断腸亭料理日記2016

西両国のこと〜
東日本橋・あひ鴨一品・鳥安 その4


引き続き、元両国広小路、
東日本橋、あひ鴨一品[鳥安]

ねぎと椎茸。

このねぎ、昨日の駒形どぜうとはまた違うが、
べら棒にうまい。

鴨の脂を吸って、ねぎの甘味がきわだつ。

自分でも(池波レシピだが)鴨とねぎをしょうゆだけで
食べる鴨鍋をするが、これが最もうまい、鴨とねぎの
食べ方ではなかろうか。

お姐さんに聞いてみると、下仁田ねぎのような、
特別なものではなく、やはり吟味はしているが、
普通の千住ねぎ、とのこと。
太めのところを選んでいるのであろうか。
素晴らしい。

まったく、かもねぎとはよくいったもの。

まさに堪えられないうまさ、で、ある。

きも。

レバーと団子。

レバーはちょっと苦味がある。

今度は、もも。

椎茸と、団子。


これの椎茸がまた、実にうまい、のである。

生の椎茸であるが、ものもよいのだろうし、
焼き方もまた然りであろう。

椎茸というものが、鴨の脂とこんなにも相性が
よいというのは、驚きであろう。

最後は、

春菊と肉と、最初から鍋にあって脂を出しきって、
カリカリになった、脂身。

以前はここでご飯だった。
白いご飯。

カリカリになった脂身に残ったおろしも一緒に
白いご飯にかけて食べる。
これがまた、うまかった。

これが今回きたら、ちょっと趣向が加わった。

白飯以外に、そぼろご飯と鴨のチャーハンも選べるようになった、
のである。

これは悩ましい。
白飯だけでも十分であったのに、、、。

どちらもおそらく、ま・ち・が・い・なく、
うまいであろうと想像ができる。

私の結論。

そぼろを選んだ。

残ったおろしものせる。

赤だしは、なめこと豆腐。

やっぱり、ご飯、ばかうま。

コースのしめくくりがなん倍にもパワーアップしたように
思われる。

しかし、そぼろにしても、チャーハンにしても
よく考えたものである。
どちらも鴨でなければ、別段珍しいもの
ではないが、鴨(+鴨の脂)で作ってあるということ。

そして、あひがも一品というのをポリシーにしている
老舗のこと。こういう新たなものをコースに付け加える
というのは、大きな決断だったのかもしれぬ。

次は、チャーハンを食べねば。
(その前に自分でやってみてもよいか。)

デザート、ごまプリン。

黒いのは、黒豆のよう。

うまかった、大満足。

まさに、これが江戸前の鴨鍋、で、ある。

しょうゆとおろしだけで食べる合鴨焼き。
正しく、堪能、で、ある。

席で、お勘定。

お姐さんがお車をお呼びしますか、と、聞いてくれた。

着物なんぞを着てきたせいであろうか。
まあ、もちろんそれほどの者でも私はないが、タクシーは
拾って帰るつもりであった。
呼んでもらう。

12月ということで、来年のカレンダーを配っていた。

一枚もので、なんと江戸切絵図。
切絵図の下に一年のカレンダーがついているもの

切絵図は今回も両国広小路を切り抜いて使っているが、
あれも同じもの。

一枚ものなので、一か所のみ。
今年は、駒込。桜のソメイヨシノ発祥の染井もあるところ。

切絵図は江戸全部で30枚弱ある。

つまり30年毎年12月にくれば、全部揃うということになる。
(帰ってきた開いてみると、この店で版を持っているよう。
これは驚き。)

なんだか、私のためのカレンダーのよう。

来年の師走にもこなければいけない。



 

鳥安

中央区東日本橋2-11-7
03-3862-4008

 

 



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