断腸亭料理日記2007

ナンプラーのチャーハン

9月22日(土)第一食

さて、土曜日。
連休で、一日短かかったが、あわただしい一週間が終わった。
来週もまた、あわただしくなりそうであるが、、。

ともあれ、土曜日。

今日も暑くなりそう、で、ある。

なにを食おうか。

先週炊いた、タイ米がまだ冷蔵庫にある。
チャーハンにしようか。

普通のチャーハンではつまらない。
タイ風、と、いうのか、インドネシア風というのか、のチャーハン。
ナンプラーで味付けをしてみよう。
(ナンプラーはタイの魚醤。魚を醗酵させた調味料、で、ある。
タイではどうなのか、知識がないが、インドネシアのチャーハンは、
このナンプラーを味付けに使い、ナシゴレン、というのは、
日本でも比較的知られているだろう。
ちなみに、ナシはご飯、ゴレンは炒める。
焼きそばは、ミー(麺)ゴレンという。)

生憎、ナンプラーは切れている。
ハナマサにあるであろう。
買いに出る。

あった。
大きなボトルで、300円しない。安い。

帰宅。

最初に、材料の準備。
玉子二個を割りほぐしておく。
完全に、腰は切らない。

ねぎを一本刻んでおく。

中華鍋を熱する。
一度火を止め、油を回す。

飯を入れ、しゃもじの平らな部分で押し付けながら、ほぐす。

おおかた、ほぐれたところで、点火。
タイ米のため、既ににパラパラ、で、ある。

熱が回ってきたら、ほぐした玉子を入れる。
黄金チャーハンの要領でやってみよう。

固まってきたこところで、ねぎ。

塩胡椒。

続けて、ナンプラーを入れる。

弱火で、よく混ぜる。

味見。

なんとなく、ナンプラーの味がしない。
追加。

再び混ぜる。

味見、、、。
まだ足りないか、、、。
さらに、ナンプラーを追加。

混ぜて、味見、、。

これはいけない。
なん度も味見をしていると、
段々、味がわからなくなってきてしまう。

このへんでやめよう。

盛付け。


食べる。

ぎょっ、、!

食べられぬほどではないが、ちょっと塩辛い。
心配した通り、入れ過ぎてしまった。

ナンプラーは魚の醗酵したものの上澄みであるから、
くさや、や、鰹の塩辛(酒盗)の系統の匂いがする。
しかし、この匂いは、加熱することで、飛ぶ。

(くさや、は、伊豆半島、伊豆七島方面の名産。
今は、酒呑みの、高級珍味になっている。
鯵などの青魚を、はらわたなどに塩を入れて醗酵させた
液体に漬けて干物にしたもの、で、ある。
焼いて食うが、かなりクサイもので、は、ある。)

炒め混ぜている間に、匂いが飛んでおり、
この匂いを求めて、入れ続けてしまったようである。

くさやや、鰹の塩辛は、まったく受付けない人もあろうが、
筆者は、大好物である。
あの匂いが、なんともいえず、クセになるのである。

そんなことも、入れ過ぎてしまった原因でもあろう。
しかしまあ、うまいものである。

ともあれ、魚醗酵食文化のこと。

日本では、くさや、塩辛、そして、
秋田のしょっつるに代表される、日本の魚醤。

朝鮮半島にも、ご存知の通り、
キムチに入れるアミの塩辛、筆者も好きだが、タラの内臓の塩辛、
チャンジャなど魚醗酵食は、きちんと存在している。

中国では、先日、香港でも食べた、鹹魚(はむゆい)
むろん魚醤も使う。

そして、東南アジア。
タイのナンプラー、ベトナムのニョクマム、
フィリピンのパゴオン

どうも、クサイので、あまり、表通りの食文化に
数えられていないように思う。しかし、どうしてどうして、
このように、東アジア、東南アジアと広く存在している。

筆者は、米食同様、魚を食う、我々、東アジア、東南アジア人の共有する
大切な食文化であると思っている。






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