断腸亭料理日記2009

断腸亭、モロッコへ行く その5

さて。

断腸亭の夏休み、モロッコへ行く、その5。

カサブランカについて、4回書いてきた。
いよいよ、次は、マラケシュ。

(マラケッシュ、なのか、マラケシュ、なのか、、。
以前に、松田聖子が歌っていたのはマラケッシュ。
だが、一般には今、日本語ではマラケシュ、の方が
多いようなので、マラケシュで、統一する。)

最初に触れたが、モロッコの首都はラバト。
カサブランカ(カザ)が、最大の都市。

マラケッシュは古都といってよいのだろう。
10世紀頃からなん代もの王朝の都であったようである。
今でも、ラバトに次いで人口は3番目の都市。

マラケシュ空港。


インターナショナルエアポートで面積は大きいが、
やはりカザと比べれば、便数などは随分と少なそうである。
(なんとなく、無駄に大きいと思えてしまうくらい。)

カザからは30〜40分。
(ホテルから、カザ空港までの、タクシーの運ちゃんは、
俺がこのまま、マラケシュまでいってやる。
時間は2時間、飛行機の半分の金額で、などといっていたくらいである。
地元の人であれば、長距離バスや鉄道もあるのだろう。)

降りて、マラケシュの市街まではやっぱりタクシーだが、
こちらは、10分ほど。

空港のまわりなども、オリーブの木をきれいに
整列して植えた畑が広がっている。


街に近付くと、カザよりも、立派な城壁が見えてくる。
観光用の馬車なども見かける。

城壁の中、市街地に入ってくると人も車もバイクも
増えてくる。
ガザと比べると、マラケシュの建物は、
みな、赤茶けたレンガ色。


マラケシュの旧市街は、この城壁のなか。
(カザなどでは、城壁の中を、メディナ、といっていたが
マラケシュでは、あまり、この言い方はされないかもしれない。
規模が大きいからかもしれぬ。)

中心に、その存在自体が世界遺産それも、無形文化財として
指定されているという、有名なジャマエル・フナ広場がある。

ホテルは、その、フナ広場から、歩いて5〜6分のところ。
カザで泊ったホテルよりも、ちょっとよい、五つ星。
カタカナ読みをすると、レ・ジョルダン・ド・ラ・クトビア
でよいのか、LES JARDINS DE LA KOUTOUBIA、と、いう。


LES JARDINS DE LA KOUTOUBIA

26,rue de la Koutoubia
Marrakech Maroc
TEL:(212)524-38-88-00
http://www.lesjardinsdelakoutoubia.com/

そのフナ広場近くなると、道は細くなり、ホテルに到着。
まわりは小さな商店が軒を連ねている、雑然とした区域。

タクシーを降りると、いきなり、ガイドと称する男が
英語で話しかけてくる。
登録証を見せて、自分はライセンスを受けたガイドで、
是非、自分にガイドさせてくれ、という売込み、で、ある。

話には聞いていた。
以前は、自称ガイド、と称する輩(やから)が多く、
様々なトラブルがあり、ライセンス制にしている
ということである。

いい加減に聞いて、ホテルの中に入る。
(こちらは、こういう人間は、ホテルではロビーにも入れない、
と、いうのが徹底しているのか、中まではついてこない。
このあたりは、よいことである。)

チェックイン手続き。
さすがに、重厚な雰囲気。


建物は、なんでも王族だか役人だか、しかるべき身分の人の
邸宅であったところらしい。
ロの字型の建物で、真ん中にパティオというのか、
庭の空間があり、そこがプールになっている。

外の、雑然、騒然とした雰囲気とは、驚くほどの
別世界。

部屋は二階。
(欧州風にいうと、1階)

中庭に面した、スイートのようである。


お洒落。

昼飯がまだなので、荷物を置いて、ホテル内のレストランへ。
「インディアン」を看板にしている屋上にあるところに
いってみようということになる。

毎日、タジンと、ケバブでは、うまいのだが、流石に、
飽き始めていた頃であった。

3階建ての屋上。
屋上に出てみると、ここにもプールがある。

お客さんは、ここでも優雅に寛ぎ中。

その隣にある、レストラン。

真昼間で、やっぱり日差しが強く、ものすごく、暑い。
海辺のカザよりも、内陸のためかより暑いかもしれぬ。

サンシェードなどがあり、ミスト、がある。
日本でも最近出てきているが、細かい水の霧を噴射させて、
体感温を下げるという、あれ、で、ある。

ビールを頼み、メニューをみる。
インディアンレストランと銘打っているから、
カレーでもあるのかと思ってきたら、
それらしきものはなく、WOK(ワック)、なる、よくわからぬものが主で、
とりあえず、ライスヌードルの入ったWOKを、適当に頼んでみる。

