断腸亭料理日記2019

食べたものいろいろ その3

もう少し、いろいろ。

引き続き、

1月11日(金)

新宿南口前で“真のナポリピッツア”を食べてから
伊勢丹にまわる。

高校生の頃から新宿を通って通学していたので
地元といってもよいくらいであったが、東京の東側に
引越してから、ほとんどこなくなっており、たまにくると
その変化には随分と驚かされる。

伊勢丹の地下、食品売り場。
私がよくきていたのは、それこそ30年も前。
そりゃ、変わっていて当然。
以前から、食品売り場は充実していたが、
今はまた、そうとうなもの。
日本橋や上野あたりの東側のデパートの地下よりも
上ではなかろうか。

魚売り場で、珍しいものを見つけた。
かわはぎの刺身。もちろん、肝つき。

金沢だったり、瀬戸内、九州でも食べるか。
東京では、料理やでもあまり見かけない。
生けのものでなければ、これはできないと、聞いたことがある。
こういう一般の魚売り場で見かけるのは初めて。
流石、伊勢丹。
1000円を超えているが、東京で食べられることを考えると、
むしろ安かろう。
迷わず買う。

それからもう一つ。
若狭小浜の小鯛笹漬け。小さな樽入りのもの。
これは日本橋などにもあるであろうが。

確か、池波先生の好物であった。
これも。

食べたのは夜。

こんな経木にのっていると、そのまま出せる。

肝もたっぷり。

普通しょうゆに溶いて、肝じょうゆにし、刺身を
つけて食べるが、これだけあれば、刺身に巻いて食べてもよい。

これがまずかろうはずがない。
まさに堪えられない、うまさ。

小鯛笹漬け。

小さなものではある。

これはわさびじょうゆ。

さっぱりしていてうまい。

笹漬けという名前だが、酢〆を漬けたもの。
樽に詰めて時間を置くことで、ある程度ナレズシになってもいる
のであろう。

東京だと、鮨やで小鯛の酢〆は春子(かすご)といっているが
もっと強く〆るのが一般的であろう。

このくらいさっぱりしているのも、またよい。

これは翌日になるが、温かい飯にのせ、
わさびじょうゆをかけ回し、海苔を散らした。

光ってしまったが、右の汁は先日アヒージョにした
鯛のあらが余っていたので潮汁にしたもの。
小松菜も入れた。
上は小茄子の辛子漬け。

小鯛笹漬けは飯にも実によく合う。

さて、もう一つ。

1月12日(土)昼

見た通り、スパゲティー・カルボナーラ。

どうしても食べたくなって角切りベーコンに、切れていたので
粉チーズも買ってきて作った。

玉子は二個。
一個は白味を除こうとしたのだが、うまくいかずに
結局全卵二個分。
溶きほぐし、粉チーズをたっぷり混ぜておく。
あとでもよいのだが、ここにも黒胡椒を挽き入れておく。

ベーコンを炒め、スパゲティーを茹でる。

スパゲティーが茹ったらフライパンのベーコンと合わせ
玉子と粉チーズのミックスを和える。
微妙に火を入れつつ、ソースを半熟にトロっとさせる。
フライパンなので熱がすぐに上がってしまうので
火を入れるのはほんの少しで、すぐにガス台を外して
混ぜる。
この塩梅がむずかしいが、なにごとも経験である。
なん度もやっているうちにできるようになる。

仕上げにもう一度黒胡椒をたっぷり引き入れる。

皿に盛り付け。

チーズに塩味があるので、あまり塩は入れないのだが、
今回買ったものは若干塩味が低く、足した。

イタリアでカルボナーラはローマのもので、
本来は、パルメザンチーズ、パルメジャーノ・レッジャーノ
ですらなく、ペッコリーノ・ロマーノ、ローマ地域で生産された
羊乳のハードチーズ、を使う。

本場のペッコリーノは香りが違うし、塩味が強く、また、
脂分も多かったのではなかろうか。

ペッコリーノ・ロマーノを買ってきて作ったことがあるし、
また、同じペッコリーノでもシシリア産の、ペッコリーノ・
シシリアーノで作ったこともある。

だがまあ、市販の粉チーズでも私などには不足なく食べられるし、
もちろん、パルメジャーノ・レッジャーノでも十二分に
うまいと感じる。

昨日のピッツアなども同様だが、この違い、
なかなか、門外のものにはわからぬものなのであろう。
(若狭小浜の小鯛の笹漬けと、東京の鮨やの春子の違いは
わかると思うのだが。)

 

 

 

 

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