断腸亭料理日記2017

五反田・讃岐うどん・おにやんま

8月1日(火)朝

火曜日、朝。

出勤途中。

久しぶりに[おにやんま]に寄ることにする。

[おにやんま]とはこの文章をご愛読のいただいている皆様には
既にご存知かと思うが五反田駅前の路麺、立ち喰い讃岐うどんの店。

2年前に五反田にオフィスが引越してきてこの店を見つけ
それ以来ちょくちょく寄っている。

独立系の安い立ち喰い、路麺で、讃岐うどんというのは
東京ではここだけであろう。
(中目黒にこの店の支店ができているよう。)

また、東京の讃岐うどん店ランキングでは必ず登場する、
もはや定番の有名店。

麺は讃岐うどんらしいエッジの立ったシコシコ。

私自身、別段讃岐うどんマニアではないので、
讃岐うどん界での絶対あるいは相対評価はできないが、
讃岐うどんとして、充分にうまいと思っている。

温かいかけもあるが、冷のぶっかけもあるので、
夏冬OK。

冷はぶっかけと、おろし。

冷がこの2種類の区分というのが讃岐うどんでは
定番なのか。

ぶっかけは冷たいつゆをかけたもの。

おろしの方は、つゆなしでしょうゆをかけて食べる
というもの。
これに、鶏天などの具材がのる。

だが、おろしでぶっかけ、というのが食べたいのだが、
なぜかそれは存在しない。
(と思われるのだが。)

トッピングでおろし、があれば、ぶっかけを頼んで
作れるのだが、トッピングもないのである。

どうも東京人の感覚では、つゆは必要で
そこにおろしを入れたくなる。

讃岐ではしょうゆだけかけて食べるのは一般的のようだが、
どうもそれは気が引けるのである。

さて、そんなわけで、ぶっかけで、ここ定番の鶏天のチケットを
券売機で買って店に入る。

8時ちょいすぎ、まだ列にはなっていない。

中のお客は出勤前の比較的若いサラリーマンがほとんどで
4〜5人。

コの字に囲む厨房の中は、坊主頭のお兄ちゃん一人。
孤軍奮闘。

段々にお客が増えてきて、たいへんそうである。

麺を茹でる、天ぷらを揚げる、丼にうどんを作る。
てん手古舞。

ちょっと待って、きた。

鶏天のぶっかけ。

アップ。

いつもの揚げたて、熱々の鶏天。

つゆは冷たいというよりは、ぬるいくらい。
このつゆはぶっかけ用のもので温かいかけのものよりも
濃くはしているのであろう。
うどんの方は、しこしこで文句ない。

隣で、20代後半ぐらいであろうか、ガタイのいい
元気そうなサラリーマンのお兄ちゃんがガツガツと
うどんをかっ込んでいる。

おろしの大盛、鶏天のようで、そこに、さらにしこたま天かすを
ぶっこみしょうゆをぶっかけていた。

なるほど。

ここはこういうお兄ちゃんにはうってつけ、なのである。

ラーメン次郎ではないが、五反田には[二月堂]
という特大大盛が看板のそばやもあるが、そんな感覚。

若いお兄ちゃんが、腰にこだわった讃岐うどんに
どれだけ意味を見出しているのか、わからぬが、
麺類なんというもの、やっぱりこういう食べ方が
本来の姿なのではなかろうか、と、思えてくる。

早く、安く、腹一杯になる。

立ち喰い、路麺なのであるから、当然であろう。

その上で、うまければ、なおよし。

若い人だって、ラーメンだけでなく、うどんでもそばでも、
あり、なのである。

そう。

若い人にも支持される。
もっともっと、身近にこういうちゃんとしてはいるが、
安くて、ガツンとくる、立ち喰い讃岐うどん店が
数多くあってもよいはずである。

甘いだ辛いだ、腰がどうしたと、ぐずぐず言っている方が
ここでは本当は場違い。

おもしろいではないか。

支店もできたというのは、儲かってもいるのであろう。
もっともっと、繁盛、支店を増やしていけるのでは
なかろうか。

 

 

おにやんま
品川区西五反田1-6-3


 

  

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