断腸亭料理日記2013

金沢で、鮨

1月29日(火)夜

金沢出張。

仕事は翌日なのだが、朝早いので、前泊。
20時すぎに金沢駅に着いた。

取っていた駅そばの、安いビジネスホテルに荷物を置いて、
なにか食べようと、外へ出てみた。

いつ降ったのか、歩道にはシャーベット状の雪が数センチ積もっていて
歩きにくい。
こちらの人には、へっちゃらなのであろう。

長靴?冬靴で、ガンガン歩いている。
普通の革靴の私などは、へっぴり腰。
と、ホテルのすぐ裏に鮨やを見つけた。

名前は[この花]というところ。
昨日の今日で、鮨やを探していたわけではなかったのだが、
まあ、よいか。

金沢、富山の出張はこの頃多いのだがまともな
鮨やはほとんどいっていない。

店の造りは真新しい。

外に、品書きも出ており、安心はできそう。
暖簾を分けて、入ってみる。

明るい店内、白木のカウンター。
若い板さん。
なかなかよさそう。

お客は男性一人。

座って、ビールをもらう。

お通しで出てきた、蕪(かぶら)鮨。


少し前に、富山駅で売っていたものを買って帰って
家で食べてみたことがあった。
(一度は途中でどこかに忘れて帰ったのであった。)

明らかに、それよりも数段うまい。

5mm程度の厚みに切った蕪の間に、同じくらいの厚みの
鰤(ぶり)のスライスをはさんで麹で漬けたもの。
鰤の切り身は水分がある程度抜け、熟(な)れており、
うまい。

こちらでは正月料理であったか。

なるほど、これならさもありなん。

刺身を少し、ということで、やっぱり、寒鰤。


もう、北陸の冬の味覚はこれにとどめをさすだろう。
あまりよく撮れていないが、上が背の身で、下が腹。
腹側は、よい脂がたっぷり。食感もしっかり。

背側もあまみがあり、ぷりぷり。
最高の味覚、で、ある。

これだけでも、金沢へ来た甲斐があったというもの。
さて。

ここで、にぎり。

わからないので、一人前。特上3000円也を頼む。


まずは、右がかじきで、左がまぐろ中トロ。

いきなり、大物。

かじきは、やはり富山で昆布〆、というのを買って食べたが、
なかなかうまかった。

板さんに聞いてみると、やはりこちらでは、
かじきをよく食べるらしい。

東京のちゃんとした江戸前鮨では、かじきはまず使わない。
刺身で食べることもまずないが、おもしろいもの、で、ある。

中トロもなかなかなもの。

魚の切り方は江戸前よりも厚い。
にぎり鮨の場合、酢飯とのバランスも重要だが、
酢飯はそこそこ大きめでよい。魚が大きければよいだろとばかり、
酢飯はほんの少しで、魚ばかり長く切ったにぎりは、
にぎりる意味がない。

いかは、あおりいか。


鰤と、鯛。


鰤は、にぎりでも登場。

これだけのものが登場すると、鯛など添え物のような感じ。

そして、これでもか、と、


大トロ。

もう、なにもいうことがない。

かに、甘海老。

最後に、うにといくら。


巻物は、なし。

合計、5000円。

これだけのものを東京で食べれば、
間違いなく、1.5倍あるいは、2倍は取るかもしれない。

流石、で、ある。






  


断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 |

2009 12月 | 2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 |

2010 7月 | 2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2010 12月 |2011 1月 |

2011 2月 | 2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月 | 2011 7月 | 2011 8月

2011 9月 | 2011 10月 | 2011 11月 | 2011 12月 | 2012 1月 | 2012 2月 | 2012 3月 |

2012 4月 | 2012 5月 | 2012 6月 | 2012 7月 | 2012 8月 | 2012 9月 | 2012 10月 |

2012 11月 | 2012 12月 | 2013 1月 |


BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2013