断腸亭料理日記2010

鯛 その1

10月31日(日)

台風はすぎたが、天気は今一つ。

今日も朝から、資料作りなど。

昼すぎ、御徒町に魚を見に自転車で、出る。

寒いかと思い、セーターを着て出てきた。
曇ってはいるが、今日などは寒くもなく、暑くもなく、
秋としてすごしやすい日、なのであろう。

10月の初旬まで、夏日があったかと思えば、
急に、先週あたりは10℃前後の日があったりで、
秋らしい平年並みの気温がどのくらいだったのか、
わからなくなってしまう。

先に、吉池にまわる。

すると、鯛。真鯛が、安い。
「広告の品 通常価格1300円(ナニガシ)」
と、あり、30cm程度か、大きなものである。
これが一枚1000円。

この大きさならば、確かに、普通ならば、1000円は
越えているであろう。
それも、売り場に山盛りに並べられている。

養殖もの?
天然が、たくさん獲れているのであろうか。

養殖ものが一度に市場に大量に出る、
というのは、あまり考えにくい。
(出荷調整はするであろう。)
と、すると、天然か。

そうである。
ここ、吉池に安く大量に出ているとなれば、
アメ横であれば、もっと安いのでは?

いってみよう。

自転車に乗って、アメ横にまわる。

と、当たった。
こちらにも、大きいものから、春子といえる
小さいものまで、なん種類か、ある。

なかで、せっかくなので、一番大きいもの。
2枚で1000円。
これにしよう。

帰って、さっそく調理にかかる。


こんな感じである。
真鯛というのは、鱗(うろこ)を落とさないと
刺身にしても、なんにしても、料理ができない。

セラミックの鱗落としで、流しの中、
荒い桶の上に俎板をのせ、水を蛇口からちょろちょろ
流し魚にたらしながら、バリバリと取っていく。

鰭(ひれ)のそばなど、細かいところは、
取り切れぬので、小さな出刃でよく落とす。

頭も潮汁にもなるので、完全に取る。

この鱗取りの作業はなかなか、根気のいるものである。

1枚終えて、もう一枚。

終了。

流しの中でやったが、随分と周りに飛び散ってしまった。
(あとで掃除がたいへん、で、ある。)

1枚は、冷蔵庫へ入れておく。

1枚を、まずは、三枚下ろし。

頭を落とす。
鯛という魚は、鯵や鯖、鰯なんという、いつも下ろしている
魚に比べて、頭が大きい。
頭を落とすと、急に小さくなってしまうように感じる。

腹を割いて、ハラワタを出し、よく洗う。

これから、通常の要領で三枚下ろし。

げ!。
痛っ、、。

背鰭を指に刺してしまった、、、。
鯛の背鰭は、針のように鋭利。

血が出る、、。

血を拭い、バンドエイドを指に巻いて、
気を取り直して、続ける。


二枚。

中骨を外して、三枚。

最初は、やっぱり、刺身である。

皮を生の状態で引くのは、鯛の場合、けっこうむずかしい。
そこで、皮を霜降りにし、そのまま刺身に切ってしまうのが、
簡単。

ボールに水と氷、それから、蓄冷剤も動員し、冷水を用意。

湯を沸かす。

沸騰したら、ざるにサクにした身を置き、
皮の面だけに熱湯をかけ、すぐに冷水へ。
予熱で火が通ってしまうので、これは必須。

都合、四本終了。

刺身包丁で、切る。


30cmくらいの鯛だが、身を半分のサクにしてしまうと
小さくなってしまった。

ビールを抜いて、食べる。

さばいている時には、さほど感じなかったが、
これは、これは、随分と脂がある。

やっぱり、天然、で、あろうか。

うまい。
あたり、で、ある。

といったところで、
つづきはまた、明日。






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