断腸亭料理日記2015

2015年隅田川花火大会

7月25日(土)夜

さて、引き続き、土曜日。

今夜は、年に一度の隅田川の花火大会。

浅草というところはご存知の通り、
世に知られたお祭り、縁日、市、
イベントなどが多いところではある。

もしかすると東京一、かもしれない。

江戸以前から浅草寺の門前町で、
江戸期には、有数の盛り場。

浅草寺関係のものもあるしそうでないものもある。

5月の三社祭、7月のほうずき市。
同じく、花火大会。
8月にはサンバカーニバル。
11月は酉の市。
暮れの羽子板市。

その他、4月の流鏑馬、5〜6月の植木市、
11月の白鷺の舞などなどまだまだあるが、
大きくて比較的有名なものだけ挙げてもこれだけある。

私なども、全部どころか、近くに住んでいても
毎年のことで、ほとんどわざわざ見に行くこと稀ではある。

しかし、この元浅草の地に引越してきてから、15年ほどになるが、
花火だけは毎回必ず、見ている。

よんどころなく仕事などで東京を留守にすることでもなければ、
わざわざこの日に、出掛ける予定は入れるはずもない。
まあ、そういうことが一日もなかった、ということである。

ごった返す浅草中心部まで出掛けなくとも見えるというのもあるが、
花火だけはやはり、特別。別格である。

ただ、隅田川の花火大会は元来は浅草界隈のものではなく、
ご存知のように両国で行われて隅田川の川開きのものであった。
それが戦後、川の汚染によって一度途絶えた後、
復活の際に、浅草界隈に場所が移されている。

今、花火は二か所で上げられており、
第一会場の打ち上げが7時スタート。

第二会場が7時半から。
終了はどちらも8時半。

第一会場というのは、言問橋と桜橋の間で、桜橋寄り。
こちらは、私の住むところからは、見えない。
(いや、高いビルであれば第一会場も見えるのであろうが
地上からは見えない。)

で、第二会場がたやすく見えるのだが、こちらは厩橋と
駒形橋の間の厩橋寄り。

ここのほぼ真西に住んでいるので、路地に降りればビルに
1/3は隠れてしまうが、残りの2/3は見えて、見物にはまあ
許せる場所なのである。

いやいや、路地から見えるということは、本当は、
マンションの窓からも見えるのであるが、私の住んでいる部屋は
南西向きで、花火の上がる隅田川方向の東は窓から乗り出さなければ
見えないのである。
(同じマンションでも東側の部屋は居ながらにして花火見物が
できているはずである。)

毎年のことだが、この日は内儀(かみ)さんは
天ぷらやの蔵前[いせや]で天ぷらのサンドイッチ
天サンドを買ってくる。
これはいつもは、予約販売だが、花火の時だけ
店頭販売をしている。




海老天に真ん中はかき揚げ。

甘辛の天つゆ味。

多少の無理はあるのだが、食べられる。

それにしても、毎年決まって内儀さんは
なぜ買ってくるのであろうか。
わからないが、この天サンドも含めて
我が家の花火の日の年中行事になっている。

7時から第一会場のTV中継とともに、天サンドで
ビールを呑み始め、7時半になったら、浴衣に着替えて
下駄を履いて、路地に降りる。

下では、やっぱり近所の人々が見にきている。


お爺ちゃんも、お婆ちゃんも、お父さんも
お母さんも、子供も。

皆で、見る。

立ちっ放しであるが、不思議と飽きない。

今はだれもいわなくなったが、

「たまやぁ〜〜〜〜」

「かぎやぁ〜〜〜〜」

がほめ言葉であったっけ。

一時間。

フィナーレ。


大都会のこんな建て込んだ、川幅150mほどの
川で花火大会をしているのは、ここ以外には
ないのではなかろうか。

享保17年(1732年)、今から283年前が最初。
日本最古の花火大会。

世界最古ではないのだろうか。

世界無形文化遺産になってもよさそうではないか。







断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月 |

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月 |

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 | 2009 12月 |

2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 | 2010 7月 |

2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2011 12月 | 2011 1月 | 2011 2月 |

2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月 | 2011 7月 | 2011 8月 | 2011 9月 |

2011 10月 | 2011 11月 | 2011 12月 | 2012 1月 | 2012 2月 | 2012 3月 | 2012 4月 |

2012 5月 | 2012 6月 | 2012 7月 | 2012 8月 | 2012 9月 | 2012 10月 | 2012 11月 |

2012 12月 | 2013 1月 | 2013 2月 | 2013 3月 | 2013 4月 | 2013 5月 | 2013 6月 |

2013 7月 | 2013 8月 | 2013 9月 | 2013 10月 | 2013 11月 | 2013 12月 | 2014 1月

2014 2月 | 2014 3月| 2014 4月| 2014 5月| 2014 6月| 2014 7月 | 2014 8月 | 2013 9月 |

2014 10月 | 2014 11月 | 2014 12月 | 2015 1月 |2015 2月 |? 2015 3月 | 2015 4月 |

2015 5月 | 2015 6月 | 2015 7月 |




BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2015