断腸亭料理日記2012

断腸亭の夏休み イタリア その14

8月14日(火)

さて。

イタリア、シシリア、タオルミーナの
二日目。

起きて、ベランダに出ると、前の海には、
昨日は大きな客船であったが今日は、大きな帆船。
どこぞのクルーズ船、で、あろうか。
(しかし、タオルミーナの海はいつも穏やか、である。
聞けば、大方こんなもの、といっていた。
太平洋、日本近海と大きな違い、で、ある。)

エトナ山、はというと、雲もなくきれいに見えており、



やはり、軽く噴煙のようなものは、見える。



目をさらにタオルミーナの街の背後へ向けると
こんな山になる。

ベランダからは右手になるが、タオルミーナの文字通り裏山。

拡大をしてみると、こんなものが山の頂にある。

おわかりになろうか、石垣、の、ようなもの。
こちらでは、カステッロ=Castello、と、呼ばれているが
これは、ギリシャ時代からの城郭の跡のよう。

そして、左奥にも建物が見えるが、これは一番左に
十字架が見え、教会。

そうとうな高さだと思われるが、こんな高いところに
こんなものがある。

イオニア海とエトナ火山、タオルミーナの街以外、
書いていなかったが、こんなものが、ベランダから見えている。

さて。

今日は、お休み。

むろん、ずっとお休みなのだが、今日はダイビングを
お休みすることにした。

当初の予定では三日間、潜ることにしていたのだが、
水の冷たさもあり、明日もう一日だけにした。

と、いうことで、今日は、のんびり。

ホテルの朝飯も書いておこう。

テーブルに座ると、コーヒー。


これはご存知のカプチーノ、他にアメリカンコーヒーでも
エスプレッソでも頼める。

また、玉子も聞きにくるので、焼き方を指定して、
頼む。

その他は、バッフェ。


ハム類。イタリアといえばなんといっても生ハム。
それから、サラミも名物で、なん種類か置いてある。

それから、魚のスモーク。サーモン、シシリア名物の
マグロなど。

また、やはり、生の野菜は少なく、トマトのみ。



玉子はスクランブルにしてもらい、カリカリベーコンも一緒に。

トマトケチャップもやはり、瓶で置いてある、
ということはなく、小さな袋入り。

のんびり朝食を食べて、AM、ホテルのプールへ。



別段、泳ぐため、というよりは、むろん、のんびり読書。

13時すぎ、いい加減暑くなってきたので、
引き上げ、昼飯を兼ねて、街に出てみることにする。


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我々の泊まっているホテル(Timeo)の山側の隣には
古代ギリシャの劇場跡、が、ある。



 

Teatoro Antico Di Taormina=タオルミーナ古代劇場、なのか。

ホテルの門と劇場の門は、並んでいる。

中は見学はできるのだが、有料。

この劇場跡は、外から見た感じは、ローマで見た、
コロッセオのミニチュア版といった趣のもの。

遺跡として有料で見学のほか、演劇などの
イベントもこの舞台で行なわれている。
実は、たまたまこの日の夜、ニューヨーク・シティー・バレー団の
公演があり、このチケットをホテルのコンシェルジュに
取り寄せてもらっている。

日本では明日、8/15は終戦の日で、旧盆だが、
イタリアではferragosto=聖母被昇天祭という国民の祝日。
(聖母被昇天祭は聖母マリアが昇天をした日でむろん
キリスト教の祝日。)
ちょうど夏休みであることもあろう。
イタリアでは、14日の夜から花火を打ち上げて
皆が騒ぐ(祝う)日、だそうな。

ともあれ。

この古代劇場は古代ギリシャの衛星都市であった、
紀元前2世紀頃のもの、という。

レンガや大理石で造られ、2万人を収容する席があったよう。
また、その後のローマ時代には、ローマのコロッセオ同様、
闘技場として使われてもいた、と、いう。

さて、そんなことで、ギリシャ劇場には夜入るので、
昼間、別にお金を払って入るのも、バカバカしいのでやめて、
タオルミーナの街をぶらぶらする。

さて。この街には教会がいったいいくつあるのだろうか。

城壁と城壁、門といった方がよいが、にはさまれた狭いメインの通り、
コルソ・ウンベルト(corso umberto)の、900m程度の間だけで、
少なくとも目に付くもので、三つある。

サン・カタリーナ教会。
これが16世紀前半。

サン・ジュゼッペ教会。


サン・ジュゼッペは、日本語でいうと聖ヨゼフ教会。
16世紀後半のゴシック様式、と、いう。

タオルミーナ市庁舎の前にある大聖堂。



大聖堂=Duomo、と通称されているが、正式名称は、
聖ニコラウス教会。これは15世紀初頭という。

中世の建物がこれだけごろごろしている、
と、いうのは、実際は、たいへんなもの、であるが、
これだけ普通にあると、なんだかありがたみが
なくなってくる。

この通りをもう少しいった、片側の門にあった(と記憶しているが)
幼子を抱いた聖母マリア像、モザイク画。

こういうものが、その辺にあると、やはり、カトリック教徒である私は
足を止めずにはいられない。子供の頃、家の居間には
この大きな絵がかかっていた。

このモチーフというか、タッチというのか、
金をバックにしている幼子イエズスキリストを抱いた
聖母マリア像というのはカトリック教徒にも馴染みはあるが、
どちらかといえば、ギリシャ正教のイコンと呼ばれる聖画に
よくあるもののよう。

トウシロウがいい加減なことはいえないのだが、
先の大聖堂の、聖ニコラウス(ニコラス)も、
ギリシャ正教で大切にされている聖人。
このタオルミーナという街が、古くは古代ギリシャの
衛星都市であり、その後もなんらか、ギリシャ方面の影響が
あったのかもしれない。

 


長くなった、つづきはまた明日。


 




 


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