断腸亭料理日記2014

祇園・なか原 その1

2月20日(木)夜

大阪出張、翌日は富山。

朝立ちで富山に向かうが、一人だし
どうせ泊まるなら、久しぶりに京都に泊まろう。

京都ならば、祇園。

うまい飯を食べよう。

祇園、八坂神社門前のアパホテルを取る。
アパなので、別段高くもないし、この季節なので、
問題なく取れた。

さて、飯は。

以前になん回かいった炭火焼割烹の[いふき]
(ミシュラン星付きになり、場所が今は祇園に変わっているよう。)
は前日にTELをしても一杯、とのこと。

新たに開拓だ。

ネットで調べて、ミシュラン一つ星(?)
アパホテルのすぐそばでもある[なか原]という
やはりカウンター割烹。

TELをしてみると、OK。
18時に予約。

ホテルに荷物を置いて、出かける。

天気はよかったのだが、日が暮れると
京都は寒い。

風も強い。

祇園さん、八坂神社の山門がライトアップされている。


2月も下旬、日足も段々に伸びてきている。

[なか原]というのはむろん初めて。
ちょうど、アパホテルの四条通をはさんだ向かい側、正面。
細い路地を入ったところのよう。

きてみると、ぎをん小路、と表に書いてある。
(祇園は、かなで書くと、ぎ“を”ん、で、お、
ではないのは知らなかった。)

路地も路地、幅一間もないかもしれぬ。

道というよりも、すき間という感じである。
京都には先斗町などもそうだが、こういう細い細い小路の奥の
店、というのはよくある。


入っていくと、あった、あった。

なか原。

暖簾が下がっており、曇りガラスの入った格子。

開けて入る。

明るい店内。

正面がカウンター。

ご主人と若い衆一人のよう。

時刻が早いからか、他に先客はなし。

名乗って、コートを脱ぎ、すすめられたカウンター、
手前左側に座る。

この店はコースも仕立ててくれるが、
単品で頼むのがよいとの情報。

まずは寒いのでお酒、お燗。

最初に出されたのは、小さな湯呑に入れられて出された白いつゆ
のようなもの。

粕汁、とのこと。

具はなし。

この温かさが寒い外からきた者にはなにより、で、ある。

粕汁というのは久しぶりだが、うまいものである。
ご主人によれば、普通は魚系の出汁を使うが、これは
肉系の出汁とのこと。

燗酒の銘柄を聞くと、月桂冠とのこと。
特別なものではないらしいが、東京で売られているものよりも
うまいように感じるのは不思議。

他にお客さんがないので、ご主人と話しをする。
(写真を撮る雰囲気では、ないな、これは。)

前菜として、美しく一盛にされたものが出される。

貝があった。生とり貝の酢味噌。
ほんのり胡麻の香りがするのが珍しい。

錦糸玉子のかかった、ほんの少しの五目寿司、など。
(まだあったような気がするが、忘れた。)

品書きはカウンターの目の前、細長い紙に書かれている。

先ずは、お造り。

おまかせで少量ずつ。

マグロ、平目。

平目は薄造りではなく、ぶつ切り。

こうするものですか?と、聞いてみると、

いや、切った場所がぶつに合っていたので、とのこと。
(尻尾の方か。)平目、ぶつ切りというのも、うまい。

お酒お替り。

今度は、京都佐々木酒造の、まるたけえびす、という銘柄。

佐々木酒造は京都洛中で現在唯一の酒蔵。
かの俳優佐々木蔵之介氏の生家。

前から呑んでみたかった酒である。

辛口。

月桂冠よりもちょっと厚みがある。

次は、おみやげにもと、壁に貼り紙がしてある、
豚角煮。

と、このあたりで、芸妓(げいこ)さん二人組が来店。
カウンターの反対側に座る。

どうもお客さんと待ち合わせのよう。
(祇園でもこういうのは、同伴というのだろうか。)

だが、こうやって一品ずつ頼んでいると、
どんどん呑んでしまう。




長くなるので、つづきは、また明日。


京都市東山区祇園町北側286-5
075-551-5215





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