断腸亭料理日記2017

リエット

4月1日(土)〜

さて、土曜日。

リエットを作ろうと思い立った。

リエットを自作し始めたのは、いつからであろうか。

リエット自体は、以前からフレンチレストランでよく食べていた
のだが、数年前にパリに遊びにいって、無造作にフランスパンに
リエットをはさんだサンドイッチを食べてからである。

東京の安いフレンチレストランでも前菜として
生野菜などと一緒に、一皿の料理として出され、
ちょっとかしこまった感じではある。

パリのカフェでは、バケットを切ってはさんだだけという、
カジュアルな出され方であった。

むろん、うまかった。

こんな食べ方なら、というので、
帰ってきてからレシピを調べて、作ってみた。

手間は多少かかるが、特に難しくはない。
以来、定期的に作っている。

リエットという名前を憶えていなくとも、一度も食べたことがない、
という人はおそらく少ないのではなかろうか。

ほぼコンビーフのようなもの、で、ある。
肉を煮崩して、再び冷し、脂で固めたもの。
東京のフレンチレストランなどでは、鴨などもよく出てくる。
鴨以外でも肉ならばなんでももいいようだが、
豚肉が最もオーソドックス。

ざっくりいうと、そんなもの。

ではコンビーフとリエットとどう違うのか、というと
これがよくわからない。見た目、リエットとコンビーフは
ほぼ同じものだと思うのだが。
リエットはrillettesでフランス語。
コンビーフはcorned beef、でむろん英語。corned はcorn塩漬けにするという
動詞の過去分詞でよいのか。
なるほど。今、コンビーフはさほど塩は強くないと思うのだが、
以前はもっと塩が強くて、コンビーフは牛肉の塩漬けのことであった
のかもしれぬ。
また、イギリスとフランス、料理としての発生が違うのかもしれぬ。

ともあれ。

私が作る場合も豚肉。
ロースの塊。

その他にベーコン角切り、玉ねぎ、白ワイン。

ハナマサで調達。

豚肉は一口、玉ねぎはざく切り。

豚肉から焼く。

脂を出す。

玉ねぎも。

しんなりするまで。



ベーコンも投入。

ありゃ、あふれそう、これでは炒められない。

ベーコンだけ取り出し、別に炒める。

煮込み用の圧力鍋へ。

白ワインとをドボドボと注ぎ、ローリエも入れ加熱。

ある程度アルコールを飛ばし、水をヒタヒタまで入れ、
ふたをして、加圧。圧が上がって弱火。5分で消火。
30分放置。

だいぶ柔らかくなっているが、もう少しか。
水気も多いので、煮詰める意図もあり、ふたをせずに煮込む。
20分ほど。

あまり水分が減っていないが、柔らかさはよいであろう。
あたり鉢に移して、つぶす。

つぶしてスープもすべて込みで容器に移す。

スープは除こうかとも思ったが、旨みが出ていそうなので
そのままにしてみた。

ベランダに出して冷やしておく。

と、これで、土曜日の夜は出したままで忘れてしまった。

翌朝、思い出した。脂は固まっている。

表面は脂で固まっているが、フォークを入れてみると、
やはり中はちょっと柔らか。
ナイフを入れて切れるような状態ではない。
だが別段、食べるには問題はなかろう。

バケットを買ってきて、トースト。

ケッパーとマスタードを添えて。

トーストしたバケットに塗って食べる。

味付けというのは、まったくしていない。
ベーコンに入っている塩分くらいであろう。

粒の黒胡椒を入れてもよかったかもしれぬ。

フレンチレストランのように四角く切って
皿にのせて、という、みてくれにはならないが、
自分で食べるぶんにはゆるくてもなんら問題はない。

味は上々。

本来は白ワインであろうが、ビールでもうまい。
しばらく、愉しめそう、で、ある。

 

 

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