断腸亭料理日記2010

上野藪蕎麦

8月1日(日)第二食

相変わらず、暑い日が続いている。

こう暑いと、放っておくと、日曜などは
仕事があるのをいいことに、冷房の効いた部屋に入りっきりに
なってしまう。

資料作りなど、ある程度片付けて、
昼さがり、出る。

なにかつまむものを探しに、アメ横、吉池方面へ、
いってみようか。
やはり、暑さのため、徒歩ではなく自転車。

なにか、これからマグロの解体ショーをやるとのことで
対面販売の売り場を少し片付けてあり、品物が少ない。

わざわざ、待って解体ショーを見るような趣味もない。
その他を見てまわる。

やはり、あまりピンとくるものもないが、
バチマグロの切り落とし脂のありそうなところ。
それから、半額になっていたので煮だこ。これは吉池自家製のよう。
買ってみようか。
つまむだけならば、こんなものでよいだろう。

ちょっと、扇子を見に、和装店をのぞく。

人ごみの中、自転車を押して、海苔やのガード。
(海苔や、があるので、私はこう呼んでいる。)

こんな暑い日にも、このあたりアメ横の人出は多い。
やはり、半分は、内外からの観光客、で、あろうか。

昇龍がある。

餃子も買おうか。
焼いたものを2パック。

自転車を押して、真っ直ぐ歩いて。

上野藪

どうも、腹が減っているのである。
家に戻り、今買った刺身で一杯やろうと思っていたのだが、
ちょいと、寄っていこうか。

ここも、混んでいるが、座れないほどではない。

座って、ビール。

なにがよかろう。
メニューを見ると、サラダ蕎麦、なるものがある。

季節のもの、であろうが、毎年夏にはあったであろうか。
こんな老舗で?、と、思わせる。
メニューには、ドレッシングとそばつゆで、
思いがけずおいしいです、というようなことが書いてある。

食べてみようかしら。
この店は、客あしらいなどいろいろと、評判はあるが、
むろん歴史もあり、味はしっかりしている、と、思っている。
そんな上野藪が出すものである、信用してよいはず。

きた。


左側の鴨肉と野菜を蕎麦にあけ、
つゆと、ドレッシングをかけて、和えて食べてください、
という。


混ぜてみた。

蕎麦通を自称するような人には、論外のもの、
かもしれぬ。

なるほど、食べてみれば、まずいはずはない。
ドレッシングは酸味が少なく、食べやすい。
サラダ、といっているが、蕎麦らしい、手繰り込む
喉越しも十分に味わえ、うまい。

なにか、逆説的だが、こういうメニューがありそうな
今時の趣味そば(?)のようなところでは、絶対に私は頼まないように
思うが、上野藪だからこそ、食べてみた。

ご主人がどういう意図でこのメニューを出したのか。
気まぐれに、思い付いてやってみたのか。
老舗なのに、こんなメニューを、という批判を承知で
出しているのか、それは、よくわからぬ。
しかし、こうしたメニューは味に定評のある老舗がやるからこそ
許されるような気がする、と、私は思うのである。

ほんとうに灼熱の今などは、せいろでさえ、
重いと感じてしまう気候、で、ある。



と、いったところで、少し早いですが、
明日から、断腸亭は夏休みに入ります。

夏風邪なんぞを引いて、やっと休める、というところ。
皆様にも暑さ厳しき折、お身体にはご自愛のほど。
再開日は、明記いたしませぬが、また御目文字する日を
お楽しみに。
断腸亭錠志






台東区上野6-9-16
tel.03-3831-4728




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