断腸亭料理日記2010

2010年・断腸亭の夏休み

『モルジブ』その7

引き続き、夏休みのモルジブ。


ダイビングボートの中で、他のお客も少ないので、
ボートのクルーと少し話しをした。

どうも、噂通り、彼らモルジビアンは
親日的であるというのは本当のようであった。

1人は、俺はサッカーをやってて、ナショナルチームの
試合で、東京にいったことがある、だの、友達は、
静岡の清水で、銀行員をしているだの、話していた。

イランなどもそうだが、このあたりのイスラム系、の
人々は、欧米や、中国、インドよりも、日本という国に
親近感を覚えてくれている。
日本人とすれば、ありがたいことだし、
きっと、先々、彼らとのつながりは、力になるように思われる。
国としても、こういう関係は大切にしなくてはならないのでは、
なかろうか。

例えば、モルジブの海を守るための海洋環境調査だの、
の援助をする、といったこともダイバーとすれば、
有用であろうと考える。
また、民間レベルでも、ダイビングをしない皆さんにも、
もっともっと広く、この美しいモルジブの海を知って
もらえたら、とも思う。

ダイビングを終えて、ダイビングサービスでシャワーを浴びて
桟橋で一休み。


(こうして、見ると、海のエメラルドグリ―ン、
そして、空の色。ともに絵に描いたように美しい。)

コテージに戻り、前のビーチで昼飯。

ほぼ、ルームサービスと同じメニューだが、
ビーチ、プールサイドでも飲みもの食べ物が
オーダーできる。


左側、食べそこねた、Catch of the day sandwich と、
右側、club house sadwich。

お約束の山盛りポテト。

こうして、ビーチやプールサイドで
寝そべって本などを読んでいると、ソフトドリンクやら、
フルーツなどを配ってくれる。


(これは、プールサイド)

なかなかに、行き届いている。

フォーシーズンズ、モルジブ、クダフラ、
先に、日本食のことを少し書いたが、概ね、その他は
ブランド、値段に見合った快適なリゾートであろう。

こんな具合で、6日間、朝飯を摂って、午前中二本の
ダイビング、午後はのんびり、昼寝と読書。

夕飯は、このあと、アジアンビュッフェ、
インドビュッフェ、など、レストランでは、イベントメニューの
日があったりしたが、実際のところ、今まで書いたものと、
似たり寄ったりなので、省略。
やはり、一週間もいると、仕方がないことではあろう。

帰りは、夜、モルジブマーレ発、コロンボ経由、
日本時間の午後、成田着。

新型スカイライナーで、上野まで、40分弱。
(これ、随分と速く感じた。
また、こうして疲れて帰ってきた場合、
我々など、上野が最寄り駅、なのは、本当に、
便利、で、ある。)

一週間、仕事からも、ネットからも離れて、
美しい海を見せてもらい、ゆっくりと
寛ぐことができ、やはり、ある意味、命の洗濯が
できた。
モルジブの海と人々、さらにフォーシーズンズには
感謝、しなくてはいけない。

さてさて、そんなことで、断腸亭の夏休み、
モルジブ、長々と書いてきたが、蛇足のようだが、
ちょっとだけ、自然環境のこと。

モルジブのサンゴが一時、減って、今は回復中である、
と書いた。沖縄も減っているところがあるのは、
ご存知のことかとは思われる。

そして、以前に、サンゴが減った時に、
モルジブ人は、こうしたことは、長い間には、
たびたびあり、なん十年かすれば、また、
回復する、と、いっていたことも書いた。

これは自然自(みずか)らの回復力、ということであろう。

昨今、人間によって、CO2の排出量が増えたことによる
地球温暖化が叫ばれ、世界的にCO2を減らす取組みが進んでいる。
だが、一方で、自然には回復力もある。

また、人間がまったくなにもしなくとも、長い年月の間に、
気候の変動などはあり、生態系が変化し、
ある生物が滅びる、ということは、ない話ではなかろう。

あるいは、たとえば、サンゴを食べるオニヒトデ。
彼奴らの大量発生のメカニズムはなんなのか、
はっきりしたことは、わかっていないのかと思う。
美しいサンゴを壊す醜いオニヒトデは悪、というのもまた、
人間の勝手な思い、という側面はないのか。
そんなことも考えてしまう。

あるいはまた、環境変化に強い生物もいれば、弱い生物もいる。
例えば、大都会東京に棲むタヌキ、カラスの、ように、
都市環境に適応してしまう生物もいる。

『回復力』やら、『環境変化への強弱』、あるいは『適応』やら、
生態系というものは、まったく複雑で、我々の科学では、
まだまだ解明できていないことの方が多いのかもしれぬ。

ただ、わからないながらも、今ある豊かな自然をできるだけ
そのままの形で保持するように、すべての人々が努力すること
が最も重要であるとことは、間違いない。我々が棲んでいる
母なる地球である。いうまでもなく、それを壊すことは、
我々人類自身を破滅に追いやることになる。

そして、そのために我々ができることはなにか、を
感情論だけではなく、メカニズムを含めて、
サイエンティフィックにもっと明らかにし、
それに基づいてなすべきことをする、してはいけないことは
しない。そういうこと、なのであろう。


とまあ、こんなところで、今年の夏休み、
モルジブダイビングの巻、これで読み切り。
お付き合い、感謝。

来年は、どこへ行こうかなぁ〜。







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