断腸亭料理日記2013

ISHIGAKI4.GIF - 14,031BYTES断腸亭の夏休み・

沖縄石垣島その7



引き続き、石垣島。

ホテル「かりゆし倶楽部]、三日目の食いもの。

朝飯。



朝飯のバッフェであるが、ちょっと珍しかったので
載せてみた。

「ふーいりちー」という。

麩と玉子の炒め物。
麩なので味らしい味はなく、玉子み混ざってちょっとわかりずらいが
左側の丸いのが麩である。

"いりちー"は炒めた(もの)、という意味なのであろう。
麩はむろん日本にもあるが、沖縄でも盛んに食べられているようである。
いや、むしろ沖縄の方が今でもメジャーな食べ物のよう。

ものとしては、沖縄の麩は丸い車麩。
麩というのは中国にもあると思われるが、
日本と中国の中間にあった琉球である、どちらからのものであろうか。

○○イリチーのイリチーは、炒(い)る、という和語=
大和言葉と同系なのであろう。

琉球、八重山の言葉はおもしろい。

このように和語と同系と思われる言葉もあれば、
めんそーれ、だったり、おーりとーり
(どちらも、いらっしゃい、の意味で、前者が琉球で後者は八重山の言葉。)
など、まったく違う語感のものもある。

もう一つ。


よく撮れていないが、右側。
「くーぶいりちー」。

昆布の細切りの炒め物。

昆布が"くーぶ"である。

ご存知かもしれぬが、日本で昆布の一人当たり消費量が
最も多いのは、富山県で、沖縄県は新潟県程の消費量で
上位にランクされている。

沖縄の長寿の要因の一つに、昆布を伝統的に多く食べているから
ともいう。

昆布は江戸の頃、蝦夷(北海道)で採られて加工され、
日本海をまわる北前船で大坂に運ばれ、さらに、西へ薩摩経由で、
琉球、そして中国へ送られた。(富山の昆布の消費量が多いのは北前船の
寄港地であったから、といわれている。)

昆布は江戸の頃の我が国の重要な輸出品目であった。
余談だが、薩摩藩はこの琉球貿易で豊かになり、これが討幕の原資になっている
ともいわれている。

そんなことで、中継点である琉球でも昆布は盛んに食べられるようになった。

おもしろいものである。
(先の麩もその関係であろうか。)

さて。

ダイビングサービス[海講座]の生垣のハイビスカスと
黒いアゲハ蝶。


色の鮮やかさが南の島らしい。

天気予報によれば、熱帯低気圧が石垣島の南東沖の
東シナ海に発生したが、まだ今日はよい天気。
日差しも強烈。

ダイビング二日目も波も高くならず、よい天気で、二本潜り、
夕方ホテルに戻る。

さて、夕飯。

今日もビールではなく、泡盛のカクテル。
泡盛が安いせいか、ビールよりもカクテルの方が安い。

ここのオリジナルで、南の島、という。
泡盛、シークワサーリキュール、レモン、ブルーキュラソー。

南の島らしい爽やかな青。

ただこれ、南の島と書いて、こちらでは、
ぱいぬしま、と読むらしい。

この、ぱいぬしま、は、新石垣空港の名前にもなっている。

ぱい、は、和語では、はえ、であろう。(ぬは、の。しまは島で同じ音である。)

鹿児島に南風泊(はえどまり)というところがあるが、
はえは、和語では南だけでなく、南風のことをいうことの方が
多いのかもしれない。(どちらかといえば西日本で使われてきた語か。)

やはりこれも、音は変化しているが和語の語彙と同系のものと
いってよかろう。

ともあれ、食い物であった。

今日からはコースではなく、居酒屋のように
アラカルトでもらう。

メニューには郷土料理などと書いてあるが、
こちらの料理がいろいろある。

まずは青マンゴーのサラダ。


これは、東京などでも知られるようになっているメニューかもしれない。
白く刺身のつまのように細切りになっているのが青マンゴー。

沖縄ではある程度一般に食べられているものなのか。

収穫前に落ちてしまったり、間引いた青い未成熟の青いマンゴー
であるが、このようにサラダやチャンプルーのような炒め物にも
するようである。

シャキシャキした食感とクセのない味でうまい。

貝の酢の物。


この貝が高瀬貝とシャコ貝。

シャコ貝はダイビングでも写真をのせたが、大きな二枚貝。
高瀬貝は初日にも出たが巻貝。

高瀬貝はコリコリとしてクセもなくうまいが、シャコ貝の方は
グニュっとした弾力があり、ちょっとホヤのような汐くささがある。

近海魚の握り鮨。

若干ピンボケだが、下左から鮑、下中たこ、下右イクラ。
上左マグロ、上中うにののった白身はミーバイ(ハタ)で上右はイラブチャー
(アオブダイ)であったか(白身が逆かも、、)。

腹が減っていたからか、バクバク食って味をほとんど覚えていない。
(マグロも生なのであろう、これだけはうまかった記憶がある。)

次は揚げ物。


これ沖縄では人気の大衆魚、グルクン。
和名はタカサゴというそうな。
開いて頭をつけたまま揚げてある。

足が速く、刺身よりは、こうして、から揚げや煮付けにすることが
多いという。(沖縄には焼魚というものはあまりないそうな。)

大きさはこのように鯵程度。

味は、確かにうまい。
身は柔らかく、ちょっと脂もあり、のどぐろ(アカムツ)に
似ているように感じた。

 


三日目の夕飯、途中だが今日はここまで。
また明日。





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