断腸亭料理日記2007

合羽橋・太助寿司、、

界隈、松が谷のこと。その3

さて、合羽橋、太助寿司。

やっと、本編。


11月27日(火)夜

太助寿司の場合、ネタの仕入れもあり、
やはり、前日以前に予約をした方がよいのだが
筆者の場合、一人で、その日思い付いて、いく場合も
少なくはない。

今日もそうである。

会社帰り、20時前。
上野広小路(上野御徒町)駅で銀座線に乗換え。
直前だが、ここで、TELを入れてみる。

と、お女将さんが出て、今日は魚が少ないよ、という。
やはり、急だとこういうこともある。
太助寿司は、水曜が休みなので、休み前、
ということも影響していよう。
了解しました、ということで、承知でいくことにする。

稲荷町で降りて、歩く。
ここからだと、10分程度だろうか。

来てみると、カウンターにもお客さんは入っているが、
親方の姿が見えない。

ともかく、ビールをもらう。

お通しは、あん肝。
冬は、あん肝のことが多い。

お女将さんに聞いてみると、親方は風邪らしい。
食べ物商売だと、たいへん、で、ある。

やはり、ちょっと、魚が少ないんですよ、と、
若いI君が、刺身を切ってくれる。


平目、東京湾。
たこ、赤貝。
中トロ、遠洋。

大間もあるが、それは握りで、という。

牡蠣。


三陸、気仙沼。
小ぶりだが、うまい。

握りの前に、わさびと、ゆずを利かせた、べったら。
海苔を巻いて。


握りの前にべったら漬けを出すのは、太助寿司ばかりでは
ないだろう。江戸前鮨の習慣であろうか。
また、これも、東京の冬のもの、で、ある。

さて、握り。

しまあじ。


三重だという。しまあじは、本当は、夏のものであろうか。
養殖もあるが、むろん天然。
入荷も少ない、高級魚、で、ある。
きれいな、身の色。適度な歯応え、香り、味、どれもいうことがない。
やはり、鯵に近いのであろうが、
気品のある味といったらよいのか、格別、で、ある。

しろいか。


山口。
すみいかも、よいが、にぎりには、いかの中では、これが最もよいだろう。
あまみ、ねっとりした食感、歯応え。とてもバランスが取れている。

うに。


うつくしく、箱に入った、馬糞うに。
夏は、利尻だが、今は浜中。
浜中というのは、太平洋岸、釧路と根室の間。
やはり、築地に数枚しか入らない。

器に入れて。


飯に合うから、軍艦や握りではなくこうするという。
濃厚でクリーミー。

みる貝。


富津。
やはり、夏のものであろうが、味はわるくない。

中トロ。


大間。
脂、あまみ、柔らかな食感。
いうことは、ないであろう。

さより。


葉山。大きい。
寒中を過ぎた、大きな、さよりを、カンヌキ、というと、
I君が教えてくれたが、そんな大きさだという。
光物だが、本来は淡白な魚。しかし、この大きさのものは、
驚くほど、あまみがある。

小肌。


三河湾。
塩梅よく、仕上がっている。


〆はいつものように、穴子。


やはりこれがないと、終わらない。
とろっとして、べらぼうに、うまい。

(勘定は、刺身に牡蠣が入って、13000円)


魚がないとはいいながら、どうしてどうして、
今日も、なかなかなものである。

やはり、しまあじ、にしても、
馬糞うににしても、この値段で、これだけ一流の
ものを食わせる鮨屋は、東京でも、少なかろう。

もちろん、ネタだけがいい、というのではなく、
腕もよい。

まだ、足を運んだことのない方は、
一度は、経験してみてはいかがであろうか。
負けず嫌いの親方は、きっと後悔はさせないはずである。

(予約が望ましい。)


合羽橋・太助寿司
電話番号:03-3841-4811
住所: 東京都台東区松が谷2丁目26−6




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