と、俄かに、例のアザーン、
「アッラー、アクバル」と、イスラムのモスクから

祈りの時間を伝える声、が聞こえ始めた。


ミストの音も混じっている。
なんとなく、暑さと、けだるさのようなものが、
伝わるであろうか。

不思議な空間であるが、ぼんやりと、のんびりできる。

これが、マラケシュで聞いた最初のアザーンだがこれから、
なん度となく付き合うことになる。

アザーンは、このホテルでは、すぐ近くに、
クトビアという大きなモスクがあり、まずその声が一番大きい。
また、そこからだけではなく、界隈、四方八方から、
遠く、近く、同時に聞こえてくる。
早朝まだ暗いうち、五時頃?が最初であろうか、そこから始まり、
数えていなかったが日になん度も聞こえてきていた。
(調べると、1日に5回らしい。)
しかし、だからといって、アザーンが流れると、
お祈りのために、街から人がいなくなってしまう、
というようなことは見かけなかった。どのくらいの人が
祈っているのだろうか?。

ともあれ。

料理がきた。

写真を載せるほどのものでもないので、やめておく。
WOKなるもの、は、調べてみると、本来は中華鍋のことのようで、
そこから、中華鍋で作ったもの、ということらしい。
(主として、欧州で呼ばれているのか?。)
中華から、タイ、ベトナム?、インドネシア?、
あたりも含んだ料理のことのようである。
(どこが、インディアンだ!、と突っ込みたくなる。
フランス人、欧州人からすれば、中華も、インドもタイも、
インドネシアも、ベトナムも、似たようなものなのか。)

案の定、出てきたものは国籍不明。
料理とすれば、こま切れにしたベトナムのフォーと野菜を、
オイスターソースなどの濃いめの味付けで、
油っこく炒めたものであった。
(タイあたりに、こんなものがあるのか。
ありそうな気もするが、ことさら言い立てるほどの
料理ではないだろう。)

一休みして、夕方、一度、かの、世界無形文化遺産の
ジャマエル・フナ広場へ出てみる。
(出るときに、また先ほどのガイドが、しつこくついてくるが、
適当にあしらって、いく。)


なにが無形文化遺産かというと、ここに集まってくる、
蛇使いから、水売りから、軽業から、様々な芸人、
様々な飲食の屋台ということなのであろう。
とにかく夜になると、すごいにぎわいとなるらしい。


これは水売り。
近くで、カメラを構えると、すぐに手を出して、
金をくれ、となるので、遠くからズームかつ、高解像度で
撮ったものの一部分をトリミングしたものである。
こういった、派手な衣装を着て、肩にかけた革袋から
水をグラスに注ぎ、売る。


ドライフルーツの屋台の前で買い物をする、
現地の家族連れ。


蛇使い。
これはさすがに、ズームでは撮れないので、
お金を要求されることを承知で、撮った。

(これの値段交渉がまた、たいへん。
最初に10ディルハム(120円)出し写真を撮ろうとすると、
後で、などといい、頼んでもいないのに、
蛇を、私やら、内儀(かみ)さんやらの
首にかけて写真を撮らせ、要求したのは、100ディルハム。

細かいのを持っていなかったというのもあるが、
頼んでもいない。ただ、蛇の写真を撮るだけならば、
というつもりで、10を用意していたのである。
まあ、見解の相違だろうが、結局、10で押し切り、
最終的には、向こうもあきらめ、毟り取るように、
10ディルハム硬貨を持っていった。
お大尽ならば、言われるままに出せばよいのか、、、。
まったくもって、こういうのは、面倒である。)

こうした、アラブ商人、大道芸人の、商売根性を含めて、
世界無形文化遺産、なのか、な。


といったことで、今週は、ここまで。
2週に渡ってしまうが、もうしばらく、
モロッコへ行く、お付き合いを願えれば、
幸いである。









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