断腸亭料理日記2014

出汁・野菜の煮物二品
焼茄子の煮びたし、大根

10月12日(土)第一食

さて。

土曜日。

昆布の出汁がある。

なん日か前に、酔っ払って、なにか煮物を作ろうと鍋に水を張って
昆布を入れておいたのだが、そのまま寝てしまって置いたまま。
このままだとわるくなるので、鍋のままラップをして
冷蔵庫に突っ込んであった。

昆布出汁というのは、プロは一晩くらいであろうか、
水に漬けておくというが、まあ、既に三昼夜はたっている。

これは漬けすぎ?

火にかけていないので、ぬめりは出ていない
とは思うのだが、まあよい、せっかくの昆布出汁、
なにかに使おう。

うどん、そばの気分でもなし、やはり野菜の煮物であろうか。

昆布出汁は、先日高野豆腐を煮るときに
濃い出汁にしようと、今までの二倍、鍋に入る大きさに
切ったもの、4〜5枚を入れてみたのだが、
これがなかなかうまかったので、同じようにしている。

これに鰹削り節も入れるのだが、こういう濃い出汁なので、
しょうゆなどは控えめで、淡泊な野菜に十分に含ませる、
というような煮物であろうか。(ちょっと京料理風?)

野菜はなにがよかろうか。

焼茄子はどうだろうか。

焼茄子といっても、普段私が作るのは、フライパンに
油を敷いて焼き、しょうがじょうゆで食べるもの。

しかし、これではなく、一般にはこちらが焼茄子であろうが、
直火で皮を焼いて、むき、やはりしょうがじょうゆなどで食べたり、
出汁を含ませた煮びたしにする、あれ。
(毎度思うのだが、これはどこの料理であろうか。
私の家では子供の頃から、焼茄子といえば、
前者で、皮をむくのはまったく知らなかった。
もともとは関西のものであろうか。)

あまり作らないが、コンセプトとしてはちょうどよかろう。

茄子を買いに出る。

帰宅し、出汁にかかる。

昆布を水に浸した鍋を出し、一度加熱し、鰹削り節をどさっと、入れる。
弱火にし3分ほど待ち、火を止めておく。

引きあげた昆布は例によって、一口に切り、酢としょうゆで煮詰め
佃煮にする。(このところ大量の昆布で出汁を取っているので
この佃煮が増殖中である。)

出汁が落ち着いたら、濾す。

量はそこそこあるので、煮びたしに使う分だけ
鍋に取り、味付け。

薄口しょうゆと濃口しょうゆ、どちらも控えめ目だが、
濃口の色が付く程度には入れる。

さて、茄子。

五本ほど。

ヘタ、というのか、ガクの部分を少し切り、
むきやすいように、ぐるっと一周切込みを入れておく。

あまりやらないので、手慣れていない。

魚を焼くガスのグリルに入れ、焼く。

様子をみる。

焦げ目が付くまで、とよく書いてあるので、よく焼く。

そうだ、忘れていた。
破裂する可能性もあるので、竹串で穴を開けておく、
のであった。
穴を開けてもう一度。

焼けたかな。

熱いが、焼けたそばから、むく。

焦げたところなどは、ちょっとむきづらい。

むいたそばから、つゆへ入れる。

全部むき終わったら、一煮立ちさせて、しばらく置く。

盛り付け。


見た目は、わるくない。

つゆはこんな感じの色。

ビールを開けて、食べる。

ん!。

これは、いけない。

きれいに取ったつもりであったが、皮のコゲの味が
茄子に残ってしまっている。

茄子は淡泊で、出汁の味で食べるものだからか、
コゲの味が少しでも入ると、気になる。

作り慣れないものは、やはりむずかしい、、。

さて、月曜日、ちょっと、リベンジ。

味付けをしていない出汁がまだ残っていたので
今度は安かった大根を煮てみた。

味付けは、薄口しょうゆもなしで、塩のみ。
下煮もしないで、ダイレクトに出汁で煮た。

なんのことはない、関西風おでんのようなものか。

だが、大根の味に鰹昆布の濃い出汁が染み込み、
むろん、うまい。

煮物といえば、濃口しょうゆで真っ黒にするもの
として私などは育ち、煮物に出汁は使わない方が
今でも多い。

使うのであれば、少しばかりではなく、たっぷりと
昆布と鰹削り節を使った濃い出汁の野菜の煮物は
やっぱり、うまい。
別の料理といってよろしかろう。


 


断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月 |

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月 |

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 | 2009 12月 |

2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 | 2010 7月 |

2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2011 12月 | 2011 1月 | 2011 2月 |

2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月 | 2011 7月 | 2011 8月 | 2011 9月 |

2011 10月 | 2011 11月 | 2011 12月 | 2012 1月 | 2012 2月 | 2012 3月 | 2012 4月 |

2012 5月 | 2012 6月 | 2012 7月 | 2012 8月 | 2012 9月 | 2012 10月 | 2012 11月 |

2012 12月 | 2013 1月 | 2013 2月 | 2013 3月 | 2013 4月 | 2013 5月 | 2013 6月 |

2013 7月 | 2013 8月 | 2013 9月 | 2013 10月 | 2013 11月 | 2013 12月 | 2014 1月

2014 2月 | 2014 3月| 2014 4月| 2014 5月| 2014 6月| 2014 7月 | 2014 8月 | 2013 9月 |

2014 10月 |

  



BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2014