断腸亭料理日記2010

箱根・塔ノ沢・福住楼 その2

さて。

引き続き、箱根。

昼飯は、宮ノ下の富士屋ホテルまで。


ご主人に、ちょっと出てきます、と、声をかけて、
車で出かける。

山の坂を上がって、宮ノ下。
少し離れた、駐車場からホテルまで、歩く。

晴れているが、寒い。


1878年(明治11年)開業。
洋風のホテルとすれば、我が国の草分け、で、あろう。

現在も使われている本館は1892年(明治24年)の建築。
洋館建築だが、屋根は東照宮のような瓦屋根。

ほとんどの建物が、国の登録有形文化財。

本館の玄関から入り、階段を上がり、クラシックな
ロビーを抜けて、右側へ。

メインダイニングの「ザ・フジヤ」。

ここも池波レシピであった。
(確か、虹鱒のムニエルであった。)

予約は特にしていない。
昼時はすぎているし、世の中は、今日は休みではないので、
待つこともなく、席に案内される。

ここは昭和5年の建築。
おそろしく天井が高く、窓も大きい。
格子の天井で、やはり、東照宮のよう。

窓際の席に案内してくれた。

名物のカレーがついている5000円の
ランチに、する。

揚げた鯵のマリネ。


コンソメスープ。


ブラウンソースのかかった、箱根の豚のロース肉。


パンも名物だが、うまい。

カレー。


デザートのチョコレートナッツサンデー。


サービスも行き届いているし、
どれも、うまい。

池波先生は「昭和初期の最高の贅沢というものが、
どんなものか、よくわかるだろう。」
(よい匂いのする一夜・講談社文庫)


と、このホテルのことを書かれている。

福住楼もそうなのだが、日本の以前のサービスというものの
よさ、は、その頃を知らぬ私には、憧れではあるし、
たまに贅沢をするのであれば、できれば、
そういうところへ行きたいと、思う。

建物や内装も含めて、日本にもこういうサービスの
伝統があった。そして、今も続けている、ということを
大切にしたい、と、思うのである。

さて。

昼飯を終えて、再び、福住楼へ戻り、
年賀状書きの続き。

なんとか、終えて、風呂に入り、夕飯。

また、箱根の牛肉だが、今日はしゃぶしゃぶ。


刺身は、マグロに小田原の地の鯵と平目、いか。


ぶりの照り焼き。


揚げ物は、太刀魚。


煮魚は季節の、カワハギ。


うまかった。

昨日と同様、仲居さんと番頭さんの連係プレーによる、
芸術的な布団敷きを見せてもらい、寝る。

朝飯。


オムレツにエボダイの干物。

食べ終わり、もう一度風呂に入り、
勘定をして、出立。

女将さんが、前の道まで出てくれて、
車を止めてくれる。

お世話になりました。

いや、ほんとに、よいところの、よい時間で、ある。




福住楼




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