料理法でもあると思われるのが、
茶ぶりといって、煮立てた番茶で霜降りをし、
だしと薄口しょうゆを入れたつゆに浸し、蒸す、らしい。

また、最近は中国やら、タイやらからの輸入も少なくない。
タイなどのものは、少し小さく、別の種類であるという。

前に名古屋で食べたような、熱を通しても
吸盤が口の中に張り付くくらい、鮮度の飛び切りよいものは、
やはり、かなりうまい。
そういう意味では、今日のものも、大きめで、
ものもなかなかよかったと思われる。

今度また、よさそうなものが見つかれば、
桜煮もやってみよう。
(墨には気を付けねば。)



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