断腸亭料理日記2010

2010年・断腸亭の夏休み

『モルジブ』その5

モルジブのフォーシーズンズ。
引続き、三日目。

ダイビング、初回から戻り、遅い昼飯。
面倒なので、ルームサービスにする。

ルームサービスメニューを見てみる。
レストランが2か所+αなので、それを補う意味で、
ルームサービスメニューが豊富なのかと思えば、
そんなことはなく、まあ、普通。
(あたりまえか。どうせ、作っているのは、それぞれの
レストランしかなく、ルームサービスとて、
そこで作れるもの、だけである。)

内儀(かみ)さんが不思議なものを見つけた。

Chicken Nanban 。

これきっと、宮崎の、チキン南蛮、だよ。

と、内儀さん。

With tartar sauce(タルタルソース)って書いてるし。

ご存知であろうか、チキン南蛮。
鶏から揚げ(竜田揚げ?)をにタルタルソースを
かけて食べる。
宮崎発祥で、最近は、持ち帰り弁当などにもなり、
全国区になっている、という。

隣に、Wanton Noodle Soup(ワンタン麺)などあるが、
なぜ、宮崎のこんなローカルメニューだったものが
ピンポイントであるのか。それも、名前もそのままで。
不思議、で、ある。
おもしろいので頼んでみよう。

それから、サンドイッチで、魚の、Catch of the day
Sandwich。(今日取れた魚のサンドイッチ)

オーダーは、内儀さんが電話で。

しばらくして、きた。
テーブルに置いてもらう。


なるほど、確かに、チキン南蛮。
間違いない。
しかし、妙に量が多い。


これは?
魚のグリル?。

運んできたルームサービスは、サインをして
帰してしまった。

運んできたときには、ちょうど、内儀さんははずしていた
のだが、現れ、

これなに?頼んだの?
と、私。

どうも、サンドイッチの、Catch of the day、以外に、
一品料理の、Catch of the day、というものもあり、
それと間違えたようなのである。

ちゃんと、サンドイッチ、って、言った?

言った!。
と、内儀さん。

サインしちゃったの?
と、内儀さん。

した。
と、私。

まあ、しょうがない。
これでもいいじゃないか。
せっかくのモルジブの魚である。
食べてみようじゃないか。

チキン南蛮。
こんなものは、どこで作っても、まあ、同じものが
できるのだろう。味はむろん、鶏から揚げ。
もしかすると、ここでは、中華の料理人あたりが作っているのか。

Catch of the day、の方は、これは、白身。
網焼き、で、あろうか。
厚切りで、皮もパリッと、焼かれている。

味や食感は、鱸(すずき)に似た感じ。

ハタ、の、類であろうか、あるいは、、?。
ともあれ、脂もあり、うまい。

夜。

夜は、ここのメインのレストラン、
(朝食会場と同じ場所だが)へいってみる。

インド料理は、昨日いったところだが、
一応分かれており、こちらは基本的には洋食で、
さっきルームサービスで頼んだ、チキン南蛮やら、
ワンタン麺、あるいは、インドネシアのナシゴレン、
といった、よくわからぬ品揃えの、アジアンフードもある。

オーソドックスに普通の洋食ということで、
ラムのグリル。
それから、刺身盛り合わせ。
(こんなものもある。むろん、魚はうまいであろう。
試みに、頼んでみる。)

ラムのグリル


でかい。
その上、柔らかい。

刺身盛り合わせ。


日本語のメニューには、イエローテイルキングフィッシュ、
サーモン、ツナ、と、書いてある。

サーモンはわかるが、
白身が、イエローテイルキングフィッシュなのか。

ツナとは、なんだ?。
まあ、赤身、があるので、おそらく、マグロであろう。
インド洋であるし、まず、インドマグロ。
それも、生、であろう。白っぽいのはメジマグロ?
(しかし、なんでもかんでも、ツナで、片付けるのは
いい加減にやめてほしい。英語ではカツオもツナだし。
マグロだって、いろいろいる。)

これは、帰ってきて、調べたのだが、
イエローテイルキングフィッシュ、とは、鰤(ぶり)の仲間で、
尻尾が黄色いくらいで、味も、大きさも鰤に近いものという。

実際に食べた感じでは、脂はそこそこで、どちらかといえば、
さっぱりした、ものであった。
ひょっとすると、昼の、Catch of the day、も、これかもしれぬ。

だが、やっぱり思うのは、マグロにしても、
イエローテイルキングフィッシュにしても
ものはよいのだろうから、もっと、きれいに
刺身らしく、切って欲しいものである。
刺身というのは、切り方も味の内、で、ある。

中華の料理人が作っているのか、わからぬが、
たいしてむずかしくはなかろう。
刺身包丁くらいは用意し、多少稽古をすれば、
料理人であればきれいに切れるようになる、
と、思うのだが。

そして、サーモンはなんであろうか。
むろん、モルジブのものではないだろう。
欧米人はこれくらいしか刺身では食べられない
ということかもしれぬ。しかし、日本人なら、もっと
他の魚もあるであろう、と、思わずにはいられない。
モルジブでもまだまだ、刺身で食える魚はいるだろう。

と、まあ、文句をいいだしたら、切りがない。
日本人のレセプションスタッフもおり、ここが日本人を
相手にしていない、ということはあるまい。
であれば、もう少し、考えてもらいたい、と、思う。

だがまあ、日本食を除けば、総じて、値段相応に、
うまい、ことは間違いない。

今週はここまで。
来週もつづく。






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