断腸亭料理日記2008

天ぷら

4月27日(日)夜

車で、FMを聞いていると浅草の天ぷらや、
のことをいっていた。

そうである。
初夏になってくると、天ぷらの季節、で、ある。

なぜであろうか。
真冬でもないし、むろん暑い真夏に、食べたいとも思わない。

この季節は、魚がうまい、というのもあろう。

よし、夜は、天ぷらにしよう。

一度家に戻り、吉池に歩いて買いに出る。
やはり、天ぷらの材料であれば、アメ横ではなく、
吉池である。
昨年は、ギンポなどもあったこともあるし、
なにより、アメ横では、量が多すぎる。

やはり、天ぷらは、品数が欲しい。

吉池にくると、まずは、キス。
輸入ものの、開いてあるものもあるが
“御前崎”産としてある、大きなもの。
五匹ほどで、¥500。
これにしてみようか。

それから、穴子。
これは、対馬沖。
二本で、やはり、¥500ほど。

さらに、いか。
めずらしく、大きな、もんごういかがあった。
これは、長崎。

もんごういかといえば、今、ほとんどが
モロッコあたりの、輸入もの、で、ある。

三種で、¥1500になってしまったが、
ものはよさそうなので、仕方なかろう。

これから、帰宅し、前回配信のカップ酒「浅草」と
佃煮で呑んで、につながる。
呑んで、そのまま昼寝。

さて、夜。
まずは、準備、から。

今日は、キスも、開いていないので、まずはキスをおろす。

三枚におろす、のはよいのだが、
開く、というのは、今一つ、要領がつかめない。

頭を落とし、一度、腹を開き、洗う。
ここから、頭から、骨に沿って包丁の刃を入れ、
向こう側の皮を切らないように、開いていく。
この時、できるだけ、骨に身を残さないように気を付けなければいけない。
大きめのキスであるが、大名おろしにすると、
食べるところがなくなってしまう。

開くと、中骨だけを取るのだが、これもちょっとコツがつかみにくい。
たとえば、鰯のような柔らかい魚であれば、中骨も手で取れて
しまうが、キスではそうはいかない。
やはり、包丁の刃を、骨の下に入れ、骨を引っ張りながら、
身から外す。
尻尾の手前まで外したら、骨をつまんでおいて、
出刃で、尻尾のつけねの骨を落とす。

なんとか、五匹、終了。
小骨は、指先で取れるものだけ、取る。

もんごういかは、すみいかと同系。
会得している。

下足とワタを引っ張って抜く。
甲を外す。
エンペラとともに、表裏の薄皮を剥く。
これも簡単。

穴子二本は、むろん、開いてある。
(穴子を開くことは、私にはもちろん、できない。)

半分に切る。
一本は、煮穴子にしよう。

しょうゆと、酒、砂糖で、煮る。
いつもの煮魚とはこれは変えて、時間は長め。
魚のコラーゲンをつゆに出してしまい、
ストックしてある、ツメに加えるためである。
アルミホイルで落としぶたをし、15分程度煮る。
色が付いてきたら、火を止めて、置いておく。

さて、天ぷら。

胡麻油が古くなっていたので、買いに出る。
が、やはり、かなり値段が上がっている。
1.8Lで、¥1500程度。

内儀(かみ)さんに大根おろし、天つゆ(桃屋のつゆ)、
皿などの準備をさせておく。

油の準備。
胡麻油にサラダオイル、3:1程度で、揚げ鍋に入れる。

衣の準備。
ボールに玉子をほぐし、冷水、氷を2個ほど、入れ、
玉子冷水を用意。

ここで、油に点火。

油温の上がるのを、少し待つ。
そこそこ上がってきたら、小麦粉を冷蔵庫から出す。

少し、硬めを目指し、小麦粉を玉子冷水に混ぜる。

まずは、もんごういか、から。
一口に切って、そのまま、衣に入れる。

衣を落とし、油温を確認。
高温で、短時間、がよいだろう。

3〜4枚を一気に入れる。

投入後、10秒ほど、衣が固まるまでは、
揚げ箸で触れてはいけない。

数を数えながら、時間を計る。
10秒過ぎたら、頻繁に、ひっくり返す。

なん度も書いているが、魚介の天ぷらは、はねやすいのだが、
このはね、防止には、逆のようだが、頻繁にひっくり返し、
均等に熱が入るようにする。
過去、天ぷらを揚げはじめた当初は、私の場合も
なん度もなん度も、はねて、火傷をしている。
はねないようになってきたのは、やっと最近のことである。

トータル30秒で、いかは、上げる。
お膳に運び、内儀さんにビールを開けさせ、
まずは、食う。


半生よりは、少し、熱が入っているが、
ぷりっと、食感よく、揚がっている。
うまい。

再び、揚げ鍋の前に戻り、残りのいかを揚げ、食べる。

次は、キス。
揚げ鍋と、お膳を、行ったり来たり、で、ある。

いかよりは、衣はさらに硬めがよかろう。
小麦粉を加え、揚げる。

いかほどは、神経を使わなくともだいじょうぶ、で、ある。
また、熱はよく通した方がよい。


五匹、揚げる。
身もふっくらし、味は、冷凍の輸入ものよりは、断然よい。

最後に、穴子。
さらに、半分に、切ったもの。
キスよりもさらによく揚げた方がよい。
穴子の、生ぐさいのは、とても食べられない。


揚がった。
よくをいえば、もっと太っていると、よいのだが、
これでも、味は、上々。

今日の天ぷら、材料もよかった。
なかなか、満足、で、ある。

さて、一つ、おまけ。
煮穴子、食べたのは翌日。
今回の煮汁も合わせ、さらに、煮詰めた、ツメをかけ、
胡瓜の細切りも添える。

煮上がったあと、少し、煮汁に入れている時間が
長く、色が付きすぎてしまったが、まあまあ、で、あった。




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