断腸亭料理日記2014

豚ばら大根

12月5日(金)夜

さて。

大根、である。

先日、鶏と鍋にした。

あれも作った翌日以降も温め直して食べた。

大根というものは不思議なものである。
煮え立てもさることながら
時間が経っても、またうまい。

あの大根はあと半分ある。

うまいうちに食べてしまおう。

思い付いたのは、甘辛く煮ること。

甘辛の大根というと、やはり真っ先に思い浮かぶのは
鰤(ぶり)大根、で、あろう。

仕事のあるウイークデーにピンポイントで
鰤、または鰤のあらを手に入れるのは、難しい。

ようは油(脂)のあるものと一緒に煮ればよいのであろう。

そう、肉であれば、例えば豚ばら。

作ったことはないが、よいかもしれない。

少しレシピを調べようと検索をしてみた。

と、驚いた。
あるは、あるは、豚ばら大根というのは、
とんでもない人気メニュー、ではないか。

手作りのレシピだけでなく「○○○ドゥ」シリーズでも
豚ばら大根は売れ筋のようである。
子供が好きなのか。
知らなかったのは私だけだったか、、。

よし。

こうなったら、レシピ類はなにも見ずに
自分のセンス(それほどのものでもないが、、)だけで
作ってみようじゃないか。

どちらもよく知っている材料である。
そう難しいこともあるまい。

会社帰りに、ハナマサで豚ばらを調達。

が、ここで問題はスライスか、塊か。このことである。

煮込んでうまいのは、間違いなく、塊である。
いわゆる豚角煮、あるいは、私も作るが、沖縄のラフティー、である。

しかし、角煮は時間がかかりすぎる。
まあ、柔らかくするには2~3時間は必要で、
大根の煮える時間とも合わない。

折衷案というのか、次善の策は、
塊を一口半程度に切っておくというものがあろう。

随分迷ったのだが、結局無難そうなスライスにしてしまった。

ただし、焼き肉用の少し厚めのもの。

帰宅し、作る。

最初に今日はまず、金曜なので、炭を熾し火鉢の準備。
同時に、燗をつけるための鉄瓶も熱くして用意。

大根。

大根は、やはり厚いものがよかろう。
皮をむき、鶏の鍋同様、厚さ2cmの銀杏切り。

5mmほどの厚さの豚ばらは、幅2cm程度に切る。

そして、やはり下煮は圧力鍋。

大根と豚ばらを入れ、水はヒタヒタよりも少なく。

柔らかくしてからそのまま味を付けるつもりなのだが、
甘辛の濃い味にしたい。

で、あれば煮汁は少ない方が濃く煮詰めやすいであろう。

例によって加圧後、弱火で5分。
火を止めて放置、20分ちょい。

ふたを取り、様子をみる。
OK。

ここに、しょうゆ、酒、砂糖。
煮詰めることも考慮するが、ここでも濃いめ。

鷹の爪を入れようかととも思ったのだが、
今回はノーマルになしにしてみる。

一度煮立てて、弱火で10分ほど。

多少煮詰まってきた。

仕上げに、みりんも。

どのくらい効果があるのかわからぬが、
ぶり大根などでも使うが、照りが出る、という。

さらに3~4分。

OK。

なかなかいい色にはなってきた。

もう少し煮詰めたいところだが、早く食べたいので
皿に盛りお膳に運ぶ。

一合のお銚子に酒を注ぎ鉄瓶へ突っ込み
上燗に燗をつける。

大根の味はなかなか。
それなりに味は染みている。
ただ難をいうと、豚ばらの存在感、で、ある。

量はそこそこ入っており、脂も出て、大根に対しては
よい影響を与えているのであるが、煮ている間に小さくもなるし
どうも添え物のような雰囲気になってしまった。

やはり、小さ目に切った塊の方がよかったかもしれぬ。

酒は辛口の菊正宗。
濃口しょうゆの甘辛料理には、これしかないという相性である。
うまい。

さて、これは翌日。


瑞々しさという点では劣るのだが、
味の染み方からすれば、むろん翌日の方がよい。

やはり大根というのは不思議、で、ある。
どちらもそれぞれに、うまい。



 

 


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