断腸亭料理日記2010

穴子を煮る。

3月27日(土)第三食

土曜日。

第一食は、多少、ダイエットを考えて、

緑豆春雨の火鍋。


この日記を見返してみると先月もやっていた。

もともとは、蟹、なのであるが、今日は、冷凍庫に
凍っていた、鯖の切り身をから揚げにし、
海老も入れてみた。

朝から、汗をかいて、爽快。

昼は、自転車で出て、仲御徒町に少し前にできていた、
カウンター鮨やをのぞいてみる。(千円のランチメニュー。
味はもう一つ。)

桜の開花宣言は出たが、真冬に逆戻りをしたような
寒い日が続いている。

今日も、寒い。
セーターを着て、ウインドブレーカー。
自転車なので、手袋。

アメ横へまってみる。

自転車を、JRの反対側のパチンコやの前にとめ、
いつもの魚やへ。

と、穴子があった。
どこのものだかわからぬが、いつもの通り、
一山、500円。

そういえば、少し前から、吉池などでも
少し安めに出ていたような気がする。
今、よく揚がっているのか。

穴子は、これから夏に向かって、脂がのるが、
そろそろ、よいか。

買ってみよう。

さてと。
花の具合は、どんなものであろうか。

銭湯で上野の花の噂かな

なんという子規の句もあったっけ。

そのまま自転車で上野の山へいってみようか。

上野の山は、黒門口からも自転車で上がれる。

入口までくると、ごった返す、というほどではないが、
随分と人が出ている。


花は、やはり、1〜2分咲き、と、いったところであろうか。
これだけの人だと、やはり、自転車は走れない。

一度、野球場の方へよけて、噴水前の広場へきてみる。
これだけの咲き具合であるが、やはり、もう既に
敷物を敷いて、花見を始めている人々もいる。

脇で、なぜだか、パキスタン大使館のイベント。
例のあちら風の音楽で、極彩色の衣装を着た、
おねえさん方がステージで踊っていたり、
パキスタン料理の屋台が出ていたり。
屋台の看板をみると、近所、御徒町界隈の店の名前。
人だかりがして、賑わっている。
しかし、パキスタン大使館がなぜ、上野なのか。
よくわからぬが、上野御徒町界隈は、インドの人々は
宝石関係を扱うので多く住んでいるのは知っていたが、
パキスタンもそうであったか。まあ、日本人には、
インドの人だか、パキスタンの人だか、見わけが付きようもないが。

国立博物館前までくる。
私は見にこなかったが、この間まで、長谷川等伯をやっていた。
次は「細川家の至宝」で、連休前からだ。

JRの橋の手前まできて、線路際に沿って、山を下る。
このあたりも、随分な人出。

山を下り、上野駅前を通り、昭和通りも渡り、浅草通りへ。
赤い大きな鳥居、下谷神社。

下谷神社は、例の『講座』の集合場所にしたが、
ちょっと、のぞいてみる。
寄席発祥の地の碑、というのをちゃんと見たことがなかったので、
確認。これも、意外に最近建てられている。

龍の天井絵が、横山大観(これは、今回調べて、初めて知った。)
と、いうことで、一応、お参りし、本殿の中をのぞいてみるが、
むろん、確認はできない。
(社務所で、なんだか、落語会が開かれようとしているよう。
貼り紙には、小燕枝、正蔵二人会としてある。
こぶちゃんの正蔵師であろうか。
意外にまめに落語をしている?!。)

帰宅。

買ってきた穴子。
さっそく煮てみよう。

拙亭には、鮨やで、ツメ、といっている、
煮穴子の煮汁を煮詰めた、甘いたれ、が、ある。
これは、鮨やを真似て、穴子を煮るたびに、煮詰めて作っている。

鮨やの江戸前仕事では、このツメを、煮汁のベースにする。

瓶に入れて、冷蔵庫に入れてあるものを
レンジで温め、鍋に移す。

穴子は、大小取り混ぜで、10本ほどはある。
洗い、それぞれ、半分の長さに切る。
随分量もあるので、二本ほどは、天ぷらにしてもよかろう。
分けて、冷蔵庫へ。
残りは鍋へ。

水を加え、煮汁を伸ばす。
前回のツメは甘かったので、砂糖はやめて、
しょうゆと、みりんを加え、点火。

普通の煮魚は、今は短時間にしているが、
穴子の場合は柔らかく煮る。
これが江戸前仕事、で、やはり、その方が、
うまかろう。


時間は、30分ほど。

途中、煮詰まってくる。
柔らかくなる前に、味が染みすぎてもいけない。
水をなん回か、加える。

いいかな。

煮上がり。

鮨やでは、店にもよるのだろうが、煮崩れる寸前まで、
もっと柔らかく煮ているのもある。

煮汁は、あくをすくいながら、再度煮詰め、
甘いたれに戻しておく。

煮えたてを、食べよう。



(目下、煮詰めの最中のため、たれはなし。)

ビールを抜いて、食べてみる。

脂も、少しある。
まあまあの、穴子、である。

これから脂がのるのか、安くなるのか、
今年の穴子は、どんなものであろうか。
たのしみ、で、ある。






断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 |

2009 12月 | 2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 |




BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2010