断腸亭料理日記2010

上野・とんかつ・井泉本店

3月29日(月)夜

お茶の水で7時すぎ、仕事終了。

お茶の水、とはいっても、神田川の北側。

ご存知のように、こちら側は、文京区。
順天堂と、医科歯科の二つの医大、大学病院がある。

お茶の水駅からどちらも見えるので、
皆さん、なん度もご覧になったことがあるだろう。
医科歯科の方が向かって右、順天堂が左。

医科歯科は湯島一丁目、細い路地をはさんだ順天堂は
本郷三丁目。

なぁんとなく、ここに、湯島と本郷三丁目、という町名が
出てくると、意外な感じがする。

湯島といえば、湯島天神のあたり。
本郷三丁目といえば、東大も近い丸ノ内線の
本郷三丁目駅のあたりを、思い浮かべる。

まず、本郷というと、江戸の頃は、どうだったか。
本郷通りに沿って、今の順天堂の裏あたりから、
一丁目が始まり、順に二丁目、三丁目は今と同じ三丁目
交差点のあたり、という具合に並んでいた。

今、本郷の丁目は、どうふられているのか。
まったく違う。
西の坂の下、水道橋の白山通り沿いから、一丁目、東に向かって、
二丁目、三丁目と南北に並んでいるのである。

本郷通りと春日通りが交わる(三丁目の)交差点が
昔も今も、同じ三丁目、であるのは、たまたま、
ということになろう、

では、湯島の方はどうか。
江戸の頃、昌平坂の坂下あたりも、既に湯島で、
昌平坂学問所も湯島の聖堂で、昔から、ここも、湯島。

本郷との関係だと、本郷の東側。
そして、地形的には、東側、下谷、神田方向に向かって、
坂になっているが、坂下までが北から南まで、湯島。
そういうことになってる。

医科歯科の裏から、蔵前橋通り、妻恋坂に出る。

お茶の水、というと、遠そうだが、
このあたり、蔵前橋通りに出ると、元浅草の拙亭まで、
よくよく考えると、歩いても帰れそうな距離、に
感じるのは、不思議。

長い打ち合わせをしていたので、そこにあった
ドトールコーヒーに入り、コーヒーを飲み、一服。

すぐに出て、再び蔵前橋通りに戻る。

右側に神田明神の北側の階段(北参道というのか)。

坂を降りながら、なにを食べようか、考える。

この坂を降りると、末広町。

北へ入ったところに、花ぶさ、が、あった。

坂を降りる。
(降りたところの交差点名は妻恋坂。
毎度思うが、この交差している通りはなんといっているのか。
昌平橋から北へ、池之端、不忍池までの通り、で、ある。)

花ぶさ、の前まできてみる。

夜きたことはないのだが、、、。
店の前にもメニューなどは出ていない。

ランチならよかろうが、こういうところは、
飛び込みではなく、夜はやはり、予約した方がよいか。

また、予約してこよう。

と、ここまできたら、池之端、天神下界隈だ。

花ぶさの路地を、真っ直ぐ、北へ上がる。

ここ路地一本で、千代田区から、台東区になる。
黒門町。

三洋電機、どらやきのうさぎやのビルの裏になる。

このあたり、ぽつぽつと、呑みや、食い物やがある。
(講談の本牧亭、今は講談もやる料理やになっている、もあったり。)
なかなか、雰囲気がありそうな店もあるだが、
一人で飛び込みで入るのは、ちょいと気が引ける。

黒門小学校の脇を抜ける。

おお、そうだ。この右奥、井泉でとんかつを食おうか。

夜一度きたいと思っていたところであった。

右に路地を折れ、井泉まで。

松坂屋裏の蓬莱屋、などもそうだが、ここも店の表は、
間口も大きくなく、簡素、ともいってよいだろう。

格子をあけ、入り、あいていたカウンターに。

夜もにぎわっている。

今日はそうとうに寒かった。
(東京の最高気温9℃。もはや、花冷え、どころではない。
まさに、真冬、で、ある。)

お酒お燗と、
とんかつは、特ロースを。

お酒。


お通しは、いかの塩辛。

呑みながら、待つ。

ここのカウンターは、店全体のスペースが狭い
というのもあるが、調理場がとても近い。

とんかつを揚げて、切り、盛り付ける、わけであるが、
私の座ったところは、ちょうど、とんかつを切る目の前。

とんかつ一枚よりも少し大きいくらいの、下駄のような
足のついた専用の小さな俎板で、サクサクと切っている。

私のが、きた。

特ロース。


ご飯とお新香、とん汁も。

お箸で切れるとんかつ、
というのが、ここの昔からのキャッチコピー
であるが、特ロースもうまい。

飯もうまいし、ねぎを五分に切り、
七味をふったとん汁も、よい。

勘定をして、出る。

夜の井泉、と、いうのも、よいもの、で、ある。



井泉

文京区湯島3-40−3
TEL 03-3834-2901







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