断腸亭料理日記2018

日本橋室町・蕎麦・利久庵

3月5日(月)夜

月曜日。

例によって栃木からの帰宅、なのだが、
今日は真っ直ぐ帰宅ではなく、以前にもあったが、
日本橋三越へ行かねばならない。

北千住でスペーシアから日比谷線に乗り換え、
さらに上野から銀座線で三越前。

三越地下で、そこそこ値が張るウイスキーを購入。

むろん自家用ではなく、
お使い物であるが、これがなかなか難しい。

そもそも今、値が張るウイスキーというもの
百貨店にはあまり売られていない。

むろんディスカウント店などにいけばあるのだが
お使い物としては、やはり百貨店の包装紙で
なければいけなかろう。

帰宅に便利な浅草松屋、上野松坂屋でも
高価なものほぼ置いていない。

それで日本橋までこなければならない。

NHK朝ドラの「マッサン」以来、ニッカの
竹鶴は大ブームになり、17年は百貨店などには
ほぼ出回らなくなっているし、サントリーでも
山崎12年なども同様。

結局、イギリスの著名スコッチ。

竹鶴や山崎は国内での人気に加えて、
海外からの評価も高く、ずっと品薄が続いているよう。

しかし、浅草や上野あたりの百貨店に国産以外も含めて
値の張るウイスキーは置いていないというのは、
どういうことであろうか。
このあたりではお使い物ニーズがあまりないのか。

ウイスキー自体の人気はむしろ上がっていると
思われるので、お使い物ニーズから、自家用ニーズに
変わっているということなのかもしれない。

7時半すぎに三越に入り、ささっと買って、、、

と、これも以前に書いている気がするが、
この時刻、閉店間際のこの時間帯に三越にくると、
その後は、そばや。

[利休庵]で納豆そば、になる。

日本橋にくると洋食の[たいめいけん]、
高島屋裏の[吉野鮨]という選択肢もあるのだが
ちょっと遅いこの時刻では、さっと入れる
そばやぐらいがちょうどよい。

日本橋でそばやというと、もう一軒、
[やぶ久]もある。
あそこだと、季節のかき揚げ天をヌキにしてもらって
呑もう、ということになり、もう少し、腰を据える
感じで、この時刻だと、満席のこともある。

もうちょいと軽く、サクッと帰ろう、
の、気分、ということである。

[利休庵]の方は、特に一階は、
女性だけのお客も多く、腰を据えて
呑んでいるお客はそう多くはない。
これも、ちょうどよい。

三越の一階に上がり、出る。

中央通りを渡って、鰹節の大和屋の角を入り、
一本通りを越えて、左側、ドトールの隣が[利休庵]。

暖簾を分け、くもり硝子の格子を開けて入る。

お姐さんに一人と指を出す。

あいたテーブルもある。

手前、壁側のテーブルに掛ける。
瓶ビール、キリンをもらい、納豆そば。

ビールがくる。

ここはそばやではそば味噌が多いが、
お通しのようなものはこない。

これも、腰を据えて呑む感じではない。
地下や二階の席は、実のところ私は
入った記憶がないが、感じが違っているのであろう。
階毎に客層を分けているのだが、
おもしろいし、成功している。

納豆そばがくる。

辛子とねぎを入れて、玉子の黄身も海苔も削り節も
すべて、よくかき混ぜて、食べ始める。

毎度書いているが、これ、
やはり名作ではなかろうか。

更科系といってよいのか、細く白めのそば。

つゆも納豆も、特別な様子は一切感じないのだが
この一体感といのか、よくかき混ぜて口に運んだ時の
まとまり方は筆舌に尽くしがたい。

まったくもって、食べ終わるのが惜しいくらい。

なにがこの納豆そばのうまさポイントなのか、
いまだにわからない。

食べ終わって、つゆが丼の底にたまっていないのも
絶妙なつゆの量ということ、なのであろう。

まったく不思議なもの、で、ある。

どうしているのかお客にまったく気付かせない
料理というのが、ほんとうにすごい料理、
といってよいのかもしれぬ。

量もちゃんとある。

腹も一杯。

ご馳走様でした。






利休庵


中央区日本橋室町1-12-16
03-3241-4006






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