断腸亭料理日記2010

ぶりあら汁

2月3日(水)夜

また、寒い日が続いている。

8時すぎ、仕事を終えて、オフィスを出て、背中を丸めて、
早足で、牛込の町を歩く。

加賀町、納戸町、二十騎町、細工町。

やはり温かいものが食べたい。
汁物だ。

魚のあら汁、のようなもの。

牛込神楽坂の駅の隣にあるスーパー。
ここには、普段、あまりあらは置いていないのだが、
どうだろうか。

あらでなくとも、煮魚にするような切り身を
汁にしてしまってもわるくないかもしれない。

で、あれば、、肉で汁、もあるか。
肉で汁、と、いえば、豚汁、か。
野菜を切らなければいけないので、少し面倒だが、、。
などと考えながら、歩く。

魚売り場にきてみると、、。

あった。

ぶりのあら。

頭も切ってあり、きれいに包装されている。
さすがに山手のスーパーか。
まあ、ぶりあらは、大根と煮て、いわゆるぶり大根。
定番のメニュー、だからか。

拙亭近所、浅草のスーパーなら、ぶりあらでも、
ガサっと、パック詰め、しているだけ、で、ある。
まあ、それで、十分なのだが

ともあれ、きれいにしてあっても、
特段高いわけではなく、300円程度。
購入。

豆腐も入れようか。

一丁。

帰宅。

作る。

ぶりは、きれいにしてあるといっても、
頭も骨も、べっとりと血が残っている。
やはり、霜降りをして、洗った方がよいだろう。

薬缶で湯を沸かす。

頭も骨も、切られているが、霜降りの前に、
さらに食べやすく、出刃包丁で一口に切る。

ざるにあらを入れ、沸騰した湯をかける。

位置を変え、全部の面にまんべんなく。

身が崩れぬように注意をしながら、
冷水で洗う。

いいかな?

豆腐を切る。
ねぎも入れよう。ざくざくと、五分に切る。

汁は、塩味の潮汁、ではなく、味噌にしようと
最初から考えていた。

鍋に、水。

霜降りして洗ったぶりあら、豆腐、ねぎを入れ、
点火。

煮立ってきたら、灰汁をすくう。

ぶりの味をきちんと残したい。
あまり煮すぎないのがよかろう。

ねぎが煮えるくらいの時間、プラスαで、
5〜6分。

こんなものでいだろう。

味噌を溶く。
味噌は信州味噌。

どんぶりによそう。


つゆが、うまいし、なにより、温まる。

ぶりあらそのものの身も、また、うまい。

ぶりのあら、というのは、あまり、味噌の汁には、
しないような気もするが、生ぐさくもならなかったし、
どうしてどうして、十分に、うまい。

こんな寒い日には、
ぶりのあら汁、成功、で、ある。

ぶりに限らぬが、魚のあら汁。
こういうものは、まあ、どちらかといえば、
上品なものとはいえぬもの、かもしれぬ。
しかし、こういうもの、こそ、私は好物、で、あるし、
また、うまい、のではある。




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