断腸亭料理日記2017

鳥越祭2017 その5

引き続き、鳥越祭の本社神輿渡御。

鳥越祭の歴史をみている。

『鳥越神社氏子十八ヶ町睦会七十年の歩み』
(鳥越神社氏子十八ヶ町睦会・1982)が出所。

大正4年に、大正天皇の即位式があったという。
この時、奉祝のために隣の下谷神社と上野の五条天神と
共同で氏子各町が池之端一周、連合渡御をした、という。
これをきっかけに、現在の土曜日に行われている、
連合渡御が、隔年影祭の年に行われるようになったという。

この頃、既に町神輿は各町にあったということである。
安いものではない。なかなかの心意気である。

現在、鳥越は影祭と本祭という違いはない。
毎年、本社神輿の渡御がある。
隔年の影祭というのは、本社神輿の渡御がない年のこと。
(いつ鳥越から影祭なくなったかというのは、
今調べ切れていないが。)
本祭、影祭は、都内の祭では今は神田祭、
深川祭などで残っている。

また、この頃は、通常5日間、
本社神輿の渡御をしていたともいう。

そして、大正12年、関東大震災。

これによって、江戸からの本社神輿は消失。
現在の3tある千貫神輿の宮神輿はこの後、昭和3年に
阿部川町の神輿師の手によって、新調されたという。
前にも書いたが、この界隈には、錺ものを始め木工関係
様々な職人、材木商の旦那などもおり、
お手の物であったようである。

社殿も大震災で焼失した、のかと思えば、
偶然であろうが、改築のために取り壊していた
ところであったという。
新築用の材木は買ってあり、これは無事。
氏子の被災が落ち着くと、昭和10年に竣工。

戦争中は祭はむろん中止。

昭和19年の東京大空襲で社殿は消失。
ただ、神輿蔵と神楽殿は焼け残ったという。

戦後最初の復活渡御は昭和23年6月10日。

このあたりまで。
(いずれ、原典にあたってみたい。)

さて。


7時に宮出。

わが七軒町は11:00から。
北隣の永住町からくる。
(ちなみに、永住も濁らずナガスミ。)

三社祭などは、往々にして時刻通りには
ならず、遅れることが多いが、鳥越は
ほぼピッタリに進行する。

20分前に、例によって支度をして、出る。
実際に担ぐのであれば、1時間前に集合
なのであるが、私は見るだけ。

受け渡し場所。

紺の半纏は神社の名前入り、神社側の方か。
赤い筋の入った半纏は鳶頭。
(総代と呼ばれているようだったが、どんな方なのか。)
千貫神輿を置く、大きなウマが置かれている。

白鴎高校前。

列の先頭が早くも到着。
後ろに神輿も見える。

いつもながら、永住の濃紺の半纏は渋い。


角を曲がって、


永住から受け渡し場所、到着。

受け渡しの神事。


神輿の下に砂。
お神酒も見える。

七軒町の代表が台(ウマ)に乗って、担ぎ手を招き入れる。


手締め。


上がった。


3tがあがるのは、毎度ながら、壮観。
見ているだけでも、力が入る。

七軒町神酒所前。


サス!。
3tをきれいにサスのは難しい、のである。


お分かりになろうか、右側。
今はだいぶ少なくなったが、鳥越の町々は細い通りが多く
電線も垂れ下がっているところが多く、こうして、
若い衆が、竹の棒で大きな神輿が引っかからないように、
上げているのである。

広い、春日通りに出る。


ギャラリー、担ぎ手、含めて広がる。
これがなんとも気持ちがよい。
年に一度、車よりも、バスよりも、神輿優先。
この大通りも住人達に取り戻せた。
ちょいと大袈裟だが、そんな気分になることができる。

清洲橋通りの手前の狭い通りに曲がる。

終わり。


お疲れ様でした。

2017年、七軒町鳥越祭本社神輿渡御、無事終了。

また来年。

こうして、伝統はつづく。



 

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