断腸亭料理日記2016

子持ちいいだこ桜煮 その1

2月26日(金)夜〜

金曜日。

今日は大宮から帰宅。

上野で降りる。

6時前でまだ早い。
[吉池]をのぞいてみるか。

通りがかり、アメ横のいつもの魚やを
のぞいてみるが目ぼしいものはない。

[吉池]にくると、対面販売のコーナーに
子持ちのいいだこがある。

いいだこというのは、飯蛸(いいだこ)である。

雌は今頃腹に卵を持つがこの卵が、
ご飯のような食感になるので、この名前になっている。

以前からいいだこは桜煮にしているが、
子持ちは魅力的である。

しかし、一杯700円、、、、かなりの高価。

他も見てまわる。

初物のボイルほたるいか。
1パック、300円ほど。これはよかろう。

それから、めかぶ、200円。

う〜ん。
こんなチャンスはなかなかない。
やっぱり、いいだこを買おう。

2杯。

都バスで停留所三つ。

帰宅。

いいだこの桜煮というのは、実のところ
とっても手間がかかる。
面倒なのでこれは明日にしよう。
今夜は、冷蔵庫にある豚ロースを生姜焼きにする。
最近、生姜焼きはおろした生姜におろしたにんにくも
入れているのだが、これがうまい。

翌、土曜日。

第一食、桜煮にかかるが、一度過去のこの日記のページ
を見てレシピを確認。

桜煮は茶ぶりといって、番茶で霜降りをするが、
番茶が切れていた。
それから、みりん。
買いに出る。

作る。

最初に出汁用に鍋に水を張り、昆布を入れ軽く加熱。
温まったら火をとめて置いておく。


袋から出すとこんな感じ。


子持ちなので大きい。

まずはぬめりを取るために塩もみ。


水を換えて、もう一回。

完全には採れないが、まあよいか。

さあ、これからどうするか。

目玉とくちばしを取る。

これからはらわたやスミを取るのだが、
頭、というのか、胴体をひっくり返して
卵も含めて、一度外へ出し、卵だけまた元の通りに
胴体に戻すのである。

くるっと、ひっくり返す。


ひっくり返すのはさほど難しくはないが、墨の袋を傷つけて
墨をまき散らしてしまうと、たいへんである。
墨のにおいが足や胴体につくし、スミの色が取れない。
特に足の吸盤に入り込んだのは水洗いくらいでは
取れないのである。

いいだこのことを解剖学的に知っているわけではない。
大きな卵の部分と黒っぽい袋がいくつか。
これがスミか。薄いベージュのような部分。
これがはらわたか。

包丁ではなく、外科手術のように引っ張って、
料理用のはさみで切る。
これはよいかもしれぬ。
スミの袋も傷付けずに全部取れた。

卵も傷付けてはいけない。
膜が破れて、卵を撒き散らしてしまっては
やはり台無し。

OK。

またまたくるっとひっくり返して、
卵を腹に戻す。

大成功。


もう一杯。
これも無事に終了。

次に茶ぶり用に薬缶に湯をわかす。

温まってきてら、番茶の葉を入れて沸騰させる。

ざるにたこを入れ、沸騰した番茶をかける。


冷水に入れ、一、二回水を換え、20分冷やす。

その間に、煮汁の用意。

昆布を出して、一度沸騰させて、
鰹削り節を入れ、弱火で3分。
火をとめて、濾す。

一番だし。



つづく





 

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