断腸亭料理日記2017

煮穴子

連休ラーメンと、歌舞伎座團菊祭で通常バージョンは
しばらくご無沙汰。今日からいつもの断腸亭料理日記。
あいかわりませず、ご贔屓を。

5月7日(日)夜

連休最終日。

吉池で魚をみる。
毎日ラーメンばかり食べていたが、最終日なので
今日はちゃんと料理らしいものを作ろう。

それで、穴子を煮ようと思い立つ。

煮穴子、で、ある。
皆さんご存知の鮨やの穴子。

吉池にはほぼ年中、穴子はある。

むろん開いてあるもの。

細いものと大きなものと二種類。

大きなものは、一本500円くらい。
安くはない。

天ぷらは細い方がよいが煮穴子であれば大きなものが
よろしい。

産地は長崎、対馬。
ほぼ吉池のものはここではなかろうか。

最近、対馬産のものは脂ののりもよく、
黄金穴子などといってブランド化もされているようである。

穴子というのは以前は、日本全国でよく獲れていた
のであろう。むろん江戸前も伝統のものである。
今でも、羽田沖であったり、横浜金沢の小柴あたりでは
多少は獲れているのであろうが、こうして魚やでみることは
ほぼない。
全国的にも、三陸、三河湾、関西では明石、瀬戸内。
特に、広島宮島あたりは名物である。
ただ、これらの昔からの産地も今は全国に流通させられるほど
獲れていないようなのである。
汚染?、あるいは撮りすぎ、であろうか。

対馬というのは、実際には韓国産のものと漁場はほぼ同じ。
済州島などは韓国でも有名な産地ともいう。
あちらの方はあまり穴子は食べないのか。
日本で高く売れるから輸出するのか。
わからぬが、そのうち、対馬、韓国などのものも
獲りつくし、食べつくしてしまわないであろうか。
心配である。

穴子というのは、養殖はできないのであろうか。

うなぎ、まぐろの二の舞を演じてはいないか。
消費者、小売り、料理人、流通、漁業者、行政ひっくるめて、
そろそろ本気で持続可能な魚食のこと、考えねばならなかろう。

ともあれ、二本購入。
帰宅。

広げるとこんな感じ。


縦に半身に切って、さらに半分。

ぬめりがあるので、塩をふってボールで揉む。

なん回か水を替えて、洗う。

あらかた取れたら、
熱湯をかけて、霜降り。

もう一度洗う。

鍋を用意。

圧力鍋、で、ある。

鮨やの穴子というのは、ご存知のようにトロトロに
柔らかい。
もちろん、回っているものではない。
自前で煮ている江戸前鮨やのもの、で、ある。

穴子というのは皮もしっかりとした魚で一時間以上煮ないと
あのくらいの柔らかさにはならない。

それでちょいとショートカットをして圧力鍋というわけである。

つゆはごく薄く。
ノーマルな煮魚のつゆでは、濃すぎてしまう。

ふたをして加熱、加圧、弱火で5分。消火。
あとは放置調理、30分。

ふたを開ける。

このくらいの時間でも圧力鍋では穴子の場合、十分柔らかくなる。

崩れぬようにヘラ二本で慎重にパッドに移す。

さて。
ここから煮汁を煮詰めて甘いたれを作る。

鍋から、煮詰めやすいフライパンに移す。

そうとうに量が多いので強火でガンガン煮立てる。

あくをすくいながら、で、ある。

ある程度量が減ってきたら、砂糖としょうゆを足す。
さすがに、たれにするにはこれでは薄すぎる。

加えて、さらに煮詰める。

このくらいになってきたら、OK。

盛り付け、できたばかりのたれをかける。

ビールを開けて食べる。

うん。

うまい、、、、が、、、、

見た目も柔らかさも、よいのだが、、、
気持ち、生ぐさい、、、か。

塩もみと、霜降り後の洗い方が足らなかったか、、
あるいは、今までなん回か使った限りでは感じなかったが
圧力鍋の問題か。

ちょっと課題、で、ある。





 

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