断腸亭料理日記2019

かき揚げそば

2月11日(月)建国記念の日 第一食

夜、寝ながら考えた。

買った生そばのこと。

まだ二玉ある。

そうだ。かき揚げを揚げよう。温かいかき揚げそば。

干し桜海老があったはずである。
あれでよい。
玉ねぎも刻んで入れれば、十分うまいかき揚げに
なろう。 (千束の路麺[ねぎどん]である。)

翌朝起きて、作り始める。

そばつゆは、昨日の、牛肉ヌキのものがまだ一杯分ほどは
あるのでかけ用に少しゆるめておく。
また、 生そばを茹でるための湯を沸かしておく。

油を揚げ鍋に用意。
軽く余熱をしておく。

揚げたかき揚げの油を切る網と新聞紙を用意。

桜海老を出し、玉ねぎ。
玉ねぎは軽くみじん切り。

量はかき揚げ二つ分ほど。

丼に全卵。
割りほぐし、氷2かけらほどと、水。
量として、二つ分になるくらい。

ここに天ぷら粉を加える。
堅くもなく、ゆるくもない程度を目指す。

ここまで、みんな目分量である。
だが、そうは間違ってはいないと思ってはいる。

それでも粉は少しずつ足していく。

適当な粘度になってきた。

玉ねぎみじん切りと、桜海老を加える。

桜海老は存在感がほしいので、少し多いかな、という量。

さっくりと混ぜる。

油温を上げる。

170℃。

投入。

あれ?。

浮き上がってこない?。
量が少なかったか?。

全部入れてしまう。

揚げ物すべてそうであるが、投入後表面の衣が固まるまで
15秒ほどは触れてはいけない。

15秒。

ひっくり返してみる。

げ!。
厚い。

量の感覚は適切であった。
二つ分と思っていた量をすべて入れてしまったので、
分厚いものになろうとしているのである。

浮き上がってこなかった原因はなんであろうか。
衣の堅さ?。
鍋の大きさと油の量?。

衣の堅さは間違っていないと思う。
揚げ鍋を買い替えたのだが、多少小さなものになっている。
これが原因かもしれぬ。

かき揚げも今までなん度も揚げ、失敗は繰り返している。
厚い場合の問題点は、中心まで火が通りにくいということ。

この場合はどうするのか。
厚い部分に揚げ箸で貫通する穴を開けておくのである。
これはプロの技でもある。

時間を掛けねばいけない。
時折、揚げ箸を刺し、中の火の通りを確認。

よし、リカバーはうまくいったか。

あげる。

そばを茹でる。

同時進行でねぎを足したそばつゆを加熱しておく。

茹ったら、水洗い。ポットのお湯をかけて温めて、丼へ。

かき揚げは、さすがに大きいので半分に切る。

よし、中まで一応、火は通っている。

熱くしたそばつゆを加える。
昨日の牛も残っているので、それも。
半分に切ったかき揚げをのせ、薬味のねぎも。

あたふたしたが、なんとか出来上がった。

もちろん、路麺、立ち喰いそばの、かき揚げそばを
目指したわけである。

厚いということは、どうしても中がカラッと、ではなく、
フニュ、になってしまう。
まあ、それでも桜海老と玉ねぎの存在感はあるもの
にはなって、それなりには、食える。

例えば並木の[藪]でもプロの揚げたものは、厚みは
そこそこあっても中もカラッと揚がったものになっている。
これが理想形であり、プロの技であろう。

実のところ、街の路麺では、すべてがこうではない。
そういうものもあれば、今日揚げたような、フニュ、も
多く存在しており、私は、実のところ、フニュもきらいではない。

と、いうことで、20%ほどの負け惜しみはあるが、
今日のところは、満足としておこう。

 

 

 

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