断腸亭料理日記2016

平目刺し・煮いか・煮穴子

2月9日(火)夜

火曜日。

五反田のオフィスからの帰り道、なにを食べようか。
特にこれ、というものが思い浮かばない。

それで、まあなにかないかと[吉池]をのぞいてみることにした。

7時すぎ。

例によって、対面コーナーは店仕舞いの支度を始めており
残っているのは、パック詰めされたもの。

ん!。
これは。

神奈川産、天然ものの平目が、半額。
半額といっても、もとが1,500円なので安くはないが、
ちょっとめっけものではないか。

半身の半分で縁側もついている。

なかなか天然ものの平目などこの値段では[吉池]には並ばない。

それから、、、。

生のやりいか。

二杯で400円。これは青森産。
鮨やでいう、煮いか。
茹でて甘いたれをかけて食べようか。

お。

開いた穴子もあった。

安いものだと、韓国産が多いがちゃんと国産。愛知のもの。

細いものだが三本ほど入って、500円。
ちょっと安かろう。
これは煮穴子。
2パック買っちゃおう。

なんだか江戸前の鮨やのよう。

錦糸町行きのバスで帰宅。

穴子。


平目。


やりいか。


平目は切るだけ。

やりいかも茹でるだけ。

穴子、で、ある。

まずは洗う。

ぬめりを取るためにボールに入れて塩をふって
よくもんで洗う。

水ですすぐ。

煮穴子は鮨やであれば、ほろほろなものである。
あれを目指すのだが、普通の鍋で煮るとすると、あそこまで
柔らかくするには、とても時間がかかる。

そこで、圧力鍋。

穴子を鍋に入れ、酒、しょうゆ、砂糖、水。

煮汁は後で煮詰めてたれに加えるのでヒタヒタ程度。

この煮汁はしょうゆはかなり控えめに。
煮穴子というのは柔らかく煮ると当然味が染みる。
それで、しょうゆは薄く色が付くくらい。

ふたをして、点火。
圧が上がって、弱火にし、10分。

ここから放置、30分。

やりいかは内儀(かみ)さんがいたので、委託。

下足とワタを抜いて、皮もエンペラもそのまま。
茹でる。

火が通ったら、冷水で洗ってざるにあげておく。

平目を切る。

包丁は柳刃。

最初に縁側をはずす。

あとは包丁を寝かして薄く、切る、、、。

が、私、平目を切るのは初めてかもしれない。
平目というのは身に粘りがあって、包丁を入れると、
前にも後にも刃が動かない。
なんとか切るが、厚くなってしまった。

プロは平目もかなり薄く造ることもあるが、
どうしているのであろうか。

私の柳刃も別段切れないわけではないのだが、、。

ちょっと厚いが、切れた。


やりいか。
穴子の煮汁を煮詰めて瓶に入れてストックしてある、鮨やでいうツメ。
固まっているのでレンジで温めて、かける。


これでまず、ビールを開けて、食べる。

まずは平目。

これは、さすがにうまい。
鮮度もよいのかもしれぬ。

外で食べても、厚めに切ってあることもあり、
むしろその方が身の味がよくわかってよいかもしれぬ。

穴子。
圧力鍋のふたを開けてみると、かなり柔らかくなっている。
鮨やの、ほろほろにだいぶ近い。

煮汁とともに慎重にざるにあけるが、、ちょっとくずれた。
プロは竹のざるに入れたまま煮たりしているが、
ここまで柔らかく煮るのであれば、あれを真似しなければ
ならないか。

ともあれ、皿にのせたれをかける。


細いのでちょっとさびしい感じではあるが、
味はそれらしくなった。

家庭で江戸前鮨やのつまみができた。

大満足、で、ある。




 



 

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