断腸亭料理日記2016

ラムタンのアヒージョ

1月16日(土)夜

さて。

アヒージョである。

「ajillo」。

スペイン料理。

オリーブオイルににんにくを入れ、
海老、きのこなどを揚げ煮にしたもの。

私はスペインには行ったことがないが、
バルのタパスとして大定番(らしい)。

昨年であろうか。
妙に凝って、よく作っていた。

熱いものなので、なんとなく、私は、冬の料理にしていた。

そういえば、今シーズンはまだ作っていなかったと
思い付き、簡単にできるので今週、ウイークデーに
材料を買ってきたのだが、内儀(かみ)さんが買ってきたものがあり
作らずじまいであった。

材料というのは、ラムのタン。

ラムのタンなどなんだか珍しげ、で、
私自身も食べるのは初めてではなかろうか。
ただ、買ったのはいつものハナマサ。
1パック300円程度で、むしろ安いものであった。

これに、ぶなしめじ。

アヒージョというのは、海老が定番だが、
入るものは実はなんでもよいそうで、ちょっとクセの
ありそうな、ラムのタンを入れてみることに
したのである。

そして、アヒージョにはどうしても欠かせない、
バケットも買っておいた。

ラムのタンもぶなしめじも一気に使ってしまおう。

いつもの土鍋では入りきらないので、フライパン。

にんにくみじん切り。

フライパンにオリーブオイル。
いつもは具材を入れてヒタヒタになるように
入れていたが、オイルが余りがちなので、ちょっと少なめにし、
ラムタンを先に入れ、加熱する。

しめじの方が火が通るのが早いと思い、時間差をつけた。

タンというのは牛は焼肉で定番であるが、薄切りで軽く炙るくらいで
食べるのがうまいが、ラムはどうなのか。
5mm程度の厚みに切ってあったのだが、どのくらい火を通せば
よいのであろうか。
ただやはり、堅くなるのであまり加熱しすぎないのがよろしかろう。

味付けは、いつもは塩ではなく、東南アジアの魚醤、ニョクマムを
入れていたりしている。

アンチョビなどを入れたりもするので、魚介系の旨みも出て、
うちの冷蔵庫にいつもあって手軽なので使っていた。

今日は肉系なので、塩のみでよいか。
精製塩、ではなく、能登の塩。
(私には違いがわからないが。)

テキトウにやめて、気は心、土鍋に移し、
土鍋も温めて、終了。

バケットを切る。

さて。


ビールを抜いて、食べる。

いや、ほんと、うまいわ、これ。

ラムのタンというのは、ラムのタンの味。
と、いうのもいささか木で鼻をくくったような言い方だが、
ラムらしい匂いがする、タン。
(そのままである。)

だがまあ、アヒージョというのは、ほんとうに
なにを入れても、うまい。

特に、オリーブオイルをバケットにつけて食べれば
とまらない。
気を付けなければ、バケット一本ぐらい簡単に食べてしまう。

なぜこんなにも、うまいのであろうか。

結局、にんにく風味のオリーブオイルがうまい、
ということになるのか。

いや、それもそうだと思うが、具から味も出るので
その味もそれなりに影響をしてはいる。

と、いうことは、オリーブオイル+にんにくがどんなものにも合う、
ということになるのかもしれぬ。

アヒージョは近年日本の家庭で大人気のメニューになっている
ということである。
日本人に馴染みやすい?。
舌に合う?。

本来はそうではなかろう。
もともとオリーブオイルなど日本になかったし、出回っても
いなかった。(村山首相であったか、サミットでイタリアへ行き
オリーブオイルにあたってお腹を壊した、ということがあったような
記憶があるが。)

日本にイタリアンが入ってきて流行り、オリーブオイルは少しずつ
スーパーにも置かれるようになり、今はどの家庭にもある。
馴染んだ、のであろう。
特にパスタでも定番のオリーブオイル+にんにく味に。

家庭での大人気メニューの理由の一つは、
簡単である、というのは、間違いなかろう。
特にコツもいらない。
誰が作っても、うまい。
料理ともいえぬほど、かもしれぬ。

そうである。
この簡単さで思い付いたが、具となる素材そのもの(の味)を生かす料理
といえると思うが、これが日本人に合ったということ?。

例えば、フランス人であればあまりにも単純なもので
物足りないと思ってしまう?。
日本人は、魚でも野菜でも味付けのないものに、
しょうゆをかけただけで食べてしまうが、その性向に合っていた?。
違うか、わからん。

アヒージョを食べたことのない方はおられようか。

食べたことがある方、なぜアヒージョはうまいのか、
なぜ日本人に人気なのか、おわかりになろうか。




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