断腸亭料理日記2016

鯵十五匹 その2

3月6日(日)第二食

アメ横で買ってきた、鯵十五匹。
昨日は三枚おろしまで。

三枚におろしたら、最後に皮を引く。


鯵、鯖、鰯など青魚は手でむける。

頭側からきっかけを見つけ、はがし、
一気に尻尾まで引っ張る。

これも鮮度によるかもしれぬ。
鮮度が落ちて、身が柔らかいと引っ張っている間に
身がくずれて、皮がはがれなくなってしまう。

特に身の外側が取れやすい。
今回も一部皮にくっついたままに、、なってしまった。

私の場合これはよくあること、である。

皮に残った身は、包丁でこそげ取る。

 

ここまでやって、きれいに水洗いし、ペーパータオルの
上にのせておく。

今日のものは比較的鮮度はよさそうだが、
さばいている間に、はらわたが身に触れることがある。

青魚は生ぐさいわけであるが、なにが生ぐさいのかと
いうと、脂というのもあるが、はらわたというのも大きな要素。

はらわたには魚の食べたものが入っており、
つまり、消化途中の小魚である。
これらから、先ににおいが出てくる。
できるだけ、はらわたは身に触らないようにきれいに取る。
さばき終わったら、流水できれいに流しておく。
これだけで、においは随分と違う。

続けて、二匹、三枚におろす。

さて。

昨日書いた、やり方が二つある、と書いたもの。

腹を裂いた後、二枚おろしまでの工程。


↑昨日は、頭から刃を入れて身の背鰭側だけ先に開く、
というのを書いた。

この後の二匹は、実はもう一つの方法でおろしている。

今書いた方法は、どちらかといえば、大きな魚。

鯵程度のものであれば、もう一つの方法で十分である。

どうするかといえば、尾鰭から中骨の上に刃を入れ包丁を寝かせたまま、
中骨に沿って一気に頭まで開いてしまうというもの。

ではなぜ、最初のような方法があるのか。

結局、腹骨の処理の仕方になる。

尻尾から一気に切ってしまう方法だと
腹骨が身に残り、後で取るということになる。

大きな魚の場合これが難しい。

それで最初に背鰭側を外しておき
尾鰭から腹側を外し、腹骨付近はそのまま続けて、
中骨から腹骨を外す。
写真でもないと分かりずらいか。

けっこうこれ、むずかしい。
私自身もあまりうまいとはいえないが、
30〜40cm以上の大きい魚で刺身にしたい、など、
腹側をきれいにさばきたいものはこの方法を使うことになる。

尻尾から、バサッと一気に切ってしまうのはよほど簡単である。

ともあれ。

3匹、皮を引いて、洗って、水気を切るところまで完了。


さて。

これをどうするか。

ものはそこそこ、いけそう、なので、
素直に、刺身であろう。

しょうがをおろして。

切り方、で、ある。

まあ、斜めに少し長めに切るのがノーマルなのであろうが、
随分以前に、虎の門の老舗の居酒屋で出合った刺身用の鯵の切り方が
とってもよくて、たたき、でもなく、鯵で刺身といえば
これにしている。

どうするかといえば、真ん中を半分に、縦に長く切る。
これは刺身包丁。

 

鯵でも大きなものではできないが、このくらいであれば、
一番、味を愉しめると思うのである。

ビールを抜いて、食べる。

うん。これはやはり、当たり、である。

おろしている時に大方わかっていたが、
べら棒に鮮度がよい、とまではいかないが、
アメ横の格安魚やとしては、十分によい方であろう。

鯵らしいうまみにも満ちている。

内儀(かみ)さんにも食わせたが、
まあ、よいようである。

いや、光物というのはおろした本人は、
わかっているので、多少の生ぐささは、
許容してしまうのであるが、第三者はそうはいかない。
おそらく私自身もそうだと思うが、同じものでも
人がさばいたものであれば、とても食えねえ、
というであろう。

全部食べて。

さあ、あと12匹。

どうしようか。




 

断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月 |

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月 |

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 | 2009 12月 |

2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 | 2010 7月 |

2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2011 12月 | 2011 1月 | 2011 2月 |

2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月 | 2011 7月 | 2011 8月 | 2011 9月 |

2011 10月 | 2011 11月 | 2011 12月 | 2012 1月 | 2012 2月 | 2012 3月 | 2012 4月 |

2012 5月 | 2012 6月 | 2012 7月 | 2012 8月 | 2012 9月 | 2012 10月 | 2012 11月 |

2012 12月 | 2013 1月 | 2013 2月 | 2013 3月 | 2013 4月 | 2013 5月 | 2013 6月 |

2013 7月 | 2013 8月 | 2013 9月 | 2013 10月 | 2013 11月 | 2013 12月 | 2014 1月

2014 2月 | 2014 3月| 2014 4月| 2014 5月| 2014 6月| 2014 7月 | 2014 8月 | 2014 9月 |

2014 10月 | 2014 11月 | 2014 12月 | 2015 1月 |2015 2月 | 2015 3月 | 2015 4月 |

2015 5月 | 2015 6月 | 2015 7月 | 2015 8月 | 2015 9月 | 2015 10月 | 2015 11月 |

2015 12月 | 2016 1月 | 2016 2月 | 2016 3月 |




BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2016