断腸亭料理日記2008

初鰹一本・その1

3月22日(土)夜

さて、土曜日。
昼過ぎ、池の端藪に行こうと思い、徒歩で出る。

昼過ぎ、とはいっても、2時を過ぎており、
店の前まできてみると、休憩時間、、。
土日は通しでやっているかと思っていたのだが、
それは日曜だけであった。

と、いうことで、もう少し手前、もう一軒のさる老舗で
月見とろろでビール小瓶、せいろを食って出る。
これから、アメ横のいつもの魚やにいく道すがら、
なんとなく、物足らず、ラーメンやに寄ってしまう。
(やけ食い、かもしれぬ。)

さて、魚や。

今日は、なにかなっ、と?

鰹、で、ある。
初鰹、と、いってよいであろう。
いつものように、一本500円!

先月末、房総のものという初鰹を、太助寿司で食った。

ここ、アメ横のものは、産地が必ず書いてあるわけではない。
また、聞けるような、雰囲気でもない。
が、見た感じ、傷も少なく、きらきらし、鮮度はさほど
わるくないのではなかろうか。

買ってみるか。

鰹一本といえば、昨年6月に食べていた。

帰り道、丸井の裏で、花の房が出はじめた、小さな鉢植えの藤を
売っていたので買ってみる。
(ちなみに、これも500円。
どうも筆者は500円に弱いかもしれぬ。)

鰹一本と、藤の鉢植えをぶら下げて、

えっちら、おっちら、歩いて、帰宅。

さて、夜。

鰹をさばく。

まずは頭を落とし、腹を裂き、半身をはずす。
もう半身の骨もはずす。

側線に沿って、サクにする。
ここまでは、さほど難しいことはない。

サクの一本、背側の皮を取る。

尻尾の方から皮と身の間に包丁を入れ、
尻尾側の皮を左手で引っ張りながら、皮をはずしていく。
途中、皮がさほど丈夫でないので、切れそうになる。

あたりまえかもしれぬが、
ただ引くだけでなく、包丁を動かしながら、
いわゆる切る動作をすれば、よいことに気が付いた。

しかし、これも包丁を引く時はよいのだが、
押す時に気を付けないと、刃の向きが上に向いたりしてしまい、
身の方の表面が凸凹になってしまう。

これは、出刃でなく、柳刃の方がよかったかもしれぬ。
いや、本来はそうしなければならないか。

刃渡りが長いので引くだけの動作で長く切れる。
(また、和包丁は押して切っては、本来いけないのかもしれぬ。)

白状をすると、筆者、毎度のことであるが、刺身も、
柳刃というのはほとんど使わないのである。
無精をしている、といってもよかろう。
こうして、刺身を引くのも出刃でしている。
(ただし、刺身の場合、最後に一口に引く(切る)場合は慎重に
柳刃のように引いて切るようにはしているのだが。)

柳刃がないわけではない。以前は使っていた。
しかし、使っていたものは、刃が薄く、
洗っている間などに落としたりし、先端部などの刃を折って
しまうことが度重なった。それで、こわくなり
あまり使わないようになったのである。
一度、合羽橋でちゃんとした柳刃を探してみようかとは
思っているのである。

ともあれ、なんとか皮は取れた。
切り、刺身にする。


もう一本、腹側。
これはタタキ、に、しよう。
ガスのレンジに入れ、両面軽く火をあて、
すぐに冷水で冷やし、切る。


見た目はよさそうで、ある。
半身で随分な量ができてしまった。
一先ず、ビールを開けて、食う。

まず、刺身から。
これは、わるくない。

しかし、しかし、で、ある。
血合いは、いけない。
かなり、生臭い。
とくに、血合いは取ることはしなかったのである。

血合いでない部分はしっとりとして、
あまく、鮨やで食べるような、初鰹、なのである。

しかし、血合いが少しでも口に入るとすべてが、
なまぐさくなってしまう。

血合いをはずしながら、食べる。

次、タタキ。

これは、もっとだめ。
もうすべてがなまぐさい。
なぜであろうか。
血合いだけの問題ではなさそうである。
よくわからぬが、これはとても食べられない。
生鰹節にでもする以外には、なさそうである。

生を食べ終えてから、
湯を沸かし、切ってあるがタタキを茹でてしまう。

少しほぐし、わかめも用意し、甘酢がけにしてみる。


これは、なまぐさいことは、なまぐさいが、まだよい。

うーむ。
むずかしいものである。



長くなるので、今日はここまで。

続きは明日。



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