断腸亭料理日記2015

フィリピン・ボラカイ島 その11

フィリピンボラカイ島での最終日。

今日はダイビングはなしで、一日中、ビーチやら


プールサイドやら、


ヤシの木陰やらで、読書。


ダイビングをしている日はあまりこのような景色には
目に入らなかったのであるが、改めていちいち、絵になること。


夕方、ハッピーアワーでカクテルが二杯で一杯分の値段
というので、内儀(かみ)さんとプールサイドのバーへきた。



また、マニラサンライズ。
ちょうど、今はサンセットだが。

地元のバンドの演奏なども行われている。

日が沈むと、ファイヤーダンスなど始る。


今日はこれで終了。

翌早朝、5時起きで出立。


日本へ帰る者だけ、3組がロビーに集まっている。


いつもダイビングに出ていた桟橋からボートで
シャングリラ・ボラカイを出る。ちょうど日の出。

さらに車でカリボ空港、国内線でマニラ。
マニラから成田まで、4時間。

夜、9時頃帰宅。

8月8日(土)に出てちょうど一週間、15日(土)に帰宅。

ダイビングは4日間。

ちょうどよい期間であろう。

世界一美しい島、ビーチ、という評判は間違ってはいない。
しかし、世界中どこも同じであろうが、やっぱり
ここでも大量の中国人には驚かされた。

ただ、運よく(?)ダイビングは中国人はおろか他のお客は
4日の内、一日、一人の豪州人男性がいただけで、
ほぼ完全なプライベートツアーであった。

ダイビングで潜った海は、ほぼすべてが島のすぐ近くのリーフ内の
ポイントであったせいか、サメやウミガメ、マンタなどの
いわゆる大物には出会えなかったのが若干の物足りなさになってはいる。
おそらく、他にもたくさんポイントはあるのであろうが、
遠いポイントへは行き帰りの時間もあろう、波も高くなるのかもしれぬ。
満足しなければいけないのかもしれぬ。

前回フィリピンにきたのは、2004年のセブ島

10年近く前のこと。むろん島もポイントも違うのだが、
例えば、シャコ貝なども1m弱なんというもの数多くあり、
また、アンモナイトの生き残りなどともいわれる、巻貝のついた
いか、オウムガイなどを見ることができた。

この10年というのは、こういうところの自然にも
少なからず影響を及ぼしている、のではなかろうか。

この10年はちょうど、中国はじめ東南アジア諸国の経済成長の
時期とも一致していよう。

むろん私はフィリピンの海の専門家でもなく、毎年きているわけでも
ないので軽々に断言することはできないが、経済成長、観光客の増加、
それによる自然への影響。
これが気になるところ、ではある。
(中国の南沙諸島での埋め立ても、おそらく美しいサンゴのリーフを
埋め立てているのであろう。関連するが沖縄辺野古の海の米軍基地移転も
同じ問題を抱えてもいる。)

フィリピン一国の問題ではなく、世界の貴重な自然遺産を
どうやって守っていくのかということは、皆で考え行動していかなければ
いけないことであろう。(ウナギや、クロマグロも原因は獲りすぎで、
もっと深刻だが、保護という意味では同じことである。)

例えばフィリピンなどは東南アジアNo.1の経済成長率といっても
国としては、自然保護に関心を向ける余裕はまだまだ少なかろう。

一方で昨年訪れた、セイシェルは欧州の影響が強いせいか、
保護意識は高いように見受けられた。セイシェルはフィリピンよりも
面積として小さいということもあろうし、またフィリピンにも
世界自然遺産に指定されているところもあるようだが、
国全体としては保護よりも観光ビジネスの方に重きがあるように
思われた。
なくなってからでは遅い。まだまだきれいな今の内に行動を
始めたい。

ちょうどこの時期、夏休みをはさんで、昭和天皇の玉音放送と、
戦後70年の首相談話について考えてみた。
そこで、いくつか課題を出していたが、その一つ、
国際社会で我国はどうありたいのか、このことである。

日本が必要とされているのは、実にこういうことではなかろうか。

アジア太平洋地域の海洋資源保護。
あるいは、美しいサンゴ礁及び、そこに住む生き物の保護。

彼らの経済発展と自然と資源の保護を両立させなければ
いけないが、ここで物心両面、指導的な役割を果たす。

我々は自ら進んで、ウナギやマグロを爆食している場合ではなかろう。

フィリピンはちょっと遠いが、沖縄の南で隣の国であるといってよかろう。
黒潮も台風もフィリピンからくる。
海を隔てているが、その海は私達にもフィリピンの人々にも
とても大切な海である。そしてむろん、つながっている。
太平洋なくしては彼らも我々も生存していくことは難しかろう。
むろん、安全保障上も大切なパートナーである。

なぜであろうか、ともすれば我々日本人は、
海の向こうのことには無関心になりがちである。

原発事故の際に、汚染水を海に放流していたことを
海外諸国に伝えるのに時間がかかったということもあったように
思われる。海はつながっている。
また、少なくともフィリピンは例えば中東よりもずっと近い。

また、この時期思い出されるのは、中国や朝鮮半島同様に
植民地化、あるいは米軍との戦場にしてしまった地域でもあることも
忘れてはいけない。

こう考えてくれば、この地域で我が国の果たすべき役割は
自ずと明らかになってくるではないか。
我々もアジア太平洋に浮かんでいる島の一つであることを
思い出そうではないか。

このダイビング旅行でこんなことを考えたのであった。

 

この項、了。

長々のご愛読、感謝。

 


 


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