断腸亭料理日記2011

人形町・洋食・小春軒

9月15日(木)昼

今日は、午前中つくばの事業所で
午後から、市谷へ移動。

今週末は、9月の『講座』。
下見を兼ねて、昼飯を人形町で、食べよう。

11時、つくばを出て、TXで北千住、
日比谷線で人形町まで。

この前は、浜町藪へいった。

今日は、洋食の小春軒。

人形町というところも、私の地元浅草同様、
古い洋食屋が多い。

ビーフカツレツのキラク、お座敷洋食の芳味亭、
そして小春軒など。

基本これは、花柳界も含めて、
人形町が、東京の古い盛り場であるから。

古いとはいつ頃か。
明治、大正、昭和初期。
戦前までのこと、で、ある。

実際にその頃の人形町がどんな具合だったのかは、
『講座』本編に譲るとして、今日は小春軒。

小春軒は、甘酒横丁の人形町通りの西というのか、
南西にある。

余談だが、この界隈の道は、いわゆる碁盤の目、
なのだが、きれいに南北を向いていない。

例えば、人形町通り、と呼ばれているメインの通りは
北へ向かって、少し西に傾いている。

まあ、東京の街は銀座、京橋、日本橋、
神田、下谷、浅草、新橋、芝、あるいは、
本所深川を含めて、下町(非山手という意味で)
は皆、一応のところ、ほとんどが碁盤の目、
ではある。

これは、家康の頃の町割りから始まっていると、
いってよい。
日本の代表的は碁盤の目の街は、京都であろう。
京都は中国の都に倣って、東西南北、きれいな
碁盤の目ではある。

しかし、江戸は隅田川という河川や、
すぐに迫った山手の代地があり、それらの
地形を無視することなく、道は造られている。
このため、局所的には碁盤の目なのだが、
全体とすれば、あしらこちらを向いている。

わかりやすい例を挙げると、中央通り。
銀座、京橋、日本橋、内神田、神田川を渡って、
外神田、下谷と、橋を渡るたびに、微妙に
きれいな南北ではなくなっている。
大きな地図を見ていただくとわかるが、
これは、隅田川の屈曲に合っている。
まあ、そいうことなのである。

ただ、この人形町界隈は、その傾きが他に比べて
少し大きく、人形町通りを南北、というのは、
なんとなく、気持ちわるく感じる、のである。

またまた、余談が長くなってしまった。

小春軒、で、あった。

人形町通りと甘酒横丁の角には、親子丼で有名な
玉ひで、がある。

これを右に見て、路地をはさんですぐ隣。
小さな店、で、ある。

創業は明治の45年という。
今は、3代目と4代目。
店に立っているのは、4代目のお内儀(かみ)さんであろうか。

12時半すぎ。
テーブルはほとんど埋まっており、
むろん相席で座る。

ここの客層は、近所のサラリーマン、
OLに、3〜4人組のおば様達が加わる。
これは明治座などのある人形町の特徴ではあろう。

さて。

今日は、なににしようか。

ちょっと、がんばって、フライものの
[特製盛り合わせ]、1200円にしようか。

お客も多いが、回転も速い。
これは料理が出てくるのが、速いから。

きたきた。


海老、白身、人気のポテトコロッケ、
ホタテであろうか貝柱、細長いのはカジキか。

串にささったもの、ねぎと、やはり、カジキか。

人気のポテトコロッケ。
ポテトコロッケといって、あなどってはいけない。
イモのなめらかさ、絶品、で、ある。

それから、どれもそうだが、しっかり、
サックリとした衣。
浅草観音裏のグランドとよい勝負ではなかろうか。

そして、この串のローストがまた、うまい。
濃いめのしょうゆ味。
バターの風味か。

うまかった、うまかった。

まったく気取っていないが、老舗の名に負けない
うまい洋食をくわせる。
よい店、だと思う。


勘定をして、出る。

まだまだ、暑い、町を歩きはじめる。




中央区日本橋人形町1-7-9
TEL:03-3661-8830






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