断腸亭料理日記2016

玉子を落とした赤だし味噌汁

10月30日(土)深夜

呑みすぎ、で、ある。

金曜から熱海で合宿セミナー+懇親会。
今日は大学の同窓会。

もう眠くて一次会で失礼してしまった。

帰ってきてすぐにひっくり返って寝て、
夜中、へんな時刻に起きる。

冷たいお茶をガブガブ。

頭が痛い。

お約束、で、ある。

なにか温かい汁物を腹に入れよう。

なにがよかろう。

腹は一杯なので味噌汁ぐらいか。

そうである!。

久しぶりに玉子を落とした味噌汁。
二日酔いの腹にはこれがよい。

それも赤だし。

赤だしも二日酔いによい。

また、玉子と赤味噌も相性がよい。

赤だし味噌汁。
苦いといって意外にきらいな人もいるが、
うまいもんである。

さて、赤味噌のこと。

赤い色の味噌を赤味噌と思っている人もいるかもしれぬが、
私はそういう使い方をしていない。

日本の味噌というのは基本、米味噌というのが多数を占めている
といってよい。

“米”味噌といっているのは、米麹と大豆で
発酵させるものである。
(ちなみに、麦の麹で醗酵させたものもあって、
これを麦味噌という。九州など西日本で主に作られており
ちょっと甘めのものが多い。)

長野県の信州味噌あるいは、宮城県の仙台味噌
などが東京ではよく出回っている味噌だがこれらもすべて
米麹で醗酵させた、米味噌。

仙台味噌など、赤味が強い味噌を赤味噌という人、あるいは
地方もあるのか。

まあ、これらはあえていえば米味噌の赤味噌という言い方が
できるかもしれぬが、まぎらわしいので私は使わない。

また通常白味噌といっている京都などの甘い西京味噌、
これも米味噌。

では赤味噌とはなにか。
米味噌に対して、豆味噌という名前になる。

豆味噌は米麹を使わない。
つまり豆だけを自然発酵させたもの。
これが赤味噌。

赤味噌の生まれは三州(さんしゅう)岡崎。

三河岡崎といえば徳川家康の生誕の地として
有名であるが、赤味噌の故郷でもある。

愛知県の岡崎市八帖町(はっちょうちょう)。
ここに老舗の赤味噌の蔵が今でも二軒ある。

それで赤味噌のことを八丁味噌ともいう。
豆味噌の赤味噌は岡崎以外でも愛知県などを中心に
作られており、まあ、八丁味噌と名乗れるのは
正確にはこの八帖町の蔵だけということになろう。

八丁味噌というのは通常の米味噌とくらべて
アミノ酸の量が少ないという。
つまり旨みが少ない。

赤味噌の味噌汁を赤だしというわけであるが、
そういうわけで旨みを加えるために、米味噌を
合わせて使うことが少なくない。
(合わせ味噌は豆味噌に米味噌を合わせるのを
いうのが本当であろう。)

今日は赤味噌のみでいこう。
従って、出汁は濃厚に取らねばならない。

鍋に湯を沸かし、煮立ったところで
鰹削り節をたっぷり投入。

弱火で3分ほど。

火をとめて静置。

濾す。

このくらいの色が出ていればよいであろう。

赤味噌を溶く。

米味噌に比べて溶けにくいので丹念に。

味を見ながら、、、。OK。


味噌は溶いてしまって、後からになるが、
ねぎぐらいは入れようか。


味噌を入れたら沸騰させてはいけないという。
香りや旨みなどを減らしてしまう。
まあ、今日は赤味噌なので、、よいか。

火が通ったら玉子を落とす。

ちょっと固まった方がよいだろう。
もう少し加熱し、出来上がり。

半熟よりももっと前。
まわりの白身が固まる程度。

うまいもんである。

腹に染みわたる。

赤だし味噌汁の生玉子落とし。

二日酔いには、よい。




 



断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月 |

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月 |

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 | 2009 12月 |

2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 | 2010 7月 |

2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2011 12月 | 2011 1月 | 2011 2月 |

2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月 | 2011 7月 | 2011 8月 | 2011 9月 |

2011 10月 | 2011 11月 | 2011 12月 | 2012 1月 | 2012 2月 | 2012 3月 | 2012 4月 |

2012 5月 | 2012 6月 | 2012 7月 | 2012 8月 | 2012 9月 | 2012 10月 | 2012 11月 |

2012 12月 | 2013 1月 | 2013 2月 | 2013 3月 | 2013 4月 | 2013 5月 | 2013 6月 |

2013 7月 | 2013 8月 | 2013 9月 | 2013 10月 | 2013 11月 | 2013 12月 | 2014 1月

2014 2月 | 2014 3月| 2014 4月| 2014 5月| 2014 6月| 2014 7月 | 2014 8月 | 2014 9月 |

2014 10月 | 2014 11月 | 2014 12月 | 2015 1月 |2015 2月 | 2015 3月 | 2015 4月 |

2015 5月 | 2015 6月 | 2015 7月 | 2015 8月 | 2015 9月 | 2015 10月 | 2015 11月 |

2015 12月 | 2016 1月 | 2016 2月 | 2016 3月 | 2016 4月 | 2016 5月 | 2016 6月 |

2016 7月 | 2016 8月 | 2016 9月 | 2016 10月 |


BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2016