断腸亭料理日記2013

鰯、山盛り その1

4月20日(土)〜21日(日)

さて。

鰯、で、ある。

アメ横で、一山300円を買ってきた。
アメ横のいつもいく魚やの一山、というのは、
おそらく、20匹程度はある。

20匹として、1匹15円。
アメ横でもこの値段は、安い。

ドサッとあるので、腹が既に裂けているものもあったり、
鮮度のほどは、まあ、推して知るべし
なのかもしれない。

土曜の夜中、つまみにちょいと、というので
思い付いたのが、なめろう。

なめろうには多いかもしれぬが、たくさんあるので、
3匹を袋から取り出す。
洗って、頭を落として、腹を裂く。

腹もきれいに洗って、三枚におろす。

においなどは生ぐさいのだが、なめろうであれば、
食べられないことはなさそうである。

三枚にして、細かく切って、叩く。

ねぎもみじん切り。
味噌はちょっと多めに混ぜる。

これは俎板の上で、で、ある。

ちょっと、漁師っぽいかな。

皿に盛る。


なめろうも鮮度がよいに越したことはないが、
味噌と馴染むと、十分にうまいものになる。

さて。

鰯はまだまだたくさんある。

生の刺身はあきらめるとして、〆て、押し寿司にでも
しようか。

呑みながら、4匹、同じく、三枚におろす。
きれいに洗って、ペーパータオルで水分もよく
取る。

網にのせて、両面塩をする。


これで、3時間。
昼間、寝てしまったので、時刻は明け方。

途中塩を足したりしたが、だいぶ水分は抜けた。

このまま寝てしまうと塩が強すぎてしまう。
酢に漬けておこう。

皮をむいて、水の中に入れよく洗う。

さらに一度酢で洗って、酢を張ったバットに
鰯を漬ける。


翌朝、9時、

起きて、酢からあげる。
今日は酢の入りがよい。水分の抜けがよかったようである。

これは鰯だからか、どうなのか。

乾かすため、再び網の上にのせて、ベランダに出しておく。

鮨にするので、米を研いで、浸水をしておく。

作り始めたのは、昼下がり。

ご飯を炊くのは電気炊飯器で、すし飯モード。

先日、細巻すしを作ったがこの時煮た干瓢がまだ
冷蔵庫に残っていた。(味が濃いので大丈夫!。)

せっかくであるから、また細巻も作ろう。

二合炊くが、全部を酢飯ししてみよう。

二合だと、酢は80cc。
塩一つまみと、今日は、みりんもほんの少し入れてみた。

鮨酢には砂糖を入れるレシピも多いが、甘くなるのは
嫌なので、私は入れない。
その代り、というような意味ではある。

電気炊飯器が切れて、タイマーで測って7分。

いつもは小さなボールだが、今日は大きな陶器のボール。
(やはり、木のちゃんとした飯台が必要か。)

ボールに炊き上がった飯をあけて、鮨酢を入れ、
混ぜ込む。

うまい酢飯を作るのはやはり、むずかしい。

この季節になると、冷めるのに時間がかかるようになる。

ご飯の量にもよるが、真冬などは、すぐに冷めるので
大急ぎで、混ぜ込んで、酢の水分を飛ばさなくてはならない。
それこそ、団扇(うちわ)などで煽(あお)ぐ必要はない。
下手に煽ぐと水分が飛ぶ前に、冷えてしまう。

シャキッと堅めの酢飯、というのが理想だと思うが、
まだまだ、これ、というコツのようなものは、つかんでいない。

ある程度冷めたら、放置。
この時点をすぎて混ぜると、飯粒がつぶれてしまう。

結局、ご飯というのは、普通のご飯でも炊き上がった時点では、
米から出たネバネバが米粒の表面に柔らかい状態で存在している。
このネバネバがいい感じに冷えて、ご飯粒の表面に落ち着いた状態。

これが、東京人好みの堅い飯、ということなのであろう。

酢飯の場合はさらに炊き上がったご飯に水分(酢)を足して、
シャキ、を再現しなくてはならない。
難しいはずである。

長くなった。

今日はここまで、また明日。







 

 


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