断腸亭料理日記2015

鰯一山 飯とフライ

7月5日(日)

引き続き、まだ残っている鰯。

開いたものは6枚あり、これは夕方フライにする。

だがまだ、5匹ある。

この前、鶏飯を作ったが、今度は鰯飯にしよう。

朝から例によって、米を研ぎ、酒としょうゆと水で水加減を
しておく。

やはり、浸水時間は3時間。

11時頃から作業開始。

魚の炊き込みご飯の場合は、鮎などもそうだが、腹を出して、
塩などはぜずに、そのまま素焼きにする。

この鰯、焼いてもジュウジュウと脂が落ちて、脂があるのはよくわかる。

これを浸水の終わったお釜の米の上にのせる。


今日はこのまま電気炊飯器で炊く。

まあ魚の場合も焼いて上にのせて炊くだけなので、
簡単である。

炊けた。


一度魚を取り出して、身だけを骨からはずし、ほぐす。

腹骨などの小骨もあるが、こんなものはそのまま。

ほぐした身を、飯に混ぜ込む。

鰯なので、針生姜も用意。
もみ海苔ものせる。

またまた、京都の柴漬けも出す。


なかなかよい感じである。

ほんとうに旬でギトギトに脂ののった秋刀魚でやると
飯にも脂が染み込んで、ピラフかチャーハンのようになる。

まあ、これはそこまではいかないが、
うまいもんである。

生ぐささもまったくない。

またまた、いくらでも食べられるが、一膳でやめる。

さて。

最後のいわしフライ6枚。

これは夕方。

少し前に詳しく書いたので、もうよいであろう。

特段、かわったことはしていない。

だがまったく、好きなものとはいえ、
いわしフライばかり食べているようである。

 

ソースだけでももちろんよいのだが、
いわしフライの場合、私はこのケチャップとマヨネースを
ソースに加える。

これは、私が30代前半の頃、名古屋に転勤をしていた時代、
オフィスのそばにあった定食屋でのこと。

そこは、小父さんと小母さん二人でやっている狭く
お世辞にもきれいとはいえないところであったが、
いわしフライが常にメニューにあって、必ず私はそこへ行くと
頼んでいた。

その店ではフライものには小袋に入ったマヨネーズ、
ケチャップ、ソースの三種を決まって出していた。

名古屋というのはご存知の方はそう多くはないと思うが、
実はケチャップのカゴメの発祥の地。

おそらくそれでであろう。
名古屋では、ケチャップだけでなくソース類もカゴメの
製品がスーパーでは定番である。

この店でもマヨネーズは別だが、ケチャップとソースは
カゴメブランドのものであった。

名古屋人はいわしフライには必ずケチャップ、マヨネース、
ソースを混ぜて使うのではむろんない。

同時に三つ出されるので、うれしくて全部かけてしまえ、というのが、
最初であったと思うが、やってみたらかなりうまいので
それ以来、いわしフライには、三種のミックスソース
と決めたのであった。

ともあれ。

今日もうまい、いわしフライであった。

さて。

お気付きかどうか、あとまだ二匹残っていた。
これはに内儀(かみ)さんに委託。
内儀さんは三枚におろして、フライパンでかば焼きにしていた。

ということで、鰯一山15匹、300円也も無事終了。

計算すれば、一匹20円。

むろんアメ横価格。

この価格はアメ横ではいつものものであるが、
ものはいつも今日のようによいとは、限らない。

脂がのっているかどうかの保証もないし、
鮮度のことも然り。
まあ、この値段なので買う方が引き受けるべき
リスクということであるし、同時に、私にはこれが
ここで魚を買う愉しさ、とも思っている。

だが、今回は大当り。

ただ、やっぱり、今年の鰯は全般的には
安くてうまいのは、どうもかなりの確率で
本当ではなかろうか。

 

 



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