断腸亭料理日記2011

池波正太郎と下町歩き 8月 その6


さて。

8月の『講座』。
もう6回になってしまった。





さて。

毎度、短くしよう。
いや、簡単に終わるだろうと、思っているのだが、
長くなってしまう。

やっと、山を降りてきたので、
井泉のとんかつは、もうすぐ。

アブアブ前の交差点を渡って、
池之端仲町の通りを右に見て、
真っ直ぐ。

この仲町通りも、歴史について、
書き始めたら、きりがない。

池の端藪、薬の宝丹、組紐の道明、
蓮玉庵、等々。
むろん、この通りは、池波作品にもなん度も登場する。

が、今回は、控えて、広小路沿いだけにしよう。

ツタヤがあって、酒悦。

酒悦。

1675年 (延宝3年)創業の漬物と佃煮専門店。
“酒が悦ぶほどうまいもの”という意味で「酒悦」の名が
付けられた。海苔の佃煮と、福神漬けはここが発祥。
大根や茄子等が7種類も入っており、
七福神にちなんでその名が付けられた。

と、まあ、そういうことらしい。

東京の人間にとっては、酒悦と、
桃屋が双璧、で、あろう。

が、歴史は、圧倒的に、酒悦の方が古い。

その隣が、ご存知、鈴本演芸場。

1857年(安政4年)に上野広小路に
「軍談席本牧亭」という講釈場を始めたのが母体、という。

明治になり落語の寄席鈴本も開業。
当時は広小路の反対側で、裏に本牧亭があったという。
震災後、今の場所に移っている。

今、東京にある寄席、定席というのは、
いくつあるのだろうか。

この広小路にもあるが、
今は、永谷グループお江戸○○亭もあり、
また、国立演芸場も定席。

が、一般には、鈴本、浅草演芸ホール、新宿末広亭、
池袋演芸場の四つ。
それぞれ、落語協会、落語芸術協会が交互に出て、
いたのだが、、

この鈴本は、落語協会のみで、芸協の方は、出ない。
(芸術協会は鈴本と揉めて、84年から出ていない。)

と、いっても、落語にお詳しくない方には、
どちらでもいいようなものだが、少しだけ、説明をする。
東京の落語家は一応、原則、どちらかの団体に属しており
一昔前には、落語協会は、古典
芸術協会は、新作、などと一応、色分けがあった。
そして、協会に所属していないと、定席には
出られない。

さらに付け加えると、談志一門と、圓楽一門は
どちらにも属しておらず上記4つの定席には出られない。
これには、過去、いろいろ、あったのですよ。
一度、はてな、に、書いたことがあるが、
また、今度改めて、書いてみるか。

ともあれ。

春日通りの交差点。

向こう側の角は、ご存知、松坂屋。



上野松坂屋。

1768年(明和5年)、名古屋のいとう呉服店が、
江戸の上野松坂屋を買収し、いとう松坂屋となり
現在の上野松坂屋が始まっている。

こんな句がある。

乙鳥(つばくろ)や赤い暖簾の松坂屋 漱石

漱石は、確か、日本橋三越でも句を詠んでいたような、、。

いや、これ、正しくは、句ではない。
『虞美人草』が三越に縁があり、
日本橋三越屋上にその記念碑が、ある。
なにか、漱石先生は、有名呉服屋が、好きだったのか?。

調べたら、こんな句も、引っ掛かった。


燕や酒蔵つづく灘伊丹 子規


これ、似ているような、気もする。
(だが、格段に、子規先生の方が、うまい。)

なんだ、なんでもいいんじゃないか!?。
たとえば、

つばくろやバラの包みの高島屋

お粗末。



ともあれ。

春日通りを渡って、右。

お江戸広小路亭の前を通り、路地を入り、
左側。

お疲れ様でございました。

上野井泉、到着、で、ある。








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