断腸亭料理日記2012

無錫排骨?その2

引き続き、無錫排骨?挑戦中。

さて。

排骨というのは、ようはスペアリブ。
で、骨付きばら肉、ということになるのだが、
これに、排という字が使われている。

日本語で排は、排出、排除、排斥、、など、押しのける、
というような意味である。

なんとなく、違和感というのか、ピンとこないと思われまいか。

どうもいまだに私は、ピンとこない。
排骨で、あばら骨、なのであろうが、ちょいと、

中国語の辞書を調べてみた。

中国語では、日本語と同じ意味もあるようだが、もう一つ
並べる、並んだ、という意味があるようである。
排列で、順列、排筏で、木材を並べた筏のことだそうである。
そして、排骨で、並んだ骨、つまりあばら骨、肋骨から、
スペアリブを指すという。

ふ〜ん、、、、。

ともあれ。

排骨をたれに漬けて、1時間経過。

そのまま揚げるレシピもあったが、
わからないが、試みに衣付けして揚げてみるか。

玉子冷水を作り、衣作り。

揚げ油も用意。
余熱をしておく。

衣の硬さはどのくらいなのであろうか。

ひとまず天ぷら程度のものを作ってみる。

油温が上がったら、からめて、投入。

どのくらいの揚げ具合がよいのか、よくわからぬ。
熱が入ってくると、しょうゆに漬けているので
濃い色がついてくる。
ちょっと、鶏のから揚げのような色。

完全に火を通す、イメージであろうか。


こんな感じ。

で、ここから、煮込む。

漬けだれと同じもの?。

同じものだと、濃すぎるだろう。

煮込むのはやはり中華鍋、か。

中華鍋を用意し、煙が出るまで熱し、油を回す。
最初にしょうがスライスを投入。炒める。

しょうがは別のレシピにあったので採用した。

ここにしょうゆ、紹興酒、日本酒を多め、水。

揚げた排骨を入れ、からめながら煮込む。


う〜ん?。

これで30分?。

想像していただければ、おわかりになると思うが、
衣が着いたものを煮込むと、天ぷらそばの天ぷら状態になり、
衣はふやけて溶け出してくる。

その上、30分は煮込めない。
つゆが煮詰まってしまう。

煮詰まらないように、水を足すと、当然衣は、
ふやけるどころか、どろどろ、になる。

う〜ん。

やはり、これはなにか違うだろう。

え〜い、面倒だ。

これで終了。

揚げてあるので、火は通っているし、味だって、
既に出来上がっている。

皿に盛る。


なんか、見た目も、あまりよろしいとはいえない。

ともあれ、ビールを抜いて、食べる。

ふむふむ。

まあ、豚ばらにしょうゆ味で想像していた通りの味。

衣が溶けたものは、ちょうど、あんかけのよう。

骨付きなので、ちょいと食べずらい。
やはり、30分煮込む、というのは、もっと柔らかくして
骨離れをよくする、と、いうことであろうか。

ともあれ、なかなかうまいもの、にはなった。

あ!。

忘れていたが、例の鎮江香醋(中国黒酢)を仕上げに
入れてもよかったのだった。

しかしこれ、酢を入れると、なにになるのか。
おわかりになろうか。

そう、酢豚。

酢豚は、ばらではなくロースを使うことが
日本では多いと思われる、が、同じように豚肉を揚げて、
甘酢であんかけにする。
やはり、近い料理、と、いってよいだろう。

さて、夜。

飯を炊いて、載せて丼にして食べた。


排骨飯、で、ある。

排骨飯、というのも、中国では、特に台湾であろうか、
メジャーなB級メニューのよう。

揚げたままを飯に載せたり、あげたものに
餡をかけたり、たれをかけたり、あるいは、
煮込んだものだったり。

うまいのだが、やっぱり、骨付きなので、
食べずらいという欠点はあるか。

で、あとで、もう少し調べてみると、少しわかってきた。

どうも衣付けする場合は煮込まずあんかけ、あるいは、
たれかけ止まりではないか、と。
(それはそうであろう、やはり、衣の溶けたものは、
いくらなんでも、ヘンである。)

煮込む場合は、衣なしの、から揚げ。
また、まったく揚げずに、煮るだけ、という無錫排骨の
レシピもあった。

また調べていて出てきたのは、沖縄でも
この軟骨付きばら肉はよく使われているよう。

ソーキそばに載せる豚角煮、ソーキは、ずばり、この軟骨付き
ばら肉のことで、ラフティーのように煮込んで
載せる、という。

柔らかく煮込んでしまえば、骨離れもよく、食べやすいだろう。

これも一度やってみてもよいかもしれぬ。








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