断腸亭料理日記2010

すみいか天

4月6日(火)夜

今日は、大阪出張。
むろん日帰り。

17:00、吹田で打合せを終えて、
新大阪駅に戻ってくる。
在来線のホームからあがってくると、
立ち喰いのうどんやがある。
ご存じの方も多かろう。

新幹線に乗る前にビールと弁当でも買って、
と、思っていたのだが、吸い寄せられ、
ふらふらと入る。

きざみ、に、する。


きざみ、とは、油揚げの刻んだもの。
関西風の澄んだつゆのうどんというのも、うまい。

うどんは食ったが、ビール500mlと、つまみ(若狭のいわし
ちくわ二本入り)を買って、乗り込む。

文庫本など読みながら、呑んで、うとうとと寝る。

19:45頃、東京着。

山手線に乗り換えて、御徒町駅まで。
3時間あると、さすがに、酒も醒(さ)め、なんとなく、
腹も減った。
ラーメンでも食べようか、などと、考えるが、
うどんを食って、またラーメンもどうかと、
思い直し、まだあいていた、吉池の魚館へ入ってみる。

店じまいの準備中。
なにか目ぼしいものはないかと、見てみると、
生うに、2000円ほどのものが、1380円と
値下げになっている。
これはよいか。

うにとくれば、いか刺しも一緒にたべようか。

対面の売り場に、すみいか、が、残っていた。
一杯、250円。

内儀(かみ)さんの分も考えて、二杯。

刺身、と、思っていたのだが、
歩いている途中で、考えが変わった。

天ぷらにしようか。

すみいかというもの、生で食べるのであれば、
刺身よりは、にぎりの鮨にした方が断然うまい。
これは不思議であるが、間違いなかろう。
すみいかの酢飯との相性、ということと、
にぎり鮨の本質である、にぎって味が変わる、ものの
典型ではなかろうか。
しかし、むろんのこと、これから飯を炊くのは
ありえない。

逆に、江戸前の天ぷらねた、としては
すみいかは、わたしなんぞは、最もうまいもの、
ではないか、と、思っている。

こんな時間からだが、断然、天ぷらだ。

吉池の地下のスーパー部門に戻り、大根半分を買い足す。

帰宅。

着替えて、料理にかかる。

先に大根を下ろす。
(ちょっと多目におろしてしまった。)

すみいかをさばく。

なん度もやっているので、もう、簡単。
下足を引き抜いて、はらわたも取る。
甲も手を切らぬように、気を付けながら、外す。
エンペラも取り、これをきっかけに、皮もむく。
下足は、目玉あたりから切って、烏口(口)も取り、
あとはきれいに洗って、OK。

天ぷら用に切る。


下足とエンペラは先に、湯通しをしておく。

この前も、穴子を揚げたが、

いつものように、さくっと準備。
(そうとうに、我ながら手慣れてきたか。)

油を温め、玉子冷水、薄力粉と天ぷら粉で衣を作り、
からめて、高温で1分弱。

二杯全部揚げる。

うに。

箱を開けてみると、値段がよかっただけあり、
ものはようさそう。
(だが、ロシア産、と、書いてある。
最近は、ロシアのものも、よいものが入っているのか。)

小鉢に取る。

天ぷらも盛付け。


内儀さんにはわるいが、この量は1人分。

うにもうまい。

すみいかもプリプリで、うまい。

これを幸せ、と、いうのだろう。


11時すぎに帰ってきた内儀さんは、残っていた大根おろしと、
冷や飯をレンジで温め、半分残しておいた、
うにを飯にかけ、下足にはツメ
(穴子の煮汁を煮詰めた例の甘いたれ)
をかけて食べた。










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