断腸亭料理日記2012

両国・山くじらすき焼き・

ももんじや その2

2月25日(土)夜

今日は昨日の続き。

両国のももんじや。

不要だとは思ったが、一応、夕方、内儀(かみ)さんが
TELを入れて6時半に予約をした。

6時すぎ、出る。

やっぱりタクシー。

元浅草の拙亭からは、ワンメーターちょい。

春日通りから新堀通り、蔵前橋通りを左に曲がり、
蔵前通り(江戸通り)を右。

浅草橋をすぎて、靖国通りを左、両国橋を渡ったところで、
降りる。

道の向こう側に渡る。

ももんじやは、ビル、で、ある。

入ると、席は二階。

座敷。

隣との間に衝立で仕切っており、個室ではない。

鹿肉の刺身の入った猪鍋のコース(6300円)をもらうことにする。

ビールは、スーパードライ。

お通し。


筍。初物であろうか、もうそんな季節。

右側の小鉢は猪肉のモツ、といっていたが、うまい。

呑んでいると、肉がきた。


豚、でいうところの、ロースであろうか。

赤身が豚よりも真紅に近い。
また、多少、見た目には、堅そう。


肉以外には、白滝、ねぎ、春菊、焼き豆腐。
白滝は細め。

うちの近所の大原本店のものかもしれぬ。
ここのものは細く腰があり、白滝としては名品であろう。

つゆは、味噌。

赤味噌(八丁味噌)と白味噌(西京味噌)の合わせ、とお姐さん。
いわゆる桜味噌、で、ある。

一応、お姐さんがやってくれるが、特別なことはない。

ただし!!!。

10分以上煮ること!。

これだけは守った方がよい。

いや、別段、火が通れば食べられるのだが、
なぜだか、猪肉というものは、煮れば煮るほど、
柔らかくなるという、不思議な性質を持っている、
のである。

最初にこの店にきたとき、これを知らずに、
混雑していて待たされ、腹が減っていたのもあり、
火が通るそばから、食べ、後でわかって、
大後悔した覚えがある。

煮ている間に、鹿肉の刺身がくる。


鹿肉というのは、見た目、馬のようでもあるが、
もっと柔らかく、ずっと淡白。
うまいもんである。

ご丁寧に今日は、タイマー(スマホのタイマーアプリ)をかけて、
煮えるのを待った。

よいかな。


つゆは味噌だが、甘め。

あの脂身の感じでは、随分と脂っこそうではあるが、
これがどうして、豚肉のような、ギトギトの脂ではない。

煮込んでいくと、ちょうど牛の大和煮のような感じの
柔らかさになってくる。

これが、ばかうま。
いくらでも食べられる。

うまかった、うまかった。
江戸の猪鍋、堪能した。


現代において、獣肉である猪の肉は、ジビエ、などといって、
有難がる人々もおり、珍しいものではあるが、
食べようと思えば、さほど難しくはないものであろう。

いや、その前に、豚にしても、牛にしても
毎日我々は獣肉を食べまくっている。

以前のタブーであった頃とは隔世の感があるといえよう。

ただ、そんな中でも、なんのなんの、こうした店が
山の中のマタギ料理ではなく、大都市であった江戸の街にもあり、
こっそり、だったのかもしれぬが、町人も食べるものとして
存在していた、のである。



〒130-0026 東京都墨田区両国1-10-2
TEL 03-3631-5596


ぐるなび





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