断腸亭料理日記2015

新宿西口メトロ食堂街・

永坂更科布屋太兵衛

2月3日(火)夕

中央線で八王子方面から帰ってきた。
6時頃である。

帰り道は新宿で降りて、大江戸線に乗ろうか。

腹も減ったし、、、。

!。

[永坂更科]の立ち喰いで、豚肉天そばだ。

あれは、うまい。

[永坂更科]はむろん、ご存知の
麻布永坂にある老舗の蕎麦やである。

この出店(でみせ)が新宿西口のメトロ食堂街
という中にある。

普通老舗がテナントとして入っているのだが、
どうしたわけか、ここには立ち喰いコーナー
があるのである。

立ち喰いでも、ざるもあればかけもある。

が、それだけではない。

それが豚肉天そばなのである。

豚肉の入ったかき揚げがのったそば。

他にはどこにもない。

路麺にも、ありそうだが、ない。(と思われるが。)

これがうまい。

JRの西口改札を出て右。
メトロ食堂街というのは、東京メトロ
(昔は営団地下鉄であったわけだが)のビルになるので
そう呼んでいるのであろう。

丸ノ内線の西口改札の方に歩くのだが、
そちらへは行かずに、中二階のような
半端な階段を昇る。

昇ったところが、メトロ食堂街になる。

ここがいつできたのか。
私も記憶にはない。

食堂街というネーミングも古い。

他のテナントには[肉の万世]なども入っているので
やはり古いのであろう。

たいして広くはないスペースに
店舗数だけは多い。

ちょっと迷路のようになっており[永坂更科]に
たどり着くのに、ぐるっとまわってしまった。

テーブル席の店舗があり、入口の脇に
カウンターがあり、ここが立ち喰いコーナー。

食券制である。
自動券売機で食券、肉天そばのかけ、を購入。
冷たいもりの肉天もあるので注意が必要である。

780円であったか。

立ち喰いでも老舗[永坂更科]であるぞ、
ということか、安くはない。

カウンターの向こうには、白い上っ張りを着た小母さん一人。

「肉天そば」といって券を出す。

小母さんは、一杯〜〜〜と、奥に通す。

奥の調理場はテーブル席の調理場とむろん
同じなのであろう。

温かいそばが、一杯ぁぃ〜〜〜、で、
もりは、一枚ぁぃ〜〜〜。

茹ったそばを丼に入れて出てきたものに
小母さんは手元にある熱いつゆをかけて、目の前のショーケースに
入ってる肉天をのせて、はい、お待ちどうさまぁ〜、と出す。


ねぎをのっけて、食べる。

さすがに老舗蕎麦やのかき揚げ。

大きく厚く、しっかりしている。

豚肉はロースなのか、バラなのか、
わからぬが小さめに切られて入っている。

豚肉だけかと思うと、五分切りのねぎも
かき揚げには入っている。

かき揚げにねぎを入れるのは、
路麺などでなくとも、比較的定番ではあろう。
これも、うまい。

ただやっぱり、かき揚げ天そば、というのは
[富士そば]であろうが、[独立系路麺]であろうが、
[池の端藪]であろうが、大筋では大差はない。

かき揚げ天そばがうまいのは、
つゆに馴染んで、ふやけてきた衣が
うまいのである。

そういう意味で、具がなんであっても
本質はかわらない。

だがやはり、そうはいっても、芝海老、いか、
玉ねぎ、春菊、その他いろいろのかき揚げは
愉しく、うれしく、うまい。

それが、豚肉とねぎ。

他にはない、ここだけの味。

うまいもんである。



永坂更科




 


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