断腸亭料理日記2014

鶏皮ぽん酢、鶏皮煮

引き続き、土曜日。

鶏皮、で、ある。

焼き飯にして、次は鶏皮ぽん酢。

よく焼鳥やのサイドメニューにも必ずある。
うまいものだし、かなりの好物、で、ある。

だが、これは簡単。

茹でた鶏皮を、焼いてぽん酢しょうゆをかけるだけ。

なのであるが、いくつかのポイントはある。

そもそも、茹でただけ、または焼いただけでは
いけないのか。

むろん、それでもよい。
ただ、茹でて焼いた方が、うまい、のである。

鶏皮というのを料理をしたことがある方なら
おわかりになろうが、鶏皮でも、脂のある分厚い部分と
そうでなく、文字通り皮だけの部分がある。

皮だけの薄い部分は茹でただけ、あるいは
香ばしく焼いただけでも十分ではある。

だが、脂の多い分厚い部分は、脂が強すぎる。
薄い部分とのバランスもよくはない。

先に茹でることによって、ある程度全体の
脂を落とす。

そして、焼く前に脂の分厚い部分は小さ目に切る。

これで焼く。

焼くのは、オーブントースターにアルミホイルを
敷いてもよいが、今日はガスの魚を焼くグリルで焼いた。

(魚を焼くグリルは、多くの皆さんのご家庭でそうであろうが、
目皿に水を張り、その上に横棒だけの網があると思う。
これだけであると、細かく切った鶏皮などは下に落ちてしまう。
それで、私はこの横棒だけの網にのる小ぶりの餅網をのせて
下に落ちぬようにして、焼く。)

焼き加減は多少焦げ目が付くくらい。

そして、先ほどの小さ目に切った脂の多い部分は
薄い部分よりも長めに時間差をつけて焼く。
これでより脂が落ちる。

さて。

もう一つのポイント。

鶏皮ぽん酢には、白髪ねぎが欠かせない。

あってもよい添え物、ではなく、絶対に必要であると
思われる。

そして、できればあらかじめ水に漬けて辛みを少し
取っておきたい。

白髪ねぎの切り方は、私はプロのようにできぬので
斜めに薄く切って、これを千切りにする。

そして、水に漬けておく。

焼いた鶏皮に市販のぽん酢しょうゆをかけて
水に漬けた白髪ねぎをのせる。


この写真はお上品に白髪ねぎは、パラッ、であるが、
しこたまが本当は、よい。
そして、ねぎもまた、うまい。

もうこれ、酒の肴としては、いくらでも食べられる。

うまいもんである。

さて。

鶏皮でもう一品。

茹でた鶏皮をさらに、甘辛く煮る。

ただ、しょうゆと酒、砂糖で煮ればよいのだが、
軽く甘辛く煮て、さらに、やっぱりストックしてある
焼鳥のたれをかける。


まあ、焼鳥の皮焼とにたようなもの、
ではあるが、これもまた、酒の肴としては
堪えられない。

そして残った煮汁を煮詰めれば、これはまた焼鳥のタレになる。

しかし、鶏の皮、というのは、考えてみれば
不思議なものではある。

私にとっては、酒の肴としてこれほど愉しめる
ものは他にはなかなかないのではなかろうかと思うのである。

それもたいした手間をかけずに。

ひょっとすると、鶏肉本体よりも、ずっと愉しめる。

さて。

今日は、もう一つ、おまけ。


これは翌、日曜日の第一食。

酒盗の湯漬け。

酒盗とはご存知のように鰹の内臓の塩辛、で、ある。

酒を盗んででも呑みたくなるほどうまい肴だから
その名前が付いた、という。
むろん、酒の肴でもよいのだが、
こうして、飯にのせて湯をかけ、ねぎのみじん切り
なんぞを散らす。

熱をかけると塩辛は形をなくし、濃い旨みの出汁になる。

簡単で実にうまい湯漬けになる。

それで、もうここなん年もうちの冷蔵庫には
欠かせない。




 


断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月 |

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月 |

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 | 2009 12月 |

2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 | 2010 7月 |

2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2011 12月 | 2011 1月 | 2011 2月 |

2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月 | 2011 7月 | 2011 8月 | 2011 9月 |

2011 10月 | 2011 11月 | 2011 12月 | 2012 1月 | 2012 2月 | 2012 3月 | 2012 4月 |

2012 5月 | 2012 6月 | 2012 7月 | 2012 8月 | 2012 9月 | 2012 10月 | 2012 11月 |

2012 12月 | 2013 1月 | 2013 2月 | 2013 3月 | 2013 4月 | 2013 5月 | 2013 6月 |

2013 7月 | 2013 8月 | 2013 9月 | 2013 10月 | 2013 11月 | 2013 12月 | 2014 1月

2014 2月 | 2014 3月| 2014 4月| 2014 5月| 2014 6月| 2014 7月 | 2014 8月 | 2013 9月 |

2014 10月 | 2014 11月 |

  



BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2014