断腸亭料理日記2008

瓜雷干し・隅田川花火大会

7月26日(土)第三食

さて、そんなこんなで、今日は、隅田川の花火大会。

皆さんにとっての、隅田川の花火は、どんなイメージであろうか。

いや、その前に、花火とは、なんであろうか。

日本国中、有名な花火大会は数多くある。
新潟の長岡、秋田の大曲、茨城の土浦、、。

別段、私は花火マニアではないので、確かなことは
わからないが、なんとなく、有名な花火大会は東日本の方が多い、
ような感じもする。

そして、おそらく、東京人は、伝統的に、
花火が好き、であることは間違いなのではなかろうか。

東京の花火大会の数の多さ。

隅田川は置いておいて、
知っているものだけでも並べてみよう。
神宮、江戸川、江東、足立、葛飾、板橋、東京湾、、。
(私は、板橋以外はみんな見にいったことがあるが。)

こう並べてみると、東京とはいいながら、やっぱり、下町。

これに、実は、東京23内は、世田谷(多摩川)の花火大会が加わり、
川があるから、花火ができる、というのはある。
しかし、そうはいっても、下町に、花火大会が多いのは
間違いないのではなかろうか。

東京人ではなく、東京下町人は、花火が好き。
そういうことであろうか。

なんとなく、このかたより方は、春の花見、を、
思い出させる。

東京は桜の多い都市だと思うが、
やっぱり、花火も同様、ではなかろうか。

そして、その背景を考えてみると、
どうしても、隅田川の花火大会に、行き着くような気がする。

古くは、両国の川開き。
落語にも出てくる。
有名な、たがや、が、その噺。

両国の川開きに花火をあげたのが、隅田川花火大会の元祖である。
そしてこれは、かなり古く、江戸初期までさかのぼれるらしい。

橋の上 たまやたまやの声ばかり
なぜに鍵屋といわぬじょうなし

なんという江戸川柳もある。
(この川柳の説明をすると長くなるので、今日はやめておく。)

「たぁ〜まや〜」の褒め言葉で有名な
玉屋、鍵屋も、この時代のこと。

やはり、東京下町人にとっての夏の川であげられる
花火は、かなり特別なものなのであろう。
ある種、DNAにインプリントされているような、、。

先にも書いたが、私は一時期、上に挙げた
江戸川やら、葛飾やら、各区の花火大会を見て回っていた。
どこも、盛大である。
かかる金額も半端ではないだろう。
いずれスポンサーは募っているのであろうが、
1〜2時間で、文字通り花火のように、
使い尽くす、潔さ。
夏の夜空に、消えてなくなる、花火、
だからこそ、よいのかもしれない。

そんなものが、東京下町人は好きなのかもしれない。

そんな考察もありながら、今日は隅田川の花火大会。

田端の路麺、かしやま、のあと、
近所の八百屋に寄って、花火を見ながら、
つまめそうなものを見てみる。

夏枯れか、今ひとつであるが、
瓜と、モロッコいんげんというのか、ささげ、というのか、
を、買ってみる。

瓜は、雷干し。
ささげは、しょうゆと、削り節をかけて、おひたし。
後は、内儀(かみ)さんに、鶏のから揚げでも
作ってもらおう。
(なぜか、花火というと、鶏のから揚げ、で、ある。)

ささげ、は、茹でるだけなので、
瓜の雷干し。

まずは洗う。
雷干しには、実は、きちんとした切り方がある。
らせん状に切る、のである。
(こちらをご参照)

今日は、面倒なので、いつものように半分に切り、
わたをくりぬき、スライス。

そのまま干してもよいようだが、
一度、塩もみをして洗う。

これを、干す、のだが、急ぎたいので、
ざるに並べて、扇風機にあてる。

と、いっても、雷干し専用にあてていたわけではなく、
自分にあてている扇風機の前に、置いておいたというだけ。

雷干し、というのは、ある程度水分が飛べば、それで完了。
出来上がり、で、ある

これをどう食べるのか、というと、
どう食べてもいい、のである。

塩がしてあるので、瓜もみ同様、白胡麻をふって、
そのまま食べてもよい。
あるいは、ここから、しょうゆ漬けにするのもある。

今日は、金山寺味噌。(と、練り梅も出した)。


金山寺味噌もよいが、練り梅がうまいかもしれない。

花火が始まる前、5時頃から、これで呑み始めてしまった。

気が付いたら、寝てしまい(内儀さんも)
起きたら、もう始まっていた。

見たのは、終わりの30分程度。
テレビ東京のテレビがつけっ放しになっていたので、
その画面をみて、あわてて、飛び起き、浴衣を引っ掛けて、
下駄履きで、内儀さんとマンションの下の路地へ。

ビルの陰で欠けてはいるが、まあ、一応は路地から見える。

なんにしても、一年に一回の隅田川花火大会。
よいものである。



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