断腸亭料理日記2008

蕎麦・室町・紅葉川

4月13日(日)第一食

神田まつやを書く際に、まつやのホームページを見ていると、

木鉢会というリンクがあった。

この会は、東京の江戸からある老舗そばやの
2代目以降で始まり、今は、代を重ねて
3代目、4代目などになっているであろう、
ご主人達の勉強会、ということらしい。

行ったことのあるところだけでも、神田まつやの他に、
神田やぶそば、池の端藪蕎麦、池の端連玉庵、
室町砂場、茅場町長寿庵、浜町藪そば、虎ノ門砂場、
総本家更科堀井などなど。

以前に、そばや、老舗系の考察、というのをしたことがあった。

これは、東京のそばや、とは、どんなものなのか、
その魅力とは、というようなことを考えみた。

そのなかで、東京のそばやを、いくつかの
カテゴリーに分けた。
町の(普通の)そばや、近頃流行の趣味そば、路麺
などと分け、そして、東京に古くからある
そばや、ということで老舗系。

そういう意味では、この木鉢会は文字通り、老舗系と
いえるのではないか。
この中で、知らないところ、いったことのないところも随分ある。

ちょっと、いってみようか、と考えたのである。

目に付いたのが、室町紅葉川。

室町というのは、日本橋の三越側である。

11時頃、元浅草の拙亭を出て、銀座線稲荷町駅に向かう。
天気があまりよくない上に、ここ数日になく、寒い。

三越前で降り、出口に向かうと、もうポツポツきている。

室町、紅葉川は三越新館の前。
日本橋の北詰の信号を西に入った左側。

傘を持ってこなかったので、
地下鉄の出口から、走って店に駆け込む。

老舗といっても、場所柄であろうか、近代的なビルの1階。
昼にはまだ間がある。入ると、まだ店は空席が多い。

内装は明るめ、きれいで上品。

例によって、お酒をお燗でもらうことにする。
つまみは、とりわさ。

と、ここでも、毎度の問いをされる。
「熱燗ですか?」

いかに、熱燗を頼む人が多いか、という証明でもあろう。

「いや」と、いうと。

「ぬる燗?」

「いや、普通で」

「??」

「いや、、、あの、、、上燗、、、」

熱燗とぬる燗しかなく、
「普通」というのが、ないのか?!
今のお燗の選択肢には。

まあ、あまりいう人がいない、のであろう。
困ったものである。

なにもいわなかったら、
「普通」、上燗と解釈すべきであろう。

まあ、なにもいわないで、自動的に、熱燗を
持ってこられるよりも、どれだけ、まし、ではある、が。

ともあれ。

お酒と、とりわさがきた。


ひょうたん型の白い徳利。
白に藍の猪口。
江戸前だが、ちょっと洒落た感じであろうか。

お姐さんがそこに立ったまま、こちらが呑むのを待っていて、
お燗の具合を「いかがですか?」
と、聞く。

上々。

「はい、いいですよ。」(にっこり。)

ここまで聞くのは、ちょっと、
いやみな気もしなくはないが、素直に受け取ろう。
(まったく、小うるさい客である。)

とりわさは、うまい。
盛り付けといい、これは、
先日あった、江戸前の肴と、いってよいだろう。

つまんで呑んで、、。

さて、そばは、どうしようか。
ここでは、評判によると、どうも、鴨せいろ、
らしい。

他のお客の注文を聞いていても、
半分とはいわないかもしれぬが、随分と
頼んでいる声を聞く。

少し遠くを歩いている、
先ほどのお姐さんに大きな声で、鴨せいろを、頼む。


つゆには、鴨肉の他に、つくねが入っている。

鴨肉は、薄めのスライスで、焼いてはおらず、
そのまま煮込んでいる様子。

せいろの量は、そこそこあり
そばも含め、全体とすれば、うまい。

勘定をして、出る。

外に出て、改めて、店入り口、上に架けられている
木の看板を見ると、御膳、生蕎麦、満留賀、と、ある。

満留賀というのが本当の屋号で、
紅葉川は、愛称、のようなものなのであろうか。

満留賀といえば、それこそ、東京の普通の町のそばやに、
よくある屋号のように思われる。
しかし、詳細はわからないが、ここは、創業も古く、
日本橋という場所柄からであろうか、
ちょいと、乙な店。

いやいや、色々、書いたが、
値段もリーズナブル(鴨せいろも、¥1200程度であったか。)
肩も張らず、普通に呑めて、そばをすすれる
よい店、では、あろう。




木鉢会・室町・紅葉川




